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2024/04/06(土) 14:48

令和6年地価公示 バブル期の〝半値戻し〟上昇20市のみ 福岡県4市がベスト10入り

投稿者:  牧田司

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  域圏別変動率.pdf

 東京株式市場の日経平均株価が2月22日、3万9,098円の終値を付け、1989年12月29日の史上最高値3万8,915円を34年2か月ぶりに更新した。その後も4万円台をマークするなど上昇基調にある。一方、令和6年の地価公示は全用途で前年比2.3%上昇し、圏域別・用途別でも変動率はいずれも前年度を上回り、上昇率は拡大傾向にある。

 ただ、バブル期の平成元年と比較すると、住宅地は札幌・仙台・広島・福岡の地方四市が25.6%上昇しているのみで、全国平均では48.2%マイナス、大阪圏は51.4%と半値以下となっている。地価公示は〝半値戻し〟と言えなくもないのが現状だ。

 別表1は、バブルの絶頂期にあった平成元年と令和6年の全国住宅地の圏域別平均価格を比較したものだ。これによると、平成元年は250,800円/㎡、令和6年は130,000円/㎡となっており、48.2%マイナスとなっている。東京圏は47.3%下落している。

 唯一上昇しているのは札幌・仙台・広島・福岡の地方四市のみで、平均25.6%の上昇。札幌は34.5%、仙台は41.0%、福岡は58.7%それぞれ上昇し、広島市は17.5%下落している。

 人口10万人以上の244市のうち、平成元年比で住宅地価格が上昇しているのは別表2に示した20市のみ。上昇率トップは福岡県春日市の87.9%、2位は同県大野城市の72.0%、3位は同県福岡市の58.7%で、ベスト3を福岡県が独占。同県筑紫野市も41.1%上昇し6番目に入るなど福岡県の4市が上昇率上位10市に入っている。

 このほか、愛知県、沖縄県の上昇が目立つ。愛知県は刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市、春日井市、東海市の6市が、沖縄県は宜野湾市、沖縄市、那覇市、浦添市の4市がそれぞれ上昇20市に入っている。

 一方、平成元年比で下落しているのは224市で、75市が下落率50%以上となっている。下落幅がもっとも大きいのは鹿児島県鹿屋市の73.2%で、2番目は千葉県木更津市の68.5%、3番目は栃木市の68.4%。

 県庁所在地では、58.4%下落の千葉市をはじめ下落幅が大きい順に甲府市、鳥取市、奈良市、福井市、和歌山市、大阪市、高松市、水戸市、岐阜市、青森市、神戸市、前橋市、京都市、富山市、秋田市が40%以上の下落となっている。横浜市は39.7%、名古屋市は6.8%の下落。(別表3

 別表4には過去10年比で上昇率が大きい50市、別表5には過去10年間で下落幅が大きい50市をそれぞれ紹介した。

 10年比で上昇しているのは168市で、上昇率が大きいベスト3は福岡市、大野城市、札幌市の順。いずれも上昇率は80%を超えている。沖縄県の3市がベスト10入り。

 10年比で下落しているのは90市で、下落幅ワースト3は群馬県桐生市、三重県伊勢市、同県松阪市の順。

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  平成元年比上昇20市.pdf

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  平成元年比下落50市.pdf

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10年比上昇50市.pdf

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  10年比地価下落.pdf

※表は国交省のデータをもとにRBAタイムズが作成したもの

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 地価公示は遅行指標で、実勢地価と大きく乖離することもあるので廃止すべきというのが記者の持論だが、それなりに参考にもなる。地方四市がバブル期と比較して上昇しているのは、バブルの〝恩恵〟を受けていなかったからで、現在のマンション価格は札幌、仙台、福岡は坪400万円を突破し、福岡市の一等地は500万円以上となっている(広島市は不明)。沖縄県も首都圏富裕層に人気で、坪400万円を超えてきている。 県庁所在地で最大の下落率となっている千葉市は坪400万円に届くがどうかが現状だ。

 情けないのは、わが多摩市と故郷の伊勢市と隣接の松阪市。多摩市が平成元年比下落率でワースト6番目に入っているのには驚いた。多摩そごう⇒三越が撤退し、京王プラザホテル多摩が閉店、恵泉女学園大学も閉校が決まった。ニュータウン再生の取り組みの遅れが致命傷だと思う。マンション坪単価は東武野田線と同じ250万円とはどういうことだ。

 伊勢市については昨年も書いた。ワーストワンから脱出したのはうれしいが、1つランクを上げたに過ぎない。三重県最大の売り場面積を誇っていた「ジャスコ伊勢店」が入居していた駅前ビルは平成8年に閉館。平成13年には三交百貨店も閉店。隣接地では現在、長谷工コーポレーションが再開発マンションを建設中だが、記者は売れる値段として坪150万円とみているのだが…。全国区の伊勢神宮、赤福、伊勢うどんがあるのに、観光客は〝素通り〟。みんな鳥羽・志摩に向かう。先日、帰省しようとホテルを探したら禁煙でシングルの〝素泊まり〟でも2万円だ。帰るのを断念した。宿泊料金だけは2倍、3倍に上昇している。

 松阪市も同様。やはり三交百貨店が平成14年に閉店になってからは下り坂の一途のようだ。わが国を代表する国学者・本居宣長、三井グループの家祖・三井高利の生誕地として知られるが、今は昔。駅前には松阪牛の元祖「和田金」があるが、記者も含めて地元の人はほとんど利用しないはずだ。

 起死回生の打開策は見いだせないのか。

またショック全国10万人以上259市の地価公示下落率最大はわが故郷・伊勢市(2023/3/25)

 

 

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