LIXILは2021年7月21日(水)~9月5日(日)、「安心と快適を、すべての人に。」をコンセプトに、多様なニーズに対応した誰もが使いやすいトイレを設置した「LIXIL PARK」をフジテレビ1F広場で開催する。20日、報道陣に公開した。
「LIXIL PARK」は、SDGsを推進するフジテレビジョンが主催する「THE ODAIBA 2021」の一環として実施するもので、「安心と快適を、すべての人に。」をコンセプトに、機能分散の考え方を取り入れ、車椅子使用、人工膀胱や人工肛門を造設したオストメイトの人、乳幼児連れの人に配慮した7種類の個室を用意。また、トイレ以外にも授乳室やカームダウン・クールダウン室も備えている。
設置に当たっては、どんな場所にも設置可能、利用目的に応じて自由に空間形成が可能の可動式アメニティブース「withCUBE」を活用している。
開催にあたり、40年以上もバリアフリー、ユニバーサルデザインを研究している東洋大学名誉教授・髙橋儀平氏は次のようにメッセージを寄せている。
共生社会のトイレは個の尊厳が守れるトイレでなければなりません。つい数年前までは、何とか高齢者や車椅子使用者、乳幼児連れの方、オストメイトの方が利用できるようにと1つのブースにあらゆる設備を投入した、「バリアフリートイレ」「だれでもトイレ」がトイレ整備の基軸でした。近年では男女共用のバリアフリートイレに性的マイノリティの方、発達障害者や高齢者の介助者同伴による利用が加わっています。性別に関係なくストレスフリーで利用できるトイレブースが他にないからです。社会環境のバリアフリー化の進展とともに「バリアフリートイレ」への利用集中が増していました。そうすると広いスペースしか使えない車椅子使用者は行き場を失います。
そこでダイバーシティの環境づくりを目指す私たちは、可能な限り個人の尊厳を守るために、多機能トイレや内部にある設備を利用者の特性ごとに他のブースに分散し、安心して選択できる個のトイレへとシフトしたのです。
「withCUBE」がこれからの社会の新たなトイレづくりの指標になると確信しています。
車椅子使用者配慮
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記者は、一昨年からトイレの取材をするようになった。マンションや戸建てではどのような仕様になっているかチェックするようになった。日本財団の「THE TOKYO TOILLET」プロジェクトの完成した11のトイレも全て見学取材した。
カームダウン・クールダウン室の提案はいい。さらに言えば、安全性をどう確保するか課題はあるが、少し横になれるとか、飲料水が飲める自販機を設置するとか、食事ができるとか機能を増やせば利用者は増えるはずだ。
機能分散について。多機能トイレ・だれでもトイレは、普通の人も利用するから、障がい者など必要な人が使えないという問題が発生する。トイレだけでなく道路も建築物もバリアだらけだ。バリアフリー・ユニバーサルデザインの視点から総合的に考えないといけないと思う。