昨夜の週刊住宅に関する記事は怒りに任せて書いた。Webにアップしたとき、ちょっとやりすぎと思わないではなかったが、一夜明けても怒りは収まらない。むしろ逆だ。今後のことを考えるともう一度整理して書くべきという結論に達した。いくつか問題点を指摘する。
一つは、このような記事をよしとする同紙の編集部・経営の問題だ。記事を事前にチェックすれば、プロの読者を満足させる内容でないことはすぐわかるはずだ。週刊紙だから取材の目的を明確にし、どこにどのように取材すればいいか、書く担当者が素人であっても指示できた時間的なゆとりはあったはずだ。
同紙は、前社長の急死をきっかけに破綻し、その後、再刊を望む支援者の出資で復活したことはみんな知っている。その支援者に報いるためにも、旧に倍する努力でもってオピニオンペーパーの役割を果たすべきではないか。残念ながら、貴紙にはその姿勢が欠けているように思えてならない。
もう一つ、素人記者は無知であることを恥じるどころか居直って、あろうことか現時点で最高レベルの野村不動産「プラウドタワー亀戸クロス」を俎上に上げ、そのレベルの高さには一切口をつぐんでいることが許せない。
小生は、野村不動産が昨年2月、代表取締役社長・宮嶋誠一氏(4月1日付で副会長に就任予定)と取締役兼専務執行役員・松尾大作氏(同じく社長に就任予定)も出席して記者発表会を行ったときも、昨年末も同物件が最高レベルであることを書いた。
その商品企画レベルは、省エネ性と居住性能を飛躍的に高める全館空調(床快full)、間取りの可変性を実現した「Mi-liful(ミライフル)」、断熱性能の高い樹脂サッシとLow-Eガラス、電気室への浸水を防ぐ止水扉など他社の追随を許さない。大げさに言えばマンションの歴史を塗り替えた記念碑的なマンションだ。
そんなマンションなのに、週刊住宅の記事によれば、地元業者は他の物件と十把一絡げにして「そこそこの売れ行き」とみているようだ。亀戸のポテンシャルを引き上げるためにも、この誤解を解くべきだ。「亀戸」で坪単価350万円は確かに高いと思う。第一次取得層の取得限界を超えている。それがゆえに「そこそこ」であったとしても、もう一度しっかりと物件特性を伝えるべきだ。
そこでお願いだ。この記者をモデルルームに呼んで、レクチャーしていただきたい。本人は「定点観測を続けたい」と言っているではないか。ここでしっかり「最高レベル」マンションとはどのようなものなのか認知させることは、今後続々供給される御社の城東エリアの再開発マンションにもつながるだろうし、デベロッパーは記者を育てる役割を担っているはずだ。
記者の方にも再度言いたい。昨日はかなり辛辣なことを書いた。二度と立ち直れなくなったらどうしようかという心配もないわけではないが、これしきのことでへこたれるようではそもそも記者になる資格がない。人は過ちを犯すものだ。今回の蹉跌を糧に一流の業界紙記者を目指してほしい。
そのためには、昨日も書いたが評論家などの言葉を信じないことだ。小生は業界紙の記者になってからすぐ、この業界には〝評論家〟と呼べる人は、故・佐藤美紀雄氏(2005年9月17日死去)しかいないことを知った。佐藤氏の死後も佐藤氏を超える〝評論家〟は一人も出現していない。〝御用評論家〟ばかりだ。
そんな人たちに頼らず、ジャーナリストとして自立の道を歩んでいただきたい。