「Order Made Space 西新宿」
サンフロンティア不動産の連結子会社サンフロンティアスペースマネジメントが6月1日オープンした「Order Made Space 西新宿」を見学した。1棟ホテルをオフィススペースに用途変換し、最短1週間貸しとして多様なニーズに応えるもので、コロナ対策とオフィスニーズの両方を満たそうとする面白い取り組みだ。
物件は、東京メトロ丸の内線西新宿駅から徒歩2分(JR新宿駅から徒歩7分)、新宿区西新宿7丁目の商業地域に位置。賃貸面積は約12~21㎡。築28年。対象となるのは5フロア全69室で、全室高速インターネット回線(有線LAN)を完備。1名から5名までの「個室」と、最大30名収容可能な「会議室」などからなる。営業時間は9:00~21:00(時間外も応相談)。契約対象は法人、個人問わず。契約期間は1週間~年単位まで。運営は同社。室料は、個別顧客のオーダーに対応する。
昨年までビジネスホテルとして利用されていたが、コロナの影響で事業者が撤退。オーナーから相談を受けた同社がベッドを撤去し、浴槽を残したまま給水・給湯を止め、オフィス家具や照明器具などを設置し、オフィス空間へと転換したもの。オーダーに合わせてセットアップするため、顧客のあらゆるニーズに幅広く応えるのが特徴。
同社は2019年4月、サンフロンティア不動産から分社・独立。「ビジョンセンター」ブランドの貸会議室事業を都内16拠点で展開しており、オーダーメイドスペースは現在189室を運営している。1棟ホテルの転用というのは今回が初の試み。すでに8室の賃貸が決まっている。
連絡先は03-6262-3638、またはメールこのメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。へ。
モデルルーム
左から冷蔵庫、ポット類、ズボンプレッサー
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記者は、アパホテルが5月7日から開始した1か月99,000円のサブスクに注目している。1日約3,000円だ。賃貸マンションの賃料と変わらないのではないか。コロナ感染のリスクなど費用対効果を考えたら丸抱えで負担する会社もあるのではないか。
それと比べて、今回の同社のプランはどうか。ベッドを撤去し、ポット、冷蔵庫など備品はそのまま利用するのは理にかなっている。リネン、アメニティ費用はゼロになり、初期投資費用は最小限に抑えられる。
ならば、もう一ひねりして、普通の賃貸マンションと同じように、ホテル機能を維持しつつオーダーメイドのオフィス空間を提供することは可能ではないか。徹夜で仕事をする人は寝具などを持ち込めば済むはずだ。同社担当者も「徹夜で仕事をしたいというニーズは理解できる」と、その可能性を否定していない。
ホテルオーナーは、コロナが収束したら再びホテルとしての活用を考えているとのことだ。これは三方よしのビジネスの基本に合致する。
ついでながら、現地は三方が道路で前面は公園と墓地。最高の立地条件だ。仮にマンションを建てたら坪単価は600万円くらいするのではないか。