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2024/06/04(火) 17:05

三菱地所レジなど30社 マンション型枠用合板トレーサビリティ研究会発足

投稿者:  牧田司

 三菱地所レジデンスは6月4日、同社が事務局となり施工会社、型枠工務店、型枠加工会社、木材卸会社、木材輸入商社など30社による「型枠用合板のトレーサビリティ普及促進勉強会」を2024年4月に発足させたと発表した。

 発足の趣意・背景について同社は、マンションの建築で利用する木材のうち型枠材は約45%を占めており、型枠工事に用いられる合板は精度・強度などに優れる点から、多くがマレーシアを中心とした南洋材を原料としているが、南洋材に由来する合板は合法性、人権・生物多様性に問題があると指摘されていることから、「型枠用合板のトレーサビリティ確保の認証スキーム」を広く普及促進するためとしている。

 同社は2020年6月、オフィスや住宅などの建設時に使用する型枠コンクリートパネルに持続可能性に配慮した調達コードにある木材(認証材並びに国産材)と同等の木材を使用すると発表している。現在、型枠材についてトレーサビリティを確保しているプロジェクトは30物件以上という。2030年度までにその使用率を100%にするとしている。

◇        ◆     ◇

 結構な取り組みだと思う。しかし、同社が環境に配慮したマンションの建設に積極的に取り組んでいるからこそ注文もしたい。マンション建築での木材利用の残り55%は何なのかの言及はないし、建築段階全体でどのようにしてCO2排出量を減らすのか、木造化・木質化を進めるのか、一歩踏み込んだ研究に取り組んでほしい。資材の運搬に用いられているパレットの軽量化・木質化のほか木製サッシ、ドア、フローリング、壁材など木質化の課題もあるはずだ。

 もう一つ、先日、野村不動産は先日、今後分譲するマンション全戸(全棟)にZEH水準を上回る「断熱性能等級6」を満たすと発表した。東急不動産も「みどり」の価値をの〝見える化〟を図る「ブランズ自由が丘」を竣工した。三井不動産レジデンシャルも木造マンションの供給に積極姿勢を見せている。 記者はこのマンション環境分野でどこがヘゲモニーを握るか、とても興味がある。

多摩産の「木」を多用した共用部が美しい三菱地所レジデンス「聖蹟桜ヶ丘」(2023/4/19)

三菱地所持続可能性に配慮した調達コードにある型枠パネル木材使用率100%へ(2020/6/1)


 

 

 

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