住友不動産は10月17日、インド現地法人を通じて同社単独でインド最大の経済都市・ムンバイの中心部の約8万㎡の超高層複合開発用地を795億円(1.7円/ルピー)で取得したと発表した。
物件は、リッツカールトン・セントレジス・フォーシーズンズなどの五つ星ホテル、富裕層向けのタワーマンション、外資系一流企業が入居するオフィスビルや高級ショッピングモールなどが密集し、職住遊が近接するムンバイ「ワーリー地区」の中心部に位置。同社は今後、総事業費5千億円規模・総延床100万㎡超の日本企業によるインド過去最大の都心再開発となる“超高層複合都市開発プロジェクト”として2030年代の全面開業に向けて事業を推進していく。
ムンバイを擁するマハラシュトラ州は、日本とほぼ同じ約1億2,600万人の人口を抱えるインド全州で最大の経済規模を誇り、州都ムンバイの市域人口は約1,840万人。古くから港町として栄え、中央銀行や国立証券取引所(NSE)、証券取引委員会、各銀行の本店、各国の商工会議所が立地するなど、アジア有数の金融センターとして知られている。1人当たりGDPはインド全州でもっとも高い都市。
同社はこれまで、2019年7月にムンバイの新都心BKC1号案件として地区最大級のオフィスビル用地(約12,486㎡、延べ床面積約13万㎡)を380億円で取得、2022年11月にはBKC2号案件としてオフィスビル用地(約11,885㎡、延床面積約13万㎡)を351億円で追加取得。双方合わせて総延べ床面積は約26万㎡。用地はそれぞれ80年の借地権付き。現在、1号案件は建築工事中で、2号案件も今年8月に土地引き渡しを受け、地下工事着手に向けて許認可手続きを進めている。2026年以降に順次竣工させる予定。
ムンバイBKC地区の優良オフィスビル賃料は東京都心並みの水準であり、投資効率は東京で取引されている収益不動産の3倍以上の利回りが期待でき、今回取得したワーリー地区の開発地は、①割増容積取得により床面積当りの土地代はBKC物件のほぼ半値まで低減させられること②用途制限がない大規模複合開発が可能な完全所有権の土地であることなどから高い収益性が期待できるとしている。
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国内のオフィス賃貸のことですらよく分かっていないので、海外、ましてやインドのことなどさっぱりわからないが、規模の大きさと収益性の高さに驚愕した。今回取得した用地の延床面積は100万㎡を超えるというではないか。約553,000㎡の「TOKYO TORCH Torch Tower(トーチタワー)」の2倍だ。
リリースによると、IMF(国際通貨基金)によるインドのGDP(国内総生産)は、2021年にイギリスを抜いて世界5位となり、2027年には日本とドイツを抜いてアメリカと中国に次ぐ世界3位の経済規模になると予測されている。