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2022/04/01(金) 14:22

坪270万円 第1期1次100戸 即完スタート 新日本建設など5社JV「ザ タワー」

投稿者:  牧田司

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「エクセレント ザ タワー」(右側は新日本建設の14階建て賃貸棟)

 新日本建設など5社JVの「エクセレント ザ タワー」(397戸)を見学した。千葉駅の中心市街地の千葉パルコ跡地に建設中の31階建て商・住一体再開発マンションで、第1期1次100戸が即日完売するなど人気を呼んでいる。坪単価は270万円。全国に20ある政令指定都市の中では最安値圏レベルだ。

 物件は、JR千葉駅から徒歩9分、千葉都市モノレール1号線葭川公園駅から徒歩2分、千葉市中央区中央二丁目の商業地域(許容建ぺい率80%、許容容積率800%)に位置する敷地面積約3,877㎡の31階建て全397戸(事業協力者住戸6戸含む)。4月中旬に分譲予定の第2期(戸数未定)の専有面積は32.44~100.84㎡、予定価格は2,800万円台~1億500万円台(最多価格帯4,900万円台)。坪単価は270万円。建物竣工予定は2023年12月中旬。売主は同社(事業比率60%)のほか中央日本土地建物(同15%)、あなぶきホームライフ(同10%)、長谷工コーポレーション(同10%)、東方地所(同5%)。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 モデルルームオープンは1月中旬。これまで約600組の来場者があり、うち15~18%は都内居住者。都内居住者は、価格・単価が安い前建がある東向き・西向き下層階住戸を希望する人が多いという。3月上旬に分譲開始した第1期1次100戸は最高15倍で即日完売している。

 現地は、銀行や文化センター、美術館などが建ち並ぶ千葉駅の中心市街地の一角。敷地は2016年に閉店した千葉パルコ跡地。道路を挟んだ北側は中央公園と三井ガーデンホテル。

 建物は1~2階が店舗など、3階がエントランス、ガーデンテラスのほか各種の共用施設。住戸は4階から。主な基本性能・設備仕様は、制震構造、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ(1LDK住戸)・2650ミリ(4~29階の標準階)・2800ミリ(30・31階プレミアム住戸)、ディスポーザー、食洗機、オートロック顔認証、浴室タオル掛け2か所など。共用施設としてパーティルーム、キッズルーム、ライブラリー、フィットネスルーム、ゲストルーム(2戸)など。

 同社マンション販売部マンション販売第二部理事部長・田中正宣氏は、「『エクセレント』の冠付きでは当社最大規模。売りづらいと考えていた前建・下層階住戸は投資目的で購入される方が多く、坪単価360万円の100㎡も4倍の倍率が付きました。8戸ある億ションはまもなく販売終了します。竣工する2023年12月までに売り切るのが目標。在庫を残さないのは当社の基本姿勢。施工を長谷工さんにお願いしたのは、建設コストを抑制し、かつ設備仕様レベルを当社基準にするため」と話した。

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モデルルーム

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 坪単価は270~280万円くらいになりそうなのを事前に聞いており、モデルルームを見学する前までは〝質〟が心配だったが、72㎡のモデルルームはこの単価水準では間違いなく上位だ。標準階のリビング・居室天井高が2650ミリというのが何よりもいい。28戸ある北向きの32㎡の1LDKタイプでも床暖房、食洗機、三ツ口コンロ付き。浴室タオル掛け2か所は同社の標準装備だそうだ。

 売れ行きに関連するので、同社の業績について少し触れる。2021年3月期決算は売上高1,017億円(前期比9.6%減)、営業利益139億円(同4.1%減)、経常利益139億円(同4.6%減)、純利益96億円(同8.6%減)。このうちマンションなどの開発事業は売上高452億円、営業利益83億円(セグメント利益率18.4%)となっており、利益率は他のデベロッパーと比較してトップクラスだ。

 また、マーキュリーリアルテックイノベーター調査によると、2021年の首都圏マンションランキングで、同社は事業主別で第4位の1,153戸だ。地盤とする千葉県に限れば、事業主別でトップの695戸になっており、2位・三井不動産レジデンシャルの435戸以下を引き離している。

 特筆できるのは、これほど多く供給しても同社は「完成在庫は毎期ほとんどゼロ」(田中氏)ということだ。供給量が多いデベロッパーで完成在庫が極端に少ないのは三井不動産レジデンシャルや東京建物のほかモリモト、大和地所レジデンス、ポラス中央住宅くらいしか記者は知らない。

 これが高い利益率を確保できている要因の一つで、地域を熟知した仕入れ-企画-設計・施工-分譲-管理までの「自社製販一貫責任体制」が奏功していると見た。今回の「エクセレント ザ タワー」の施工は自社ではなく、長谷工コーポとし、しかも設備仕様などは長谷工コーポの「アイセルコ」ではなく自前で調達していることにもそれは読み取れる。

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タオル掛けはちゃんと2か所についていた

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建設現地(中央公園から写す。右後方はオリックス不動産が分譲したマンション)

 

 

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 千葉駅前では、千葉駅前大通りに面した三越千葉店跡の再開発事業も進んでいるようだ。敷地面積は約3,804㎡で、23階建てマンション491戸と看板にはあった。施工はファーストコーポレーションで、デベロッパーは東京建物、野村不動産、中央住宅。

 いつ分譲されるか分からないが、立地条件からしてこちらは坪単価300万円を突破するのではないか。

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三越千葉店跡地の再開発マンション建設現地

 

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 取材を終えたのは昼頃だった。一服しようと現地に隣接する三井ガーデンホテルに立ち寄った。喫煙もアルコールも不可だったので、喫煙室もあるダイワロイネットホテル千葉駅前の1階のレストランに入り、白のグラスワインを注文した。今まで飲んだことのないかなり渋みが強い味がした。

 吃驚したのは値段だった。消費税込みで何と286円。マンション相場は都内より2~3割安い千葉と関係があるのかどうかは不明。

坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか 競合物件は早期完売狙う(2022/1/17)

 


 

 

 

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