野村不動産は9月30日、同社の都市型商業施設「GEMS」の新コンセプト施設「GEMS AOYAMA CROSS」をオープンする。表参道駅から徒歩4分、青山通りから一歩入った第2種住居地域(建ぺい率60%、容積率300%)に位置する地下1階地上3階建てのグルメ、ファッション、生活雑貨、ビューティーなど複数の業態が同居するこれまでにないタイプ。開業前の28日、報道陣に公開された。
施設は、“ミシュランガイド”や“アジアのベストレストラン50”でもおなじみの川手寛康氏のフレンチの名店「フロリレージュ」と長谷川在佑氏の日本料理の名店「傳」がタッグを組んだ串料理の新業態「デンクシフロリ」や、人気バッグブランドの新レーベル「Manhattan Portage BLACK LABEL」の初の旗艦店、美容整形やブローエステといったビューティー店舗も加わり、メインストリートから一本入った立地を生かした「隠れ家的なレストラン」や「女性の自分磨き」の場を提供する。
物件は、東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅B2出口から徒歩4 分、渋谷区神宮前五丁目46-7に位置するRC造地上3階地下1階建て。設計デザイン監修はジェネラルデザイン一級建築士事務所。基本設計・監修は野村不動産一級建築士事務所。設計監理・施工はまこと建設。施設運営は野村不動産コマース(2020年10月1日付でジオ・アカマツから商号変更予定)。
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生まれて初めて形成外科・美容外科・美容皮膚科を見学した。2階にある「R.O.clinic(アールオークリニック)」だ。白を基調とした内観もさることながら、女性スタッフの美しさに小生は絶句し、まぶしさのあまり目は点になった。
彼女たちが身にまとっている白衣は、所狭しと飾られた開業を祝うランのそれより白く、安物のポリエステルなどケミカル製品とは天と地ほどの差があるシルクであることが一瞬で判別できた。肌と言えば白磁のミロのヴィーナスよりきめ細やかでシミ一つなく、例えていえば獲れ立ての白桃かあるいは搾りたての馬乳酒か、さもなければ織り立ての薄絹のようなすべらかな白だった。(容貌はマスク越しなのでよく分からないが、いわずもがな。目は口ほどにものをいう)
化粧室の鏡がまたすごい。間違いなく美しい人はより美しく、そうでない人もそれなりに際立たせる仕掛けが施されている。小生も映すことを勧められたが、醜悪な顔だけでなく邪悪な内心までも映し出されるのかと恐れ、代わりに同社広報マンに座ってもらいカメラに収めた。
試しに料金を聞いてみた。大きさにもよるが基本的にはシミ取り1つ3万円で、小生のようにシミか死斑か老人班かも区別がつかない吹き出物を〝取り放題メニュー〟(これは身も蓋もない。美しい彼女たちが吐く言葉ではない。もっとましなネーミングはないのか)は9.5万円(税別)だそうだ。髙いか安いか全くわからないが、坪単価1,000万円の〝プラウド〟が飛ぶように売れ、藤井聡太さんの将棋の封じ手に1,500万円の値がつく時代だ。記者が好きな作家・丸山健二氏の次作「ブラック・ハイビスカス」(全4巻で10万円)と同じくらいの価値があるのかもしれない。
プレス・リリースには「“キレイになりたい”“若返りたい”———誰しも心に秘めるそんな願いを、美容医療で叶える時代。院長を務めるのは、美容医療のパイオニアでもある高須クリニックなどで経験を積んだ呂秀彦氏。丁寧なカウンセリングと繊細な治療が評判の医師です。緻密な二重や鼻の形成、たるみ治療、フェイスリフト手術からダイナミックな脂肪吸引や輪郭形成まで、オールラウンドにクオリティの高い手術治療を提供します」とある。