野村不動産は10月6日、1戸当たり価格が2億円超の「高額建売戸建」の第2弾「プラウドシーズン成城五丁目」(6戸)が即日完売したと発表。同日、完成した建物2棟を報道陣に公開した。
「プラウドシーズン成城五丁目」は、小田急線成城学園前駅から徒歩8分、世田谷区成城五丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全6戸。敷地面積は150.04(45.39坪)~160.00㎡(48.40坪)、建物面積は120.00(36.30坪)~134.14㎡(40.58坪)、価格は2億円台前半~3億円台半ば。構造規模は木造(2×4) 2~3階建て。設計・施工は三菱地所ホーム。入居開始は2023年11月末以降。
昨年1月末に分譲し圧倒的な人気で即日完売した第1弾「プラウドシーズン成城コート」(6戸)に続く「高額建売戸建」の第2弾。7月に登録申し込みを受け付けた結果、最高3倍で即日完売。来場者は80組。
街と調和し、成城エリアの景観を継承する街並みデザインとして生垣・石垣・石壁、御影石貼り私道、電柱地下化、アイアンスクリーン、約2.7mの大型サッシなどを採用。
主な基本性能・設備仕様は、敷地面積最大160㎡、建物面積120㎡以上、全館空調「エアロテック」、リビング天井高3m(2戸は4m)、2.7mハイサッシ、オーダーメイドキッチンINTENZA、タイルキッチン・カウンター天板、Miele製大型食洗機、ハンズグローエ水栓、DURAVIT製2ボウル洗面、SPAGE浴室、オーク材挽き板フローリング、石張りアクセント壁、フェイクレザードア、メラミン鏡面仕上げ収納扉など。
見学会で同社住宅事業本部戸建事業部推進一課課長・吉井浩介氏は「一般的な分譲戸建てではありえない、注文住宅のリーズにも対応したオーダーメイドのプレミアム住宅にしたのが高い評価を得た」と語り、同部営業一課長・石田寛和氏は「『エアロテック』も評価ポイントの一つ」と話した。
同社はこの日6日、今後、同価格帯の分譲戸建を含め高額物件中心の販売拠点「プラウドシーズンギャラリー駒沢」を2024年1月に開設すると発表。東京23区内城南・城西エリアや神奈川県横浜エリアを中心に2025年までに10プロジェクトを順次販売するという。
◇ ◆ ◇
分譲マンションは坪1,000万円超でも飛ぶように売れている時代だ。価格が2~3億円台というのは全然驚かなかった。むしろ「成城学園の一等地」でこの価格は安い。「成城5丁目」の今年の地価公示は坪2,175万円だ。容積率は80%だから、1種当たり価格は272万円、今回の物件の土地代は1億2,342万円以上となる。建築原価は分からないが、総額で2億円台の前半というのは極めてリーズナブルな値段だと思う。
前回の「プラウドシーズン成城コート」と今回を比較して、なぜなのかはよく分からないのだが、外構・外観・内装デザインは進化しているように感じた。
リビングの勾配天井高4mはコスモスイニシアの戸建てでも見学しているが、ため息が出た。見る角度によって表情が変わるアイアン(調)スクリーンは、隈研吾氏もよく用いる手法で、同社の〝プラウド〟マンションにも時々採用される。
吉井氏と名刺交換したとき、吉井氏から「プラウドシーズンひばりが丘」の話題が出た。記事を添付する。もう10年以上経過するが、この物件を超える分譲戸建てはそうないはずだ。
「エアロテック」について。これは実際に体験しないとその快適性は理解できない。居室はもちろん、廊下も洗面も浴室もトイレも押し入れ・収納も温度をコントロールできる。野村不動産は同様の機能を持つマンション用「床快full」を開発し、高額物件を中心に採用しているが、戸建て用はまだ開発できていないようだ。三井不動産もマンション用の開発を進めているが、商品化には至っていない。
取材の帰り、今回の物件の近くにある吉田五十八が設計した敷地面積1,861㎡、昭和42年竣工の素晴らしい木造平屋「旧猪股邸住宅」を見学した。そのあと、同業の記者の方と飲み屋を探したら、駅南口にかつて喫茶店だった店(のはず)が〝せんぺろ〟の飲み屋に変わっていた。
最高2.7億円の住戸に申し込み5件 〝プラウドシーズン〟の歴史に刻む 野村不「成城」(2022/2/8)