三井不動産は5月10日、2024年3月期決算を発表。売上高2兆3,832億円(前期比5.0%増)、営業利益3,396億円(同11.2%増)、経常利益2,678億円(同1.0%増)、純利益2,246億円(同14.0%増)となり、いずれも業績予想を上回り、売上高は12期連続、各利益は2期連続して過去最高を更新した。年間配当は84円(前期62円)に増配。
セグメント別では、賃貸事業は売上高8,150億円(前期比597億円増)、営業利益1,678億円(同180億円増)。前期に竣工した「50 Hudson Yards(米国・オフィス)」の収益・利益の拡大に加え、既存商業施設の売上伸長や「ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真」の新規開業が寄与した。2024年3月末の単体首都圏オフィス空室率は2.2%(前期末3.8%)。
分譲事業は、売上高6,276億円(前期比140億円減)、営業利益1,319億円(同138億円減)。国内分譲住宅は増収増益となったが、投資家向け・海外住宅分譲などが前期の物件売却の反動や、米国物件における利上げに伴うキャップレートの上昇などによる評価損の発生により減収減益となった。国内分譲マンション計上戸数は「HARUMI FLAG」(事業比率は非公開)など3,280戸(前期比84戸増)、1戸当たり価格は8,554万円(同1,181万円増)、戸建ては420戸(同増減なし)、1戸当たり価格は8,057万円(同251万円減)。完成在庫は中高層が24戸(前期末は55戸)、戸建てが22戸(同7戸)の合計46戸(同89戸)。国内マンションの次期計上予定の3,650戸に対する契約進捗は84.4%で、過去最高スタート。
マネジメント事業は、売上高4,628億円(前期比169億円増)、営業利益662億円(同29億円増)。リパークが増収増益となり業績に寄与した。三井不動産リアルティは取扱高1兆9,345億円(前期1兆9,184億円)、取扱件数38,680件(同39,106件)。
施設営業は、売上高1,945億円(前期比499億円増)、営業利益263億円(同300億円増)。ホテル・リゾートのADRが大幅に上昇したほか、東京ドームの稼働日数・来場者数の増加などが業績を押し上げた。
次期予想は、売上高2兆6,000億円(前期比9.1%増)、営業利益3,400億円(同0.1%増)、経常利益2,600億円(同2.9%減)、純利益2,350億円(同4.6%像)を見込む。年間配当は30円(前期末84円、同社は2024年4月1日付で1株につき3株の株式分割を行っており、実質的に90円)に増配する予定。
決算説明会で同社は「HARUMI FLAG」の事業比率は非開示で、都の契約についても回答できないと答えた。
小池都知事は2019年7月26日、「(HARUMI FLAGの)最終的な住宅分譲販売収入が当初の想定を1%以上上回った場合、増収分の半額を特定建築者が東京都に追納することで合意した」と語っている。