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スウェーデンハウスと野原ホールディングスは4月20日、世界初の3Dキャラクターによる接客機能を搭載した室内360度バーチャル内覧サービス「VRモデルハウスウォークスルー」を共同開発し、同日からスウェーデンハウスの公式サイトで提供すると発表した。
「VRモデルハウスウォークスルー」は、両社が共同開発したもので、住宅購入検討者はスウェーデンハウスのモデルハウスをバーチャルで内見でき、オリジナルの3Dキャラクターが内見サポートするウェブサービスだ。
利用者はWeb上でモデルハウスを内覧することができるだけではなく、好みの3Dキャラクターと営業スタッフに現地で説明を受けているような感覚で会話(ボット機能)をしながら、モデルハウスを内見することができるのが特徴。
モデルハウス内見用の3Dサービスは、米国マーターポート社(Matterport, Inc.、URL:https://matterport.com/ )が開発した「Matterport® True3DリアリティーキャプチャープラットフォームおよびMatterport Pro2 3D カメラ」を活用しており、このシステムに3Dキャラクター関連機能を搭載したのは世界初という。
発表会で同社・村井秀壽社長は、「わたしは3年前に終の棲家としてスウェーデンハウスの住宅を建てた。3重窓や高気密・高断熱住宅のよさを実感した。コロナの影響でモデルハウスの来場は減少しているが、Z世代を中心に住宅取得のニーズは高く、当社もまだまだ伸びしろがある。今回の世界初のトライによって業績は10%伸びた」と語った。
また、同社営業推進部部長・大川保彦氏は、「昨年5月から試行的に3Dウォークスルーを導入したところ、モデルハウス来場予約は2020年3月期の757件から、2021年3月期は1,665件へと2.2倍に増加した。モデルハウス来場者による成約率は2~3%だが、Webを通じた成約率は10%に達している」と具体的な数値を示した。
野原ホールディングス社長・野原弘輔氏は、「昨年の春以降、VRの撮影依頼が急増している。DXを加速させる」と話した。
両社は今後、検索項目を増やし、例えばモデルハウスに使用されている家具をクリックすると、製造はどこかいくらで販売しているかわかるようにするなど、ブラシュアップしていくという。
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スマホすら満足に扱えない記者にとって、発表会の1時間というものはちんぷんかん、何のことなのかさっぱりわからなかった-というよりは、ずっと話を信じていなかった。
なぜか。昨日書いた積水ハウスのライフスタイル型モデルハウス「みんなの暮らし 4stories」の記者発表会・内覧会の記事を読んでいただきたい。積水のモデルハウス内覧会は同社の広報のスタッフが撮影した動画を配信したものではあったが、モデルハウスのよさを伝えきれておらず、プロが担当してもオンラインでは住宅の質感を表現できないと確信したからだ。
スウェーデンハウスの住宅だってそうだ。いくら村井社長が「三重窓はいい」といったところで、これは実際に体験してみないとそのよさはわからない。
同社の住宅は、C値(相当隙間面積)もQ値(熱損失係数)もU値(外皮平均熱還流率)も他社を圧しているが、これら優れた数値がもたらす快適な居住環境、空気感、居心地の良さなどのリアル感は、いかなる精巧な3Dキャラクターを駆使し、画像の解像度を上げたところで演出できないはずだ。
村井社長など3氏の話を聞きながら、3Dキャラクターにトナカイ「ムース先生」やスウェーデンのきれいな女性を起用しようが、劇的に住宅展示場のあり方を変えることなどできはしないと、ずっと考えていた。
ところが、記者発表会の後のシステム体験会で、その考えがぐらついた。
自分のライフスタイルにあわせたモデルハウスを選び、こだわりなども設定し、指向性は記憶させることもできるというのは想定内だ。
驚いたのは、モデルハウスの内観のところどころに◎印がついており、そこをクリックすると、その部位の素材や特徴などが表示されたことだ。読者のみなさんもぜひ体験していただきたい。(VR モデルハウスウォークスルー https://vr.swedenhouse.co.jp/)本音を言えば、記者は操作も満足に行えないので、VR画像などをWebでほとんど見たことがない。どこまでが従来もある技術で、どこからが〝世界初〟なのかよくわからない。
それにしても、凄い世の中になってきた。同じようにAI技術を活用したシステムでは、東急リバブルが投資用マンションと顧客をつなぐ「投資用区分マンションAIマッチングシステム」を開発した。これによると、営業経験5年以上の担当者が行う物件選定と遜色ないレベルを実現したというではないか。
だが、しかし、村井社長も話したように、いかにAI技術が発展しようとも人間の五感に迫るリアル感は開発できないのではないか。