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2023/05/24(水) 20:37

23区内初の木造マンション「MOCXION四谷三丁目」完成 三井ホーム

投稿者:  牧田司

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「MOCXION四谷三丁目」

 三井ホームは5月24日、23区内初の木造マンションブランド「MOCXION」の賃貸マンション「MOCXION四谷三丁目」が完成したのに伴うメディア向け見学会を行った。道路条件、法令上の制限など厳しい建設条件にありながら、木造枠組工法を採用することで敷地の可能性を最大限に引き出し、「ZEH-M Oriented」の認証を受けて環境問題に対応するとともに居住性、経済性にも寄与しているのが特徴。

 物件は、地下鉄丸の内線四谷三丁目駅から徒歩7分、JR信濃町駅から徒歩8分、新宿区須賀町の第一種中高層専用地域(建ぺい率60%、容積率300%=道路・斜線・日影規制で実質183%)に位置する敷地面積約262㎡(80坪)、4階建て延べ床面積約593㎡(180坪)の全16戸。専用面積21.66~31.52㎡、賃料は10.4万~14.6万円。工期は2022年6月20日~2023年5月22日。賃貸管理会社は三井ホームエステート。設計・施工は三井ホーム。

 敷地は南側と西側に接道。南側道路幅員は約4mしかないが、天空率を利用することで道路、斜線、日影規制などの規制緩和を受け、敷地の可能性を最大限に引き出した。木材の総利用量は154㎥。炭素貯蔵量にして108t‐CO2、スギの木(35年生)約433本に相当。

 「ZEH-M Oriented」認定を取得、一次エネルギー消費量を26%削減、居住性と経済性に寄与。当社独自開発の太陽光発電パネル(9.8kWh)と蓄電池を(3.5kWh)設置している。 

 屋根材には、優れた断熱性能と高い構造体力を有する独自の屋根断熱構造材「ダブルシールドパネル(DSP)」を採用することで、最上階の居室天井高2600ミリ(標準階は2400ミリ)を確保し、床は鉄筋コンクリートと同等クラスの遮音性能を有する「高性能遮音床システムMute」を採用。施工にあたっては同社が開発したミニクレーンを使用することで、道路条件により大型クレーンでの施工が難しい問題を解決した。

 4月13日から募集を開始しており、2戸に申し込みが入っているほか、1戸はモデルルームとして1~2年間利用する。賃料は平均16,500円/坪。ZEH-Mの認定を受け、木造のよさをアピールできているとして相場の1~2割高に設定している。向こう6か月までの100%入居を目指す。オーナーは木造の償却期間22年間と鉄筋の47年のどちらかの選択が可能。

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「MOCXION四谷三丁目」(南側から写す)

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玄関

◇        ◆     ◇

 この物件については、構造見学会も取材しているので参照していただきたい。賃料は相場の1~2割高に設定しているのも理解できる。同社によると、建築コストは鉄筋と比較してそれほど競争力は高くないようだが、ZEHの認証を受け付加価値を高めていることなどから評価されるのではないか。

 居室の仕上げはほとんど木調パネル。こんなことを言うと同社の小松さんから〝まだお前は現しの呪縛から解けていないのか〟と言われそうだが、やはり現しがいい。小松さん、木にはストレスを軽減し、免疫力を向上させ、知的生産力を高める効果などが確認されています。木をケミカル製品などて覆ったら、これらの効果はどれくらい減殺されるのか。今度お会いしたら聞いてみよう。

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竣工時室内

木造賃貸&ZEH-M 三井ホーム「(仮称)MOCXIONモクシオン四谷信濃町」構造見学会(2022/12/3)

 

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