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東京都の新型コロナ感染者は、連日300~400人台だった7月下旬から8月中旬と比較し、この1か月間は100~200人台で概ね推移し、100人を割る日もあるなど、徐々に減少しているようにも受け取れる。別表に、過去30日間の年代別感染者の推移を示した。
8月24日から9月2日までの10日間の感染者は1,795人で、年代別では20~30代が最も多く884人で、全体に占める割合は49.2%となっている。以下、割合は40~50代が27.9%、60代以上が15.4%、20歳未満が7.4%の順。
9月3日から9月12日までの10日間の感染者は1,729人と前10日間より66人減少した。20~30代が58人、60代以上が36人それぞれ減少したのが反映された。注目されるのは20~30代の感染比率が47.8%へ1.4ポイント低下した一方で、40~50代は31.5%へ3.6ポイントアップしたことだ。
さらにこの10日間はその傾向が顕著になっている。感染者は1,537人へ前10日間から192人減少した。年代別では20~30代が157人、40~50代が39人減少し、60代以上は12人増加した。比率では20~30代は4.3ポイント低下し43.5%になった一方で、40~50代は1.4ポイント、60代以上は2.6ポイント、20歳未満は0.4ポイントそれぞれ上昇した。
以上のことから、感染者の減少に20~30代の若年層が大きく〝寄与〟していることが分かる。他方で、他の世代はそれほど減少しておらず、若年層が減少した分だけ感染比率は高まっている。
今後、どのように推移するか分からないが、感染経路不明者割合は40%台の後半から50%台で推移するなど減少はしているものの依然として高い数値を示していることを合わせ注視する必要がありそうだ。
23区の飲食店などの営業制限も解除(9月15日)され、プロ野球観戦者制限は5,000人から収容人員の50%へ緩和(9月19日)された。10月からは除外されていた東京都のGo Toトラベルキャンペーンも解除される。
以下、9月17日に行われた東京都のモニタリング会議での専門家によるコメントを紹介する。
①新規陽性者数が高い水準のまま、増加比が100%を超える値に変化したことは、新規陽性者数が急速に増加していくことを意味している
②新規陽性者数は、依然、週当たり1,000人を超える高い水準で推移しており、更に増加傾向が続くことへの厳重な警戒が必要である。
③今週の濃厚接触者における感染経路別の割合は、全年代合計で、同居する人からの感染が、前週の37.4%から32.9%に低下したものの、依然として最も多く、次いで職場が13.5%となり、施設13.2%、会食11.6%、接待を伴う飲食店等5.9%の順であった。前週と同様、同居する人からの感染が最も高い割合であった。
④一旦、家族内に新型コロナウイルスが持ち込まれると、感染を防ぐことは困難であり、まずは、家族内に持ち込まないよう、家族以外との交流における基本的な感染防止対策の徹底が必要である。また、特に重症化するリスクが高い高齢者の同居家族への日常的な感染防止対策が重要である。
⑤特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイケア施設、訪問看護、病院等、重症化リスクの高い施設において、無症状や症状の乏しい職員を発端とした感染が多数見られており、高齢者施設と医療施設における施設内感染等への厳重な警戒と、高齢者の感染予防を目的とした検査体制の拡充が必要である。
⑥今週の新規陽性者1,234人のうち、無症状の陽性者が18.0%を占めている。