ピアキッチン
ポラスグループの中央住宅は6月2日、同社初&東武東上線の200戸超のマンションで初のZEH-M Oriented認定を取得している「ルピアグランデみずほ台(トレジャータウンプロジェクト)」の分譲を6月12日に開始すると発表した。同日、メディア向け見学会を行った。
物件は、東武東上線・東京メトロ有楽町線・副都心線みずほ台駅から徒歩16分、埼玉県入間郡三芳町竹間沢字新開の工業地域に位置する10階建て全304戸。6月12日(月)に抽選分譲する第1期(50戸)の専有面積は58.73~83.16㎡、価格は2,798万~5,198万円(最多価格帯3,900万円台)。坪単価は未定だが、70㎡で3,900万円台(≒184万円)になる模様。竣工予定は2024年7月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。管理は長谷工コミュニティ。販売代理は長谷工アーベスト。
敷地は木村屋製パン所の工場跡地で、幅員20mの北側道路に接道。建物はL字型で、標準階31戸のうち南東向きが24戸、南西向きが7戸。住戸プランは58㎡台の2LDKが20戸、80㎡台の4LDKが28戸で、他は70㎡中心の3LDK。3LDKのスパンは6200~6400ミリ。
主な基本性能・設備仕様は、一次エネルギー26%を削減するZEH-M、扁平梁、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、食器棚付きピアキッチン(148戸)、リビング・居室床暖房、浴室タオル掛け2か所などのほか、同社オリジナルの「ポラスのしあわせメソッド」をフル装備。共用施設・サービスではコミュニティラウンジ、キッズルーム、屋外ワークスペース、ワーキングスペース、シェアリング倉庫、リサ育スペース、コミュニティプラットフォーム「GOKINJO」など。管理は長谷工コミュニティの第三者管理方式を採用する。
見学会に臨んだ同社取締役・成瀬進氏は、「当社が商圏とする埼玉や千葉の第一次取得層向けのマンション市場は安定して推移している。前期の供給戸数は311戸だったが、今年度は倍増させる計画で、うちコンパクトタイプは3割を予定している。デザイン、商品企画に磨きをかけ、他社との差別化を図っていく。ZEH化は2025年までに8割を目指す。このほか、チャンスがあれば再開発や建て替え、買取再販も手掛けていく」と語った。
販売代理の長谷工アーベスト東京支社販売第二部門のプロジェクトマネージャー・朝田美佳子氏は、「これまでの資料請求は400件、4月15日にオープンしたモデルルーム来場者は181組。約6割は第一次取得のファミリー層で、4割は住み替え希望層。ピアキッチンなど〝唯一無二〟の商品企画が評価されています。第1期50戸の即日完売を目指します」と話した。
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同社のマンションはかなり取材している。直近の記事「ピアキッチンだけでない ポラスのマンションはなぜ売れるのか 中央住宅『和光本町』」を参照していただければ、同社のマンションの特徴は分かっていただけるはずだ。
モデルルームを見学した率直な感想を言えば、他の競合しそうな物件と比べたら、何よりもZEH-Mが優れているものの、同社の最大の〝売り〟であるピアキッチンをはじめ、ドアはソフトクローズ機能付きではなく、トイレのちょい置きスペースもないことなどから、仕様レベルは最近の物件と比較して落ちると判断した。
この点について、同社マンションディビジョン部長・中島教介氏と話しあった。東武東上線ではトータルで2,000戸くらいが分譲されており、大激戦であることから価格を抑え、仕様も落としたのかとストレートに聞いたら、中島氏は「ピアキッチンの仕様はこれまでのシナ合板ではないものを採用したが、価格は同程度」と話した。また、中島氏の隣にいた長谷工アーベスト東京支社販売第二部門販売一部エリアマネージャー・吉田康一氏も「当社(長谷工コーポ)の施工比率は7割くらいではないか。競合しそうな他の大型物件もコンスタントに売れているが、設備仕様レベルは『みずほ台』がもっとも高い」と語った。
記者はこの吉田氏の言葉は外交辞令ではないと受け止めた。ポラス仕様ではないかもしれないが、東武東上線の物件と比較して見劣ることはないはずだ。
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感心したのはマンションギャラリーの演出だ。ギャラリー内には所狭しとばかり、三芳町の特産品や生息する昆虫類の模型が展示されていた。町の魅力(宝物)を探ろうと、中島氏や吉田氏ら12~13名のスタッフが自転車を借りて丸一日、町内を駆けずり回り、調べ上げたものだという。同社マンションディビジョン参事・湯村元昭氏が「物件名を〝トレジャータウン〟としたように、わくわくする仕掛けを施した」と語った通りだ。
いくつか列挙する。ホタル、カワウソ、アメリカザリガニ、オニヤンマ、クワガタ、カブトムシ、フクロウ、テントウムシ、カマキリ、カメ…皆さんは馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないが。中島氏自身も「大変楽しかった。癒された」と語ったように、小生はとても大事なことだと思う。童心に還って自然を観察することは、人間を知ることにもつながる。来場者に物件特性を伝えるのは当然だが、〝ここに住めばどのような生活ができるか〟を担当者が説明できなければ、来場者の心をつかむことはできない。上記した昆虫類のうち23区に生息しているものはどれくらいあるか。人口一人当たりの図書の貸し出し冊数は21年連続埼玉県1位であることも紹介された。
取材の帰りには、JAいるま野とサクマ製菓が共同開発した「さつまいもみるく」を頂いた。1個食べてみた。確かにサツマイモの味がした。町には「いも街道」があるそうだ。(「イモ!」ではない)
この演出を見て、予想していた坪単価170万円を同社が予定している184万円から190万円に上方修正した。ZEHのよさをしっかり説明できるか、町の魅力を伝えきれるかが勝敗のカギを握る。
小生は、今年の郊外マンションで、東(千葉)の「ちびまる子ちゃん(ウエリス八千代村上)」、西(東京)の「昭島(プレミスト昭島 モリパークレジデンス)」、そして北(埼玉)の「みずほ台(ルピアグランデみずほ台)」と「上福岡(Brillia City ふじみ野)」の大規模物件に注目している。施工が同じ長谷工コーポで、東京駅へ1時間圏というのが同じだ。4物件を合わせると約2,830戸だ。年間に売れるのは常識的に考えたら1物件当たり150戸として4物件で600戸くらいではないか。全部売れるまで4.7年もかかる。そんなことにならないよう祈るほかない。成瀬氏は来期(2025年3月)までの完売を目指すと話した。
左から絶滅したと思っていたオニヤンマ、木に登るカメ、精巧なカブトムシ