RBA OFFICIAL
 
2020/12/05(土) 13:10

玉野市 国内初の低速・小型自動配送ロボ 公道走行実験 三菱地所も実施事業者に

投稿者:  牧田司

 06_公道走行実証の様子.jpg
低速・小型自動配送ロボットの公道走行の実証実験

 岡山県玉野市は12月4日、三菱商事・三菱地所・東京海上火災保険が実施事業者になっている国内初・ルート最適化技術を利用した低速・小型自動配送ロボットの公道走行の実証実施を開始した。

 実験は11日まで玉野市役所を中心とするエリアで行われ、ルート最適化技術を用いて医薬品や日用雑貨を小売店から周辺の住居・事業所などへ配送する。

 高齢化が進展するなか公共交通機関の減少、免許返納、宅配需要の増大などの社会課題を解決する手段として無人の低速・小型の自動配送ロボットの配送サービスが期待されており、政府も7月に閣議決定された「成長戦略実行計画」で早期に「遠隔監視・操作」型の配送サービスの制度設計を策定することを決めている。実験はこれらを踏まえ実施するもの。

 三菱商事は実験全体のコーディネート、全体統括を、三菱地所はロボット運用、ノウハウ提供を、東京海上火災は新たな保険開発、緊急時対応体制、トラブルの予防体制への助言をそれぞれ行う。

 黒田晋・玉野市長は「当市はものづくりの街。新しい仕組み、取り組みは市民になじむ。薬や買い物など身近な切実な問題解決から将来的には市バス・市タクまで大きな問題解決につなげたい」などと挨拶した。

 実証実験は公安委員会の審査を受けることになっており、審査に合格するかどうかが注目される。

04_荷物の積載.jpg 09_荷物の受取.jpg
荷物の積載(左)と受け取り

12_配送ロボから園児へグミのプレゼント.jpg
ロボットから保育園児へのお菓子のプレゼント

◇       ◆     ◇

 実証実験の模様は動画配信されたので視聴した。三菱地所のこの種のAIロボを使った実証実験はビルの中や下地島空港、丸の内の歩道・舗道など4回くらい取材したことがあるが、公道を走行するのはもちろん初めて見た。

 初日の実験では2人の付添人が「後ろから車」「前から車」などと注意を喚起し、車道も3~4回渡った。これを公安委員会はどう評価するのか。〝安全が確認できたら車道を渡っていい〟とは言いづらいのではないか…ン? ロボットは人間ではない。車扱いか。ならば車道を渡るのは問題ないか。

 歩道・舗道も課題が多い。バリアフリーにはなっていないところが多いし、自転車の飛び出しもある。側溝に足(車輪)をとられないかも心配だ。事故を起こしたらロボットに責任を擦り付けるのか、それとも遠隔操作する人が罪に問われるのか。

 実験結果は公表されるはずなので楽しみに待ちたい。

11_遠隔画面より.jpg
遠隔操作画面

三菱地所&ANAHD アバターを通じ観光案内サービスの実証実験(2020/2/28)

世界初、自動運転バス・タクシー・モビリティを活用したMaaS実証実験 三菱地所など(2020/1/21)

三菱地所AI清掃ロボ「Whiz(ウィズ)」実証実験公開 警備ロボも実用化へ(2019/1/22)

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン