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2022/03/17(木) 14:32

分譲戸建て「仕入れ強化。Nearly ZEH進める」本間部長 大和ハウス 恒例レクチャー会

投稿者:  牧田司

 大和ハウス工業は3月17日、恒例の「記者レクチャー会<2022年公示地価>」を質疑応答を含め約1時間45分にわたって開催。分譲マンションについては同社マンション事業本部 事業統括部部長・角田卓也氏が、戸建てについては同社住宅事業本部 事業統括部 分譲住宅グループ部長・本間生志氏が、物流施設などについては同社建築事業本部 営業統括部 Dプロジェクト推進室室長・井上一樹氏が事業概況を説明した。

 首都圏マンション市場について角田氏はコロナ禍をきっかけに価値観、生活スタイルの変化に伴う持家志向が強まり、都心部では生活利便性や資産性を重視する富裕層、アッパーミドル、DINKSなどの需要は旺盛で、郊外物件も引き続いて堅調に推移し、近畿圏や地方都市もほぼ同様の動きがみられると語った。

 好調市場を背景に、用地仕入れ環境はタイトで、都心案件ではオフィス開発業者や賃貸マンション開発業者との競合が激化、用地取得価格は一段と上昇していると話した。

 本間氏は、都心部での2億円前後の3階建て分譲戸建ては年間50~60戸がほとんどが即日完売する人気となっている一方で、マンションと同様、用地取得合戦が激化、従来仕入れられていた年間4,000区画は3,000区画まで減少しており、「死活問題」と危機感を強めていた。来期から仕入部隊を強化し、商品企画にも力を入れるなど回復を期していることを強調した。

 井上氏は、同社の売上高4兆1,267億円(2021年3月期)のうち賃貸住宅とほぼ同様の23%を占めることから自信満々で、第6次中計(2019年4月~2021年3月)で掲げている不動産投資1兆3,500億円のうち6,500億円が事業施設で、今後も拡大すると話した。

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 このレクチャー会は、質疑応答にも十分時間を割き、メディアの質問にも丁寧に答えてくれるのでとてもいい。

 角田氏は、第1期分譲で200戸以上を成約するなど好調なスタートを切った「ONE 札幌ステーションタワー」や、驚異的な売れ行きを見せている「プレミスト王子神谷」などの具体的物件の売れ行きなどについても説明した。「王子神谷」の坪単価は308万円であることも明らかにした。

 いつもそうだが、本間氏の話はとても面白い。価格では圧倒的に負ける飯田グループやオープンハウスなどとも競合せざるをえない特殊な分譲戸建て市場が面白くないのだろう。「来年度からは支店長クラスに任せきりだった仕入れ体制をてこ入れする。商品企画でも分譲住宅専用のNearly ZEH対応の『ΣSc(シグマエスシー)』を投入し、他方では規格化、販管費の抑制なども進めて原価比率を引き下げる」と語ったのが印象的だった。

 (本間さん、昨年のレクチャー会では「分譲戸建て御三家とは戦わない」と仰いました。その後どうなったのでしょうか。時間があったら聞きたかった。レクチャー会の時間を延長してはいかがか。記者は現場見学会を増やしてほしいが…)

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