三井不動産は11月29日、千葉県船橋市で開発を進めてきたライフスタイル型商業施設「三井ショッピングパーク ららテラス TOKYO-BAY」をオープンした。開業に先立つ11月28日、プレス向け説明会・内覧会を行い、一般向けにプレオープンした。船橋市の「JR南船橋駅南口市有地活用事業」の事業者公募に同社が選定されたもので、公民連携による商業施設と分譲住宅の開発を推進する。
施設は、JR京葉線南船橋駅直結、船橋市若松2丁目に位置する敷地面積約16,740㎡、鉄骨造地上2階建て延床面積約11,200㎡。店舗数36店舗。基本設計は東急設計コンサルタント、実施設計・監理・施工は三井住友建設。運営・管理は三井不動産商業マネジメント。
関東初出店のタイ最大のコーヒーチェーン「Café Amazon」など36店舗が出店するほか、ドッグランや遊具広場を備え、フードフェスやスポーツのパブリックビューイングなどのイベントも実施する約5,000㎡の広場空間「MIXI FUN PARK(LaLa terrace Green Park)」を整備した。事業地内には三井不動産レジデンシャルの15階建てマンション「パーク・ホームズ南船橋」(212戸)と「パークリュクス南船橋」(133戸)が建設中。
案内会で主賓として出席した松戸徹・船橋市長は「周辺では、千葉ジェッツのホームアリーナが令和6年春にオープン予定であり、南船橋エリアに新しいまちのデザインが誕生する大きな流れがあります。船橋の新しい魅力を感じることができるこのまちに、皆様もぜひお越しください」と挨拶した。
主催者の同社常務執行役員 商業施設本部長・若林瑞穂氏は「南船橋は特別な思い入れがある場所。1981年にオープンしたららぽーと第一号店『ららぽーとTOKYO BAY』、物流施設『MFLP船橋』のほか、収容人数1万人の『(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ)』も来春に開業する。今回の施設は『南船橋』のケートウエイとして位置づけ、施設単独で年間売上高40億円、年間来館者200万人を目指し、エリア全体の売上高は1,000億円を見込む」と語った。
また、同社商業施設本部 リージョナル事業部長・肥田雅和氏は、施設の特徴として①駅直結②敷地の三分の一が広場③日常使い店舗のラインアップ④施設の約12%の電力をカバーする太陽光発電搭載、国土交通省の「グリーンインフラ活用型都市構築支援事業」認定事業-などをあげた。
南船橋駅周辺では、開業から40年以上の歴史をもつ国内最大規模の商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」や「ビビット南船橋」、物流施設などのほか、2024年春開業予定の大型多目的アリーナ「ららアリーナ 東京ベイ」の開発が進められており、船橋競馬場も2023年度末にリニューアル工事が完了する。
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取材の目的の一つは、東大野球部出身でかつての同社野球部のエース&主砲の肥田氏(52)がどのような姿を見せるかを確認することだった。あの相手の打者や投手を震え上がらせたぎょろ目の鋭い眼光はすっかり影を潜め、すっかり中年おじさんに変わり果てていたが、体形は全然変わっていなかった。「野球? もう年で体がついていけない」と話した。体・容貌が真逆だった同窓後輩の溝口の近況については、「溝口? 彼はいまマレーシア」と語った。同社は現在、マレーシアで物流施設事業を推進中。
取材では思いがけない収穫もあった。同業の記者の方が、「三井不動産といえば『日本橋』。『南船橋』も『橋』がつく」と若林氏に語り掛けた。傍にいた小生はそのような切り口もあるのかと驚き、頭をフル回転させ「橋」のつく地名を探した。「水道橋」を思いつくまではものの1分もかからなかった。
すかさず、「橋といえば水道橋。次の〝東京ミッドタウン〟は水道橋ではないですか」と若林氏にビーンボールを投げた。
若林氏は微笑を浮かべただけでさらっと交した。代わって同社広報担当者が「東京ドームには愛着があります」と、また別の担当者は「後楽園もあります」とはぐらかした。
ン…「後楽園」。調べたら、東京ドームを含む「都市計画公園後楽園」(22.1ha)には「未供用」面積が2.83ha存在する。公園街づくり制度の適用要件である「未供用区域の面積が2.0ha以上」に合致する。この制度を活用して東京ドームを含む「水道橋」か「後楽園」がそう長くない将来再開発されるのは間違いない。
「南船橋」マンションは坪単価275万円のようで、これは安い。大楽勝だろう。
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