RBA OFFICIAL
 
2022/02/22(火) 21:05

「素晴らしい」審査員激賞 マンション管理協「バリューアップ・アワード2021」

投稿者:  牧田司

 マンション管理業協会は2月22日、「マンション イノベーション フォーラム2021」を開催。第一部の①マンションライフ・シニアライフ部門②工事・メンテナンス部門③防災部門④管理組合運営部門の各賞を表彰する「マンション・バリューアップ・アワード(MVA)2021」のグランプリは、防災部門で「コミュニティの再構築とマンション自主防災力の強化」をテーマにプレゼンテーションを行ったつづじが丘ハイム管理組合理事長・久保田潤一郎氏が受賞した。グランプリ以外の各賞受賞者は次の通り。

 ①マンションライフ・シニアライフ部門 「自治体と地域住民(団体)および管理組合との連携による『街なか花壇事業(花植え活動)』の実施について」報告した東急コミュニティー マンション事業本部第一事業部 東京中央支店営業チームE所長・米藤健太氏

 ②工事・メンテナンス部門 「管種の異なる共用部分排水管全体の一斉樹脂化更新工事による長寿命化への試み」 野村不動産パートナーズ建築事業本部技術管理部商品開発課 一級建築士/一級施工管理技士/マンション管理士・桒原千朗氏

 ④管理組合運営部門 「建物の老朽化と居住者の高齢化に対処した管理組合の活性化対策構築および活動」 シャルム浦安管理組合支援委員会 島﨑齊氏

 グランプリを受賞した久保田氏には、グランプリ30万円+部門賞10万円の合計40万円が、その他の受賞者にはそれぞれ部門賞10万円の副賞が贈られた。

 久保田氏は受賞について「当初はこのような賞のことは知らず2か月間断っていたが、居住者などの勧めでぎりぎり応募した。防災マニュアルは著作権もありませんので、全国の管理組合の防災対策のひな型として使っていただき、一人でも多く助けられる防災に強い日本にしていただきたい」と語った。

 マンション管理業協会理事長・岡本潮氏(東急コミュニティー特別顧問)は、「応募があった424作品の一部を読ませていただいたが、みんな素晴らしいものばかり。4名の方のプレゼンには感心させられたので、全員をグランプリにできないかと話したほどだ。ルールとのことでそれはできなかったが、各作品が広く業界に届くことを願っている」と述べた。

 フォーラムは、2017年から行っていた「マンションいい話コンテスト」を2019年にリニューアルし、マンション管理の様々な取り組みや事例について新たなナレッジ共有を図りながら、次世代のマンション管理について考え、今後のマンション業界の課題解決とイノベーションを進める活動の一環として実施しているもの。2021年はコロナ禍のため開催されなかった。今回の4部門のエントリーは424事例だった。フォーラムは会場開催とともに、関係者向けにオンラインでも配信された。

 このほかフォーラムでは、第二部として元アップル米国本社副社長兼日本法人代表のリアルディア代表取締役社長・前刀禎明氏による「学び続ける知性」と題した特別講演、第三部では岡本氏のほか同管理協副理事長・石﨑順子氏(大和ライフネクスト社長)、横浜市立大学国際教養学部教授・齊藤広子氏、マンションライフ継続支援協会理事長・三橋博巳氏、一級建築士・宮城秋治氏による「変わるマンションと、暮らす・生きる・考える」をテーマとしたスペシャルセッションが行われた。

◇        ◆     ◇

 フォーラムは、2度の休憩時間を挟み午後13:30~17:00過ぎまでの長丁場。メモを取るのに必死だったが、審査員の方々が「夢と希望と勇気を頂いた」(齊藤氏)を筆頭に「素晴らしい」「感動した」「感心した」「分かりやすい」などを連発した第一部がとてもよかった。岡本理事長が「グランプリは4氏に渡したかった」と述べたのもその通りだと思う。このほか優秀賞、審査員特別賞、佳作を含めた他の応募作品にも苦労に報いる何かしらのご褒美があっていい。

 グランプリ受賞の「つつじヶ丘ハイム」は築50年だが、住友商事が売主で竹中工務店が施工した最高のマンションだと思う。東急コミュニティーが受賞した「南千住」のマンションは記者も取材したことがある「ブランズタワー南千住」のはずで、取り組みによって路上迷惑駐輪が激減し、マンションの駐輪場収入が90万円/年増加したというのにびっくりした。

 野村不動産パートナーズの「コープ野村東六郷」の改修提案力にも脱帽するし、「シャルム浦安」も外注すれば400万円/年の経費を削減できたという提案もまた凄い。

 スペシャルセッションでは、岡本理事長の「将来価値が増加するのか減少するのかを織り込んで現在価格を評価すべきだが、現状はそうなっていない。DXを駆使してそれを〝見える化〟し、業界を根本的に変えたい」旨の発言に注目したい。

 新築も中古もマンションの質に関する様々な評価制度はあるが、管理を含めた総合的な総合評価制度はない。マンション管理業協会が主導するかどうかはともかく国や不動産協会、不動産流通経営協会(FRK)などが一堂に会して論議すべきではないか。

グランプリは西京極大門ハイツ・佐藤氏 管理協 バリューアップ アワード2019(2019/12/14)

 


 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン