RBA OFFICIAL
 
2021/11/13(土) 12:23

1200㎡の調整池に蓋 上部を公園化 半年で全62戸をほぼ完売 ポラス「船橋 二和向台」

投稿者:  牧田司

IMG_0742.jpg
「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」 

 ポラスグループの中央グリーン開発は11月12日、千葉県船橋市で開発中の大規模分譲戸建て「グランマーレ船橋二和向台 カームライフ」(62区画)の販売が好調で、分譲開始から約半年で59戸残り3戸と発表した。同日、メディア向け見学会を行った。

 物件は、新京成電鉄二和向台駅から徒歩8分、船橋市咲が丘3丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全62区画。土地面積は115.71~198.73㎡、建物面積は88.19~109.30㎡、価格は3,280万~4,880万円(平均は4,000万円前後)。建物は木造在来工法2階建て。施工はポラテック。

 4月30日から販売を開始し、11月4日現在、751組の来場を集め、59戸を成約。残りは3戸となっている。立地と価格のバランスの良さが評価され、インスタグラムの反響が効果的だったという。

 契約者は、船橋市居住者が29%、都内が14%、松戸市が12%。平均年齢は34.1歳の第一次取得層。53%が都内勤務。

 場所・モノ・楽しみをシェアできるコミュニティタウンを目指し、約1,200㎡の調整池を地下化し、上部を公園として利用できるように整備したほか、幅9m×長さ約73m(657㎡)の施設緑地にはヤシの木などの緑を配し、石畳の散策路には3か所にベンチ(うち1か所は防災ベンチ)を設置。分譲戸建てでは珍しいカーシェア(1台)を導入しているのも特徴の一つ。調整池の地下化は2021年グッドデザイン賞を受賞した。

6170c2ef10499_002.jpg
階段の上が調整池を地下化した公園&緑地

6188af1912d45_002.jpg
街並み

618a0fc6ad100_006.jpg
モデルハウス

◇       ◆     ◇

 同業の記者の方が「これはため池か」と担当者に聞いた。記者は「ため息」をつくほかなかった。大規模開発が少なくなった今は「調整池」などは死語に近いのだろうが、「ため池」とは似て非なるものだ。戸建て住宅街を取材するとき、いつも考えたのは「調整池」の活用だった。柵・フェンスを取っ払って、子どもの遊び場などにできないかと。皆無ではないが、調整池に蓋をし、地域住民に開放した事例は全国的にも珍しいはずで、整備費には数千万円かかっているのではないか。

 グッドデザイン賞審査員が「公園としての居心地や環境整備については今後少しずつ改善していくことが望まれます」と述べているように、管理する行政と利用する地域住民が話しあって、いろいろなイベントを行えるように公園利用のあり方を検討すべきだと思う。同社は管理組合を通じ、地域とのつながり・コミュニティ醸成に取り組んでいくとしている。

IMG_0745.jpg
緑道(この手前に調整池を地下化した公園がある)

◇       ◆     ◇

 記者が驚いたのは、1本数十万円はするはずのヤシの木やドラテナなどの樹木を緑地だけでなく敷地内5カ所に惜しげもなく配していることで、ベンチは草花の手入れ用具が入れられるようになっていた。環境にやさしいガビオンが全戸に採用されており、隣り合う数戸で構成されるコモンスペース(コースタルウォークパーク)もいい。

 住戸プランでは、2戸だが平屋の提案がいい。個人情報もあるので詳細は書けないが、ニーズは間違いなくある。公開された1戸のリビング天井高は最大3.5mあった。1階住戸は防犯合わせガラスが採用されていた。

 担当者によると、エリアの相場は2,000万円台の半ばから3,000万円台の半ばだそうだが、この価格帯では今回のようなランドスケープデザインや設備仕様レベルは絶対確保できない。都民にはなじみのない「二和向台」でも契約比率が14%(8戸か)というのもよく分かる。別掲の「怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹」の記事と合わせて読んでいただきたい。

IMG_0749.jpg
販売センター所長の上津原祐樹氏(上津原氏はRBA野球大会で活躍しているポラスグループ野球部の主力の一人。お会いできてとても嬉しかった。商品企画がいいので販売には苦労しなかったと思うが、地元相場の3,500万円の壁を打ち破ったのはさすがだ)

怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹(2021/11/12)

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン