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2022/12/23(金) 15:43

リッチモンド&CCC 地域と街に開かれたホテル「押上」 リニューアルオープン

投稿者:  牧田司

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「リッチモンドホテルプレミア東京スコーレ」

 ロイヤルホールディングスのホテル事業を展開するアールエヌティーホテルズは12月27日、「リッチモンドホテルプレミア東京押上」を「リッチモンドホテルプレミア東京スコーレ」に名称変更し、CCCグループがデザインした「SHARE LOUNGE」や「コンセプトフロア」のほかサウナルームなどを備えた同社初の体験型ホテルとしてリニューアルオープンする。オープンに先立つ12月22日、リニューアルした施設をメディアに公開した。今後のホテル展開に一石を投じる画期的な施設になるのではないか。

 CCCがデザインした「SHARE LOUNGE 押上」は5階フロアにあり、延床面積は約113坪。102席と約1,300冊の書籍を備え、「シェアオフィス」の利便性と「ラウンジ」の居心地の良さを演出している。

 13階の「コンセプトフロア」は、「Club “Culture”」をコンセプトに、廊下にはアートもディレクションするなど、フロア全体で “体験し、楽しむ”ホテルステイを提案。各部屋は、テーマをそれぞれ「BOOK」「映像」「ゲーム」「JAPAN」に設定。

 6階の「サウナルーム」は、かつて隅田川沿いには宿場が軒を連ねていたことに発想を得て、“湯屋”をコンセプトに「Saunaルーム」や「Spaルーム」など4つの部屋タイプを用意している。

 メディア説明内覧会に臨んだロイヤルホールディングス執行役員 ホテル事業担当 アールエヌティーホテルズ代表取締役・本山浩平氏は、「リッチモンドホテルの客室稼働率は今年3月以降7か月連続して80%を超えており、8月以降から潮目が変わったと実感している。今後の事業展開は、当社にしかできない『人』と『食』の共通プラットホームを根底に、宿泊特化型からインバウンド、レジャー、高効率型など付加価値型を目指す」と語った。

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)首都圏カンパニー社長・安田秀敏氏は「『SHARE LOUNGE』は2019年開業の『渋谷』を始めこれまで6エリア21店舗に拡大しており、ホテルに設置するのは今回が初めて。当社ならではの書籍、インテリア、意匠、機器、雑貨などを用いて多層的に演出し、交流型ホテルのトレンドでもある街の歴史や文化、地域との交流が生まれるようにデザインした」と語った。

 リッチモンドホテルズグループは、「人を付加価値とする」をコンセプトに全国43ホテルを展開。「スコーレ」は余暇を自分らしく過ごすことを意味するギリシャ語。ホテル名称には、趣味に没頭する、サウナでくつろぐ、心ゆくまでカルチャーを楽しんでほしいという想いが込められている。

 「リッチモンドホテルプレミア東京スコーレ」は、東京メトロ押上駅から徒歩1分、墨田区押上1丁目に位置する13階建て延床面積約11,432㎡。客室数は152室(従前は260室)。

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本山氏(左)と安田氏

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「SHARE LOUNGE」

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「SHARE LOUNGE」

◇        ◆     ◇

 CCCの「SHARE LOUNGE」を取材・利用するのは今回で5度目。最高に素晴らしい。1時間2,000円前後で飲み放題・食べ放題というこの種の店舗など他にはないはずだ。記者はキーボードとマウスがないとパソコンを操れないので、貸し出しも可能にしてほしい。

 13階の「コンセプトフロア」もいい。担当者から墨田区は葛飾北斎が生まれて育った地だったことを聞いた。北斎は「冨嶽三十六景」で知られるが、渓斎英泉、歌川国芳、鈴木春信、歌川国貞などとともに美しくて卑猥な春画もたくさん描いている。一昨年見学した積水ハウスの民泊運用型セカンドハウス「YANAKA SOW」の「愛とエロス」の客室には、これらの絵師が描いた「Shunga」本が置かれていた。リッチモンドも備えたら、真っ先に予約が入ること請け合いだ。

 従前は2室だったのを1室にして70㎡を確保した4人利用可能のモダンジャパニーズスタイルのルームチャージは4.2万円~というから、一人当たり1万円だ。

 6階の「サウナルーム」も「コンセプトフロア」と甲乙つけがたい出来栄えだ。本物のヒノキがふんだんに用いられており、風呂好きにはたまらないのではないか。71㎡のサウナ+Spaタイプでもルームチャージは30,000円~だ。

 記者は、宿泊特化型は言うまでもなく、ラグジュアリーホテルもまた街や地域に背を向けているのが難点だと思っている。店舗付きオフィスビルにも言えることだが、どこかよそ者を受け付けない雰囲気が漂っている。

 今回の同社とcccの提案は、そのような難点を解消するものだ。日常づかいでホテルが利用できる。少し気になったのは、6階も13階も豪華すぎて、街に出るよりずっと客室にとじ籠ることになりはしないかということだ。客室に100冊以上の本が置かれていたら、全部読むのに数日かかるではないか。

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Spaプレミアツインベッドルーム

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Spaプレミアツインベッドルーム

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13階「コンセプトフロア」共用部

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ザ プレミア ブック ルーム

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モダン ジャパニーズ スタイル

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