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2021/11/06(土) 09:14

三井不動産 2022年3月期2Q 売上高、純利益は過去最高 投資家向け分譲も伸長

投稿者:  牧田司

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投資家向けには海外分譲住宅を含む

 三井不動産は11月5日、2022年3月期第2四半期決算を発表。賃貸商業施設の回復、投資家向け分譲の伸長、個人向け仲介(リハウス)・貸し駐車場(リパーク)の回復、前年同期での特別損失計上の反動、政策株式の売却による特別利益の計上などにより、売上高9,968億円(前年同期比25.0%増)、営業利益1,009億円(同57.3%増)、経常利益888億円(同87.9%増)、純利益863億円(同854.9%増)と大幅増収増益となった。売上高、純利益は過去最高。

 セグメント別では、「賃貸」は売上高3,219億円(同274億円増収)、営業利益656億円(同20億円増益)。前期に竣工した「文京ガーデン ゲートタワー」の通期稼働のほか、既存オフィスの賃貸収益が増加した。首都圏の単体オフィス空室率は3.9%(前年同期は4.7%)に改善した。

 「分譲」は売上高3,128億円(前年同期比1,075億円増収)、営業利益570億円(同264億円増益)。国内分譲住宅は計上戸数が減少したため売上高1,387億円(同369億円減収)、営業利益182億円(同77億円減益)と減収減益となったが、計上予定戸数3,100戸の契約進捗率は90%で、完成在庫はマンション145戸、戸建て3戸の合計148戸(前期末167戸)。

 投資家向け・海外住宅分譲は、「飯田橋グラン・ブルーム」の売却(776億円)などで売上高1,740億円(前年同期比1,444億円増収)、営業利益388億円(同342億円増益)と大幅に伸長した。

 プロパティマネジメントは売上高2,094億円(同205億円増収)、営業利益254億円(同138億円増益)。リパークの貸し駐車場が回復、リハウスの個人向け仲介が一昨年同期に近い水準まで回復した。

 その他のホテル・リゾート事業は、新型コロナの影響で売上高1,526億円(同439億円増収)、営業損失210億円(前年同期は営業損失182億円)となった。

◇       ◆     ◇

 新型コロナの影響でホテル・リゾート事業は振るわなかったが、他は絶好調だ。記者が注目したのは分譲住宅の完成在庫の少なさだ。特に戸建てはわずか3戸しかない。同業他社からも〝売るものがない〟という声が聞こえるが、年間数百戸供給して在庫がないというのはバブル期にさかのぼってもないのではないか。マンションも同業他社と比較して極端に少ない。

 もう一つは「分譲」セグメントの内訳だ。前期末決算で「投資家向け・海外住宅分譲」売上高が「国内分譲住宅」を初めて上回ったが、今期もその流れが継続している。通期予想の売上高6,700億円のうち国内分譲住宅2,700億円に対して投資家向け・海外住宅分譲は4,000億円。その差は拡大しそうだ。

 同社の分譲住宅をずっと取材してきた記者は複雑な気持ちだ。マンションや戸建ての用地担当者は、酷暑であろうと極寒であろうと雨が降ろうが雪が降ろうが、足を棒にし革靴の底をすり減らしながら安価で良質な土地を求めて歩き、商品企画担当も〝売れる〟商品づくりに粉骨砕身しているはずだし、販売担当もまた、年間にして数万、数十万人の顧客に接し、1戸1戸売っている。他社を圧倒するブランド力はそうした努力の結果だ。

 一方で、商業施設やオフィス、ロジステックスなど投資家向けは、1件当たり数十億円、数百億円に達する。例えていえば、分譲住宅事業は肥沃な土地に種をまき育て収穫する農耕型で、投資家向けは一網打尽の狩猟型に近い。それを「分譲」の一括りにするのは納得できないが、同社はセグメントの変更は考えていないようだ。

 さらにもう一つ。同社は販売受託業から撤退するのではないかという噂があるが、同社経理部長・村田忠浩氏は「そのような事実はない」と否定した。

三井不動産2021年3月期 増収減益 投資家向け売上高過去最高 国内分譲を逆転(2021/5/15)

 


 

 

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