三菱地所は12月14日、「丸ビル開業20周年・新丸ビル開業15周年×『TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI』オープニングイベント」として、メディア向け「丸ビル・新丸ビルリニューアル事業概要説明・丸の内エリアメディアツアー」開催した。「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」は12月15日オープンする。
三菱地所運営事業部長・安達晋氏は、「丸ビルの店舗は80店舗のうち約40%の33店舗が入れ替わる。地下1階には20店舗からなる『マルチカ』がオープンする。外観も従来のモノトーン中心から暖色系を多く取り込んだ。新丸ビルの7階にはテラス席やバーカウンターなどを備えたカジュアルな空間を設ける」と語った。
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)関東カンパニーカンパニー社長・ 安田秀敏氏は、「現在、『SHARE LOUNGE 』を国内17店舗、海外2店舗で展開しているが、1999年に開業した『SHIBUYA』はコロナ禍でも来場者は200%伸びているように全体として売り上げは増加している。今後、商業⇒オフィス⇒レジデンス⇒ホテルへ展開し、近い将来100店舗に拡大する。丸の内エリアは半径500m内に居住者は50名しかいないが、様々なイベントを開催するなどして若い女性などのニーズを取り込んでいく。大丸有の賑わい創出の一助となり、『三菱地所と次にいこう。』に伴走していきたい」と話した。
今女性に人気というガラスペン
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記者はコロナが発生するまでは、東京駅直結の三菱地所の北口ビルディング(丸の内オアゾ)」に勤務していた。東京駅は毎日利用してはいたが、移動はほとんど地下通路だったので、地上に出ることはなかった。コロナ禍でオフィスは移転したが、三菱地所の「大丸有」や三井不動産の「日本橋」などの取材で訪れる機会は多く、この3年間で50回くらいは降り立ったはずだ。
何が変わったかといえば、コロナ感染を避けるため地上を利用するようになったことだが、驚いたのは、丸の内仲通り1階の飲食店など利用する人は子育て世代と思われる女性やシニア層が圧倒的に多く、男性は少ないということだ。声を掛けたりもしたが、居住地は地元の千代田区民は少数派というかほとんどなく、周辺の中央区、江東区、文京区(港区、渋谷区は少ないと思った)などだ。電車を利用すれば30分圏内か。
なぜわざわざ電車を使って東京駅に集まるのかと考えると、街並みが美しいということが一番の要因だと思う。丸ビル、新丸ビルなどは100尺ラインを採用し、歴史的な街並みを保存し、総合設計制度を活用することで足元の公開空地を確保し、都道や千代田区道の街路樹との調和を図っているのが他のエリアと異なる点だ。これは、三菱地所が中心となって取り組んできた大丸有エリアマネジメント協会の果たしている役割が極めて大きいはずだ。
今回の丸ビル・新丸ビルリニューアル事業は、大丸有エリアの回遊性を高め、シームレスにつなぐことに力点が置かれ、女性を中心とした子育てファミリー層を従来に増して呼び込もうとする戦略が読み取れる。
新規にオープンする化粧品店などは訳がさっぱり分からなかったが、丸ビル3・4階に開業する「TSUTAYA BOOKSTORE NARUNOUCHI」は、オフィスワーカーはもちろん子育てファミリー、シニア層のニーズを取り込んだもので、圧倒的な支持を集める可能性を秘めていると思った。
何が素晴らしいかといえば、約8万冊を有す書店部分も合わせ延べ床面積は約550坪で、「SHARE LOUNGE」は「代官山」の約200坪を超える最大の約214坪あることだ。設えられている家具、ソファー、床材、観葉植物などは本物がふんだんに用いられている。2層吹き抜け部分は7~8mはありそうだった。
そして、なによりいいのは利用料金だ。飲み放題・食べ放題のソフトドリンクプランは1,650円/1時間(1日利用は5,500円)、アルコールプランは2,200円/1時間(延長30分1,100円)のほか、7,150~9,900円/1時間の8名利用可の会議室(ドリンク料金は別、持ち込みも可)もある。
このほか、新丸ビル7階に設けられる「丸の内ハウス」は、飲み物などの持ち込みが可能なバーカウンター、緑をふんだんに取り込んだ空間、個室感覚で利用できるパーゴラ席などカジュアルな施設に生まれ変わる。これは間違いなく若い人を中心に人気を集めるはずだ。
この日(12月14日)は、今回で7度目という「Marunouchi Street Park」(Winter)が行われていた。何度見てもいい。いっそのこと千代田区道を廃道して通年利用の「Street Park」にしてはどうか。
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