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2020/10/28(水) 14:14

6か所に「ボイド」 専有・共用に9室の「離れ」付き 伊藤忠都市「小杉御殿町」

投稿者:  牧田司

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「クレヴィア小杉御殿町」

 伊藤忠都市開発が12月に分譲する「クレヴィア小杉御殿町」を見学した。武蔵小杉駅、武蔵中原駅ともやや距離はあるが、等々力緑地に隣接する住環境と、「ヴォイドガーデン」や共用と専有の「+HANARE」を設置したプランが売りのマンションだ。

 物件は、JR南武線・横須賀線・湘南新宿ライン武蔵小杉駅から徒歩19分(徒歩時間を含めたバス便で14分)、JR南武線武蔵中原駅から徒歩16分、川崎市中原区小杉御殿町一丁目の第一種住居地域(容積率200%)に位置する4階建て47戸。専有面積は60.52~115.04㎡、予定最低価格帯は6,500万円台~予定最高価格帯は11,500万円台(最多価格帯6,700万円台)、予定坪単価は320万円。竣工予定は2021年11月中旬。設計・監理は陣設計。施工はファーストコーポレーション。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は、等々力緑地、小杉神社に隣接する一戸建てや中層マンションなどか建ち並ぶ住宅街の一角。中原小学校、川崎市公文書館に近接。バス停まで徒歩5分。

 従前敷地は賃貸マンションで、建物は東西軸が長い敷地形状を生かし東西に分割。それぞれエレベーターを配置した「Wコア」とし、6か所に「ヴォイドガーデン」や吹き抜けを設置することで角住戸比率を高め、外壁には御影石や左官仕上塗材を多用しているのが特徴。

 標準階の住戸プランは南向きが8戸と北向きが7戸。間口は最低でも8m以上、多くは10m超のワイドスパンで、最上階の4戸は6.5㎡の「+HANARE Private」付き。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチン・洗面カウンター、グローエ水栓など。共用施設として入居者が自由に使用できる「+HANARE Common」4室(各4㎡)とゲストルームとしても利用可能な「+HANARE Share-an」1室(15㎡)付き。

 販売を担当する伊藤忠ハウジング藤本一輝氏は「来場者の方は最初価格に驚かれますが、等々力緑地に隣接する立地、武蔵小杉駅まで徒歩時間を含めて14分、設備仕様レベルの高さをアピールしていく」と話した。

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エントランスホール

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115㎡のMrタイプ

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+HANARE Privateイメージ図

◇       ◆     ◇

 このマンションは、同社が開設した「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」を取材したとき話題となった。「坪単価は300万円を超えないでしょ」と質問したら同社都市住宅本部都市住宅事業第一部都市住宅事業第二課・高栁勇斗氏は「坪単価は300万円を突破する」と答えた。

 随分強気だなと感じたが、モデルルーム、現地を見学してこの価格設定が理解できた。敷地の東側は立派な神社の緑で、北側は樹高20mくらいのヒマラヤスギやイチョウ並木で、その先は等々力緑地のテニスコート、川崎フロンターレが本拠とする競技場などが広がっている。ファンにとってはたまらない魅力だろう。設備仕様レベルも間違いなく坪300万円超にふさわしいものだと思う。

 プランがまたいい。「ヴォイドガーデン」は、最近はコスト削減のためかほとんど見られなくなった昭和50年代後半からデベロッパー各社が競って採用した「ボイド」「ライトコート」「吹き抜け」と同じものだ。今回の69㎡の北向き住戸は9.6mスパンで、採光部分は浴室も含めて7か所もある。

 「+HANARE」について。「離れ」そのものは珍しいものではないが、今回は専有部だけでなく、入居者が利用できる個室5室を全体で47戸のマンションに設置したことに意味がある。

 読者の皆さんは、新型コロナ対策として採用したと考えるかもしれないが、そうではない。同社は2019年夏に周辺居住者にアンケート調査を行い、「離れ」に魅力を感じている人が67%(有効回答:400)に達したのを受けて採用したとしている。

 このような同社の時代を先取りする商品企画力は今に始まったことではないが、記者はうなってしまった。最上階の115㎡の1億円超の住戸は12か所に窓・採光部があり、98㎡プランも玄関を入った正面に吹き抜け空間があり、採光窓は7か所ある。

 武蔵小杉駅圏では決まっているものだけで今後千数百戸のマンションが分譲される。坪単価は400万円を超えつつあり、ひょっとすると500万円台になるかもしれない人気エリアだ。今回の同社の物件は消費者がどのような反応を見せるか注目したいマンションだ。

 参考。同社は「クレヴィア山吹神楽坂」でも同様の「+HANARE」を採用している。ここではしシャワールームのみで、浴槽分(0.5帖)をその他のスペースに充てた22㎡のプランもある。神楽坂は坪500万円以上が相場だ。浴槽代はいくらか分からないが、0.5帖は125万円に相当する。掃除代も節約できる。(記者も冬場しか浴槽につからない)

◇      ◆     ◇

 小生が書いた後だが、不動産流通研究所のWeb「R.E.port」に伊藤忠都市開発のプレス・リリースのコピペではない、現場取材したと思われる「クレヴィア小杉御殿町」の記事が同じ日に掲載された。

 小生の記事よりうまくまとめられているかもしれない。同社の了解を得たのでURLを添付する。

緑地隣接の住環境、多面採光の住戸に高評価(2020/10/28)

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現地(右側が小杉神社)

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現地(右奥のブルーぶぶんが建設現場)

これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)

「頭のよくなるマンション」伊藤忠都市開発が埼玉で分譲(2006/11/7)

 

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