積水ハウスは9月14日、「男性育休白書2022」を発表。「男性の家事・育児力」都道府県ランキングは1位が高知県で、2位は沖縄県、3位は鳥取県となった。
このほか調査では、男性の育休取得率は17.2%で、前年から5ポイント上昇し、夫のリモートワークが家事・育児の分担を促進した結果、女性の家事・育児時間は勤務日4.73時間(前年−19.8分)、休日7.42時間(前年−35.4分)に減少したとしている。
一方で、国の「産後パパ育休」制度の認知は高まっているものの、本人・上司・同僚ともそれぞれ不安を感じている実態も明らかにしている。マネジメント層には「家庭を大切にしてほしい」(75.5%)と喜ぶ気持ちより「人手不足で会社の業務に支障が出る」(76.0%)と心配ごとが優先されてしまうとしている。
ランキングトップとなった高知県の濵田省司知事は「本県では、平成30年度より、県内の企業・団体のトップの方々に、従業員の『育児休業・育児休暇取得促進宣言』を行っていただき、本年7月末時点で、県内の895の企業・団体が宣言されるなど、男性の育児休業取得率を30%とする目標に向け、官民協働でさまざまな取り組みを推進しております。今回の結果は、これら取り組みが改めて評価された」とコメントを寄せている。知事自身も令和2年度に「イクボス宣言」を行ったという。
調査は、全国の小学生以下の子どもを持つ20代〜50代の男女9,400人を対象とし、①配偶者評価②育休取得日数③家事・育児時間④家事・育児参加による幸福感の4つの指標をポイントに置き換えて実施したもの。同社は、ESG経営のリーディングカンパニーを目指しており、男性の育児休業取得を促進させようと9月19日を「育休を考える日」記念日に定め、2019年から「男性育休白書」を発行している。
また、2018年9月からスタートさせた男性社員の育児休業1か月以上の完全取得を目指した特別育児休業制度では、2022年8月末時点で取得期限(子が3歳の誕生日の前日まで)を迎えた男性社員1,423名全員が1か月以上の育児休業を取得、2019年2月以降、取得率100%を継続している。
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同社の白書をもとに、全国47都道府県のこの4年間のランキングを表にまとめた。
今年トップになった高知県は前年10位からのランクアップで、2位の沖縄県、3位の鳥取県はそれぞれランクを1つ下げた。
ワーストは前年46位の山口県で、46位は前年4位から急下降した長野県、45位は前年19位の富山県となった。前年ワーストの三重県は11ランクを上げ36位。
4年間の平均順位のベスト10は1位・沖縄県、2位・鳥取県、3位・山形県、4位・熊本県、5位・島根県、6位・沖縄県、7位・栃木県と新潟県、9位・宮崎県、10位・福井県の順。
ワースト10は、47位・山口県、46位・愛知県、45位・岐阜県、44位・広島県、43位・滋賀県、42位・静岡県、41位・群馬県、40位・秋田県、38位・大阪府と青森県。
これらの結果、4年間平均のベスト10には中国・四国・九州の6県が入っている一方で、ワースト10には底這い状態が続く山口県と隣接する広島県の中国2県が入り、東海圏の愛知県が46位、岐阜県が45位、静岡県が42位(三重県は26位)と低迷を続けていることが分かる。
いったい、これらの差はどこから由来するのか。小生は、その都道府県の経済的社会的状況のほか、気候風土などからくる県民性も影響しているのではないかと考えるのだが、同じ文化圏であるはずの3位の山形県と38位の青森県、7位の栃木県と41位の群馬県など、どうしてそんなに大きな差が生じるのか。回答者に何らかのバイアスがかかっているからなのか。過去3年間はベスト10入りしていた長野県が46位に急落した理由も知りたい。
さらにまた、ランキングに冷水を浴びせかける意図は全くないのだが、四国・九州地方の高知県や沖縄県、宮崎県、大分県、愛媛県などは離婚率が高い県として知られている。〝愛と憎しみは紙一重〟ということなのか。それとも、男も女も自立しているせいで、期待を裏切らればお互いスバッと見捨てることができるということか。それはそれで立派ではないか。
一方で、東京都や神奈川県など首都圏は意外と離婚率は低い。これは、離婚したらたちどころに住宅ローンが支払えなくなる経済的な理由が大きいからだと記者は考えている。何が幸か不幸か、分からない世の中だということか。
三重と福岡 同じ育児時間で幸福度は47位と1位 積水ハウス「男性育休白書」(2021/10/1)