東京ドームと三井不動産グループは3月1日、明日(2日)から始まるプロ野球オープン戦(巨人-西武)を前に、プレス内覧会「TOKYO DOME RENEWAL 2022」を実施した。取材に駆け付けた報道陣は98人(主催者発表)で、関係者を含めるとその倍はあった。西武ライオンズは昨年3月8日、同じようなセレモニーを実施したが、これほど多くはなかった。記者・関係者動員力では巨人が圧勝か。設備仕様レベルはさて…。
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記者がもっとも注目したのは、「THE SUITE TOKYO(ザ スイート トウキョウ)」だ。2008年に開設したものをフルリニューアルしたものだ。3階の31番ゲートに設けられた専用のエントランスを小生は誰よりも先に入った。一番乗りを果たしたのは記者だ。敵地に堂々と乗り込む心意気は負けない。
エントランスを入った途端、脚がすくんだ。広い廊下の両脇には制服を着た女性数人が歓待してくれた。アテンダントと呼ぶのか。一流ホテル・旅館と変わらない〝おもてなし〟に〝アンチ巨人〟の記者も脱帽した。
廊下の壁などには巨人の歴史や伝統がよく分かる写真、トロフィーなどが飾ってあった。水原さん、川上さん、長嶋さん、王さん、松井さん、最近では阿部さんや坂本さんの写真やユニフォームなどか飾ってあった(記者が確認できなかっただけか、森さん、広岡さん、江川さん、桑田さんなどはなかった)。
座席(客室)は全28室。定員は8~12人で広さは28㎡が中心。全て法人向け年間契約で料金は非開示。今期は全て契約済みとか。ワインボックス、ビールサーバーが付いており、テーブルはシート張りだが脇は突板。椅子、ソファーなどは合成皮革。カウンターは〝パークホームズ〟仕様の人造大理石。全面折れ戸開口の観覧席付き。
「THE SUITE TOKYO」に隣接する「プレミアムラウンジ」も大幅にリニューアル。ビュッフェメニューには後楽園飯店料理長が監修する「フカヒレの姿煮入り汁そば」のほか、東京ドームホテルの料理が食べられる。
メインビジョンは、面積としては国内スタジアムで最大規模という横幅約125m、面積約1,050㎡。従来比で約4.4倍に拡大し、画質なども国内プロ野球場最高レベルという。このほか、右中間、左中間の外野フェンスにリボンビジョンを設置し、場内のLED照明約650台をDMX連動によって制御するシステムを導入している。
新しい観客席の取り組みでは、4人席×18区画の全72席の白が基調の「THE 3rd PLATINUM BOX」のほか、4~8人席の半個室の「MASU CABANA(マス カバナ)」(84席)、ペア観戦用の「CRAFT COUNTER(クラフト カウンター)」(48席)など。バックネット裏の黒が基調の「ダイヤモンドボックス」も160席から290席に増設している。
新しいサービスとしては、ドーム内の全売店、客席販売、チケット販売などで完全キャッシュレス化を実施。一部にはパナソニックの技術を利用した顔認証入場・決済も行う。
場内(一部場外)にはグラフィックデザイナー・河村康輔氏によるデザインを施し、「非日常的な空間」を演出している。
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以下は、西鉄時代も含めて西武ライオンズファン・アンチ巨人歴六十余年の記者が書くことだから、相当の偏見に満ちた記事であることを承知の上で読んでいただきたい。
まず、西武ドーム(今季からベルーナドームに変更)との比較。立地は東京ドームと比較にならないし、施設は冬はより寒く夏はより暑い西武が完敗。
完全キャッシュレス化、顔認証も東京ドームはさすがだと思うが、スマホをまともに扱えない小生などはどうなるのだろう。付添人がいないと観戦できない。
後楽園飯店の「フカヒレ」はいくらか分からないが、確かに後楽園飯店の中華はおいしい。(西武ドームの応援はいつも池袋の西武デパートの弁当を買っていくので、比較は困難)。売店では、東京ドームがサントリーの「TOKYO CRAFT」ビールを売っているのがいい。小生はあまりビールを飲まないが、この「TOKYO CRAFT」は別格だ。最高においしい(これは好みがあるが)。
ここまで書いてくると、どうも西武のほうが劣勢だが、西武が勝っている(我田引水かもしれないが)とすればデザインだ。西武カラーはジャイアンツカラーより美しい(これまた好みの問題か)。
観客席だって西武は負けていない。西武の観客席はすり鉢状なので階段のステップは緩やかで、縦も横も移動は比較的楽だ。しかし、一方の東京ドームの階段幅は狭く、ステップもかなりきつい。席と席の間隔も西武のほうが広いような気がする。
「THE SUITE TOKYO」は、そもそも西武にはそんな席はないので比べられない。東京ドームは全28室とも契約済みだとか。ご同慶の至りだ。
気になる料金だが、非開示ということなのでさっぱり分からない。10人くらい利用できるから、一人1.5万円として1.5×10(人)×70(年間試合数)=1,050万円になる。マンション単価予想なら自信があるのだが、これは当たっているかどうか自信はない。
2勝1敗ペースで勝てれば、お金持ち巨人ファンにとっては安い買い物だが、過去10年間の巨人の戦績は1,410試合742勝603敗65分、勝率.552だ(西武は.517)。
つまり、勝ったり負けたりだ。〝球界の盟主〟を標榜するチームのファンのストレスは相当なものだろう。年間1,000万円の価値は果たしてあるのか。
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