RBA OFFICIAL
 
2022/11/15(火) 15:43

知る人は懐かしく、知らない人は行きたくなる 地所「TOKYO TORCH」仮囲いアート

投稿者:  牧田司

IMG_4839.jpg
TOKYO TORCH Park」仮囲いアート

三菱地所が111日から掲出している「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」に整備する「TOKYO TORCH Park」の仮囲いアートを見学した。全国1,741市町村すべての写真撮影を達成した写真家・仁科勝介氏と連携したもので、全長63m、高さ3mに全47都道府県の写真がそれぞれ1枚ずつ掲出されていた。どこにでもありそうな日常風景ばかりだが、だからこそ鑑賞する人の心を揺さぶるのだろうと思った。設置期間は202211月から20249月の予定。

下手な小生のコメントなど書かない。江東区木場に住んでおり、常盤橋タワーをよく利用するという2030代の子ども連れの女性が全てを語ってくれた。

「普段意識しないメジャーでもない都道府県のありのままを見ることができるのがとてもいい。知っている人は懐かしいと思うでしょうし、知らない人は新鮮に映り、行ってみようと考えるかもしれません。新しい発見ができる」と。

三菱地所関係者も仁科氏も小躍りして喜びそうなコメントだ(まさか三菱地所関係者ではないだろう)。小生も嬉しくなって、仁科氏が大学生のとき2年間休学して、2年を待たずに全国47都道府県の全1,471区市町村を全て踏破したこと、旅費はアルバイトして稼いだことなどを伝えた。

IMG_4850.jpg

IMG_4841.jpg
左から静岡、愛知、三重、滋賀(岐阜の方には申し訳ない)

IMG_4846.jpg
左から埼玉、千葉、東京、神奈川(柵があるのでうまく撮れない)

IMG_4859.jpg

        ◆     ◇

仁科氏の著書「ふるさとの手帳」(KADOKAWA)を図書館で借りて読んだ。約300頁に写真は12枚から多い頁では20枚以上掲載されている。その数はざっと4,000枚か。旅行雑誌、ガイドブックによくある名所旧跡、景勝地はむしろ少なく、田舎のどこにでもありそうな日常の風景が切り取られている。

添えられているエトキ(キャプション)も、わが故郷・三重県を例にとると「気づけば稲穂は黄金色(いなべ市)」「江戸時代の風情を残す河崎へ(伊勢市)」「いつもの道路(度会町)」「友人が作ってくれた朝食(伊勢市)」「美味しいみかんあります(御浜町)」「土佐犬のゆりこさん(亀山市)」などといった具合だ。伊勢神宮も赤福も的矢の牡蠣も登場しない。全頁が「旅の決めごとはひとつ。『訪れたまちで写真を撮ろう』」(はじめに)で貫かれている。

仁科氏は著書で「市町村一周は遠い夢だった。全てのまちを巡った後、一体どんな景色が目の前に広がるのだろう。ただ知りたくて、旅に出た。そして旅は終わり、様々な景色が教えてくれた答えはシンプルだった。『知らない景色は、永遠にあるのだ』と。市町村を全て巡ろうが、日本を知ったつもりになんて到底なれない。行ったことがある、ないの問題でもない。知ることに並行して、何も知らない自分に気づく。市町村という果てしない単位は、終わりのない景色をわたしに見せてくれた」と綴り、「旅をしていたわたしは、主人公ではない。旅をすることで、何者かになりたかったわけでもない。踏切を駆ける列車、風に揺られる木漏れ日、雨でも咲く花々、誰かの散歩道。訪れた先々で出会ったわたし以外こそ、旅の主人公であった」「この本を読んでくださったみなさんも、わたしにとっては主人公である」(おわりに)と締めくくっている。

皆さんにも鑑賞をお勧めだ。隣には学生さんが経営する47都道府県地域産品セレクトショップ「アナザー・ジャパン」があるし、仮囲いの前は常盤橋タワーだ。レストランで食事しながら観るのがいい。小生は白ワインを1杯飲んだ。ハッピーアワーとかで550円だった。仁科氏風に書けば「日本一の街のど真ん中でワインが550円とは」(東京)か。

 わが故郷・三重県の宣伝も一つ。東京建物の本社がある東京建物八重洲ビルの地階には「伊勢角屋麦酒 八重洲店」が入居している。いい店です。

IMG_4864.jpg
東京建物八重洲ビル

全国1,741市町村を走破した写真家・仁科氏の仮囲いアート 地所「TOKYO TORCH」(2022/11/2

最高に素晴らしい! 学生が経営する「アナザー・ジャパン」TOKYO TORCHIに開業(2022/7/27

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン