大成有楽不動産(事業比率60%)、FJネクスト(同30%)、三信住建(同10%)の3社JV「オーベル葛西ガーラレジデンス]モデルルームを見学した。葛西臨海公園駅から徒歩15分(バス便だと徒歩時間を含めて10分以内)とややあるが、坪単価は300万円弱になる模様で、23区立地では希少のファミリーマンションだ。
物件は、JR葛西臨海公園駅から徒歩15分、江戸川区南葛西5丁目の第一種住居地域に位置する10階建て全155戸。専有面積は62.72~86.83㎡、予定価格は4,600万円台〜8,900万円台(最多価格帯5,900万円台・6,000万円台・6,300万円台=各13戸)、坪単価は300万円弱になる模様。竣工予定は2026年2月。施工は大京穴吹建設。販売代理はFJネクストレジデンシャル。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、直床、標準階のリビング天井高2400ミリ、食洗機、スロップシンク、浴室タオル掛け、ブレーキ機能付き引き戸など。
これまでのモデルルーム来場者は170件強。今月末に第1期が分譲される予定。
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昨日は痛飲し、この日(7月12日)の朝方には酒は抜けていたようにも思ったが、そうでもなかったようだ。マンションを出るとき雨が降っていたのに、ままよと傘を取りにいかずそのまま出た。モデルルームに着いたのは9時。スーツはグレーで、文字通りぬれねずみになった。
基本性能、設備仕様レベルをモデルルームで確認しながら、胡乱な頭をフル回転させて坪単価を予想した。駅に近かったら坪400万円しても不思議でないが、徒歩15分だと坪300万円くらいかとはじいた。それでもちょっと高いか。
担当者に聞いたら「坪300万円弱」とのことだった。酒は飲んでも、マンションのこととなると正気に戻るらしい。23区内で坪300万円を切る物件は近く枯渇するはずだ。基本性能・設備仕様はこんなものだろう。強調材料は、大成有楽不動産の〝十八番〟「オレンジラボ」がフル装備されていることだ。
もう一つ、肝心なことだが、物件ホームページに「葛西臨海公園」へ徒歩16分のほか「江戸川区の公園総面積は23区NO.1の約776万㎡。本プロジェクトの徒歩10分以内にも8つの公園がある」と紹介されているように、江戸川区のみどりは他区より豊かであることだ。
東京都の調査による平成30年の江戸川区のみどり率は30.8%で、区部平均の24.2%を6.6ポイント上回っている。23区でみどり率が高い千代田区(皇居が多くの面積を占める)、練馬区などに住んでいる人はともかく、その他の区に住んでいる人が江戸川区内の街を歩くとその緑の量の多さに驚くはずだ。記者は、この「みどり」の価値を可視化することを願っている。
「みどり率」は、「緑被率」に「河川等の水面が占める割合」と「公園内で樹木などの緑で覆われていない面積の割合」を加えたもので、東京都はこの指標を用いており、今年度中には新しい2023年のデータを公表する予定だ。一方で、各区や他の道府県は「緑被率」や「緑視率」の数値を重視しているところが多い。当然のことだが、「みどり率」のほうが「緑被率」より高い数値を示す。このあたりを整理する必要がある。
今回の記事とは関係ないが、具体的な例を示す。いま話題となっている神宮外苑の再開発。日本イコモスが2023年5月に事業者宛てに「緊急要請」を行ったのだが、その「回答」として、事業者は「絵画館前の軟式野球場の緑については2018年の航空写真(google earth)を参照し、野球場の内野エリア等が土系舗装等であることを確認しております。『日本イコモス国内委員会』による算定では、土系舗装等の緑で被覆されていない部分も含んでいるため、現況の緑の割合に違いが生じておりますが、土系舗装等を含まない算定が正しいものと考えます」としている。
つまり、みんな都合のいいように数値を解釈しているということだ。ちなみに、生物多様性センターのデータによると、47都道府県で緑被率がもっとも高いのは京都府で、もっとも低いのは東京都でも大阪府でもなく埼玉県だ。滋賀県の緑被率は全国平均を少し上回っているくらいだが、県域面積の6分の1を占める琵琶湖を「みどり率」に加えると、間違いなくベスト10入りするはずだ。