東京工業大学とNTT都市開発(代表企業、NTTUD)、鹿島建設、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東急不動産は3月1日、報道関係者を対象としたオンライン記者会見を開き、2月26日に締結されたJR田町駅前の「東京工業大学田町キャンパス土地活用事業」に関する事業協定書の概要を発表した。
同事業は、同大学田町キャンパスに位置する附属科学技術高等学校を大岡山キャンパスに移転することを前提に、公募型企画競争方式により事業者の選定が行われたもので、同大学が定期借地権を設定し、事業者が土地を借り受け、一体的な開発により大学施設を含む複合施設を整備し、管理運営を行うもの。
「科学技術とビジネスの融合により、才知溢れた人々と洗練された情報が集積し、新たな価値創造をリードしていく、国際的な産業・研究拠点を形成」する提案が採択された。隣接する田町グランパークなどとの一体的な街づくり 、国際的な産業・研究拠点の形成に資する1万㎡超のインキュベーション施設などを整備する。2030年6月の供用開始を目指す。
施設は、複合施設Aと複合施設Bから構成。Aは敷地面積約22,700㎡、36階建て延べ床面積約247,700㎡。主な用途は事務所、ホテル、商業施設、保育所、産官学連携施設など。Bは敷地面積約500㎡、7階建て延べ床面積約2,500㎡。主な用途は商業施設、教育研究施設。グランドオープンは2032年4月頃。
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政治家や官僚の記者会見などもそうだが、テレビ画面に顔が大写しされ、話す言葉が全て聞き取れるこの種のオンライン記者発表会の面白いのは、質疑応答の場面だ。
小生よりずっと若いはずのややメタボなフリージャーナリストが「田町にはあまり行ったことがない」と話した。(小生は、醜悪な顔を人前にさらけ出したくないので今までもこれからも絶対顔は出さない。そもそもその操作方法がわからない)
記者は「えっ」と思ったが、メディアの方が田町は馴染みがないというのもよくわかる。乗降客の多寡で街のポテンシャルが図れるわけではないが、JR東日本のデータから山手線29駅の直近の1日当たり乗降客数を調べてみた。
一番多いのは新宿で、池袋、東京がベスト3。以下、品川、渋谷、新橋、秋葉原がJR東日本エリア全体でもベスト10に入り、高田馬場、上野、大崎、有楽町、浜松町に次いで田町は13番目だ。三越が撤退を決めた恵比寿や東急不動産が再開発に参画することが決定した五反田のほか目黒、神田などは同駅の下位にあるが、新駅・高輪ゲートウェイに近い将来追い抜かれるのは必至だ。
記者が山手線29駅のマンション単価ランキングを予想しても、田町は上位にはならない。隣駅の浜松町と高輪ゲートウェイには勝てない。坪単価にして200万円の差はある。
なぜか。住所は港区なのに工場街のイメージが強く文化、商業施設の集積が少ないからだ。ラグジュアリーホテルは一つもない。
そんなエリアの一等地に産官学が結集して国際的な複合施設を整備するのは大賛成。マンションを併設したら記者は坪単価700万円を付けるが…残念。
田町をよく知らない方のために、以下に記者の記事を添付する。
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