RBA OFFICIAL
 
2023/09/05(火) 11:49

建ぺい率40%、容積率80%の1低層に全6棟 積水ハウス「The 山手プロジェクト」

投稿者:  牧田司

山手118.jpg
「グランドメゾンThe山手118」

 積水ハウスが先にオープンした「グランドメゾンThe山手118」(7戸)と「グランドメゾンThe山手249」(18戸)のコンセプトルームを見学した。高級住宅街として知られる横浜市中区山手台で展開する3階建て全6棟74戸の「The山手プロジェクト」のうちの2棟。神奈川県で初めて坪700万円を突破するだけでなく、中心プランは120~130㎡以上、価格は2~3億円以上という桁違いのプロジェクトだ。同社の矜持を見た。

 同プロジェクトは全6棟74戸の規模で、用地は山手エリアに点在していたインターナショナルスクールが校舎の老朽化により本牧へ移転するのに伴い、同社が取得したもの。2023年6月に竣工した「グランドメゾンThe山手241」(11戸)と今回の2物件のほか、「グランドメゾンThe山手253」の「Garden」(14戸)「Marks」(14戸)「Hills」(10戸)を順次分譲する。

 現地は、建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域に指定されており、旧外国人居留地として形成された街の歴史や文化を継承するため設けられている「山手地区都市景観形成ガイドライン」によって色彩、建築物の絶対高さ、眺望の確保、樹木・緑地の保全、屋外広告物の禁止などの厳しい規制が設けられているエリアの一角。

 「グランドメゾンThe山手118」は、みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩9分、横浜市中区山手町118番に位置する3階建て全7戸。専有面積87.64~164.56㎡。すでに4戸が分譲済みで、2023年9月15日から分譲される住戸(3戸)の価格は29,000万円(138㎡)~50,000万円(164㎡)、坪単価722万円。完成予定は2024年5月下旬。

 「グランドメゾンThe山手249」は、同駅から徒歩6分の横浜市中区山手町249番に位置する3階建て全18戸。専有面積は76.06〜124.25㎡。すでに12戸が分譲済みで、2023年9月15日から分譲される住戸(6戸)の価格は12,800万円(79㎡)~22,000万円(124㎡)。坪単価572万円。完成予定は2024年6月中旬。全6棟のうち唯一90㎡以下の住戸が中心。

 「グランドメゾンThe山手241」は、同駅から徒歩10分、横浜市中区山手町241番に位置する3階建て全11戸。9戸が分譲済みで、現在分譲中の住戸(2戸)の価格は28,000万円(130㎡)・32,000万円(133㎡)、坪単価753万円。建物は2023年5月竣工済。

 3物件とも設計・監理は坂倉建築研究所。施工は佐藤秀。

 ギャラリーは、元町・中華街駅から徒歩1分。大野幸子氏、守谷玲太氏、吉井こころ氏、大野愛氏の4氏のアーティストの19作品が展示されており、コンセプトルームは137㎡で、LD27.5畳大、K7.4畳大、主寝室14.5畳大、クローゼットルーム8.4畳大、玄関5畳大など。基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented対応、リビング・居室天井高2500ミリ(一部除く)、突板ドア・建具、挽板フローリング、食洗機、ディスポーザー、ハイサッシ、ミストサウナ、スロップシンクなど。オーダーメイドにも対応する。

 同社東京マンション事業部販売部リーダースペシャリスト・長嶺伸之氏は、「プロジェクトは、街になじみ調和することをコンセプトに、山手エリアの歴史と文化を継承し街並みになじむよう、時代の流行を追わず、正統派を追求しました。平均専有面積が162㎡だった『伊勢山』ほどではありませんが、住戸は130㎡以上を中心に、駐車場は100~150%、緑被率を20%確保しました。来場者の皆さんには当社の考えに共感を頂いています」と語った。

main_01.jpg
「グランドメゾンThe山手249」

img_01.jpg
「グランドメゾンThe山手241」

◇        ◆     ◇

 同社がアーティスト・星野源氏を起用してグランドメゾンのブランド広告をスタートし、コンセプトルームを公開すると発表したのは8月17日だった。〝これは見ないといけない〟と考え、見学をお願いし実現した。

 ギャラリーに着いた途端、その造り込みの丁寧さに相当力の入っているプロジェクトだと直感した。その通りであることは前段の記事を読んでいただければ分かるはずだ。同社は最近、「5本の樹計画」をオープン化し、東大との生物多様性と健康に関する共同研究、さらには地域工務店と連携した「SI(エス・アイ)事業」の立ち上げなど、環境共生、地域共生の取り組みを強化している。今回のプロジェクトもその一環なのだろう。

 長嶺氏とは「伊勢山」以来久々にお会いした。今回もまた桁違いの商品企画だ。長嶺氏は「グランドメゾンと街をつなぎ、価値を高めていく自負がある」とも語ったが、デベロッパーが分譲するタワーマンションの億ションとは一味も二味も異なるのは間違いない。

 第一種低層住居専用地域(1低層)について補足する。建ぺい率40%、容積率80%の高級住宅街は今回の山手のほかでは芦屋市六麓荘、大田区田園調布、世田谷区成城、尾山台、等々力、上野毛など、千葉県の市川市国府台、菅野などがよく知られている。(埼玉県の都心寄り地域にはないはず)

 この建ぺい率40%、容積率80%の1低層に位置するマンションとしては、三菱地所が2014年に分譲した「ザ・パークハウス上鷺宮」くらいしか思い出せない。(隈研吾氏が設計した建ぺい率40%、容積率60%の「プロスタイル札幌 宮の森」は別格)

IMG_0122.jpg
マンションギャラリー外構

IMG_0121.jpg
マンションギャラリーエントランス

IMG_0077.jpg IMG_0079.jpg IMG_0084.jpg
吉井こころ氏のガラスアート

IMG_0098.jpg
コンセプトルーム キッチン

IMG_0093.jpg
コンセプトルーム リビング

IMG_0117.jpg
コンセプトルーム 玄関

隈研吾氏が設計 坪700万円超でも好調スタート プロポライフ「札幌 宮の森」(2022/9/23)

23区最大の第一種低層 三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス上鷺宮」(2014/4/4)

億ションの歴史を変える積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」(2011/5/13)

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン