陸前高田市役所玄関(2011年4月12日撮影 消防科学総合センター提供)
警察庁、復興庁などのデータによる死者19,668人(うち関連死3,367人)・行方不明2,529人の人的被害を受け、今なお約4.1万人の人が避難生活を続けている2011年の東日本大震災(3・11)からもうすぐ10周年を迎える。甚大な被害を受けた太平洋岸39市町村の人口動態を紹介する。
今年2月1日時点の人口を見ると、岩手県は県全体で昨年より1.1%減少(前年同月は1.2%減)したのに対し、太平洋岸12市町村は2.1%減少(同2.2%減少)と減少幅は縮小したが、県平均を1ポイント上回っている。もっとも減少幅が大きかったのは田野畑村の3.6%で、久慈市、野田村、岩泉町、宮古市、陸前高田市は前年より減少率が増加した。
宮城県は、県全体で昨年より0.4%減少(前年同月は0.5%減)したのに対し、太平洋岸15市町村は0.2%減(同0.2%減)と変わらず。仙台市は0.2%(前年同月は0.1%増)、名取市は0.6%(同0.6%増加)それぞれ増加した。39市町村で人口が増加したのはこの2市のみ。
減少幅が大きかったのは女川町の2.5%(同1.3%)、南三陸町の2.4%(同2.7%)。昨年より減少率が増加したのは石巻市、塩竃市、亘理町、山元町。減少率が減少したのは南三陸町、東松島市、利府町など。
福島県は、県全体で昨年より1.0%減少(前年同月は1.0%減少)したのに対し、太平洋岸10市町村全体では1.1%減少(同1.0%減少)した。
減少幅が縮小したのは相馬市、大熊町、楢葉町で、拡大したのは富岡町の3.2%減(前年は2.2%減)、浪江町の2.8%減(同1.4%減)、双葉町の2.3%減(同1.7%減)など。
39市町村合計の人口は、前年同月の約249.5万人から約248.0万人へ0.6%、1.5万人減少した。減少幅が拡大したのは17市町村で、縮小したのは15市町村だった。
震災前との人口比較では、女川町が43.7%、南三陸町が38.4%、大槌町が29.8%それぞれ減少している。
自転車が埋まった浦安市今川地区の住宅街(2011年3月18日撮影)
地面が50cm近く沈下し、ビールケースで下りられるようにしている稲毛高浜南団地(2011年3月22日撮影)
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