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2024/07/19(金) 12:41

住宅と外構はセット 分譲戸建ての緑化に力を 大和ハウス 戸建住宅事業説明会

投稿者:  牧田司

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永瀬氏

 大和ハウス工業は7月18日、メディア向け「戸建住宅事業 計画説明会」を行い、同社取締役常務執行役員・永瀬俊哉氏は次のように説明した。

 2024年3月期の住宅事業は、売上高,510億(うち海外4,967億円)、営業利益351億円(うち海外315億円)、営業利益率3.7%に対して、2025年3月期売上高は11,120億円(うち海外6,190億円)、営業利益は580億円(うち海外470億円)、営業利益率は5.2%を見込む。請負住宅の棟数3,000棟(前期は3,424棟)を維持しつつ、分譲住宅を4,000棟(同1,760棟)に拡大し、注文住宅は高額商品の投入に加え、規格・セミオーダー住宅を強化することで、オーダー:規格・セミオーダーを30:70にする(現在は59:41)。2027年度目標は請負3,000棟、分譲住宅7,000棟の合計10,000棟とする。

 改正労働基準法(建設業2024年問題)への対応では、各工程での改善施策を推進したことで従業員の残業時間を前期から約31%削減した。

 ZEH率・太陽光発電搭載率は、2023年度の戸建住宅のZEH(ゼッチ)率:97%、太陽光発電搭載率:96%、分譲住宅はZEH率100% を達成した。

 CS向上については、家づくりを楽しんでもらうことを目的に施工中の報告・連絡を毎日実施したことでお客さま満足度は飛躍的に向上し、今後も毎日報告を継続することで、顧客の紹介による受注増につなげていく。

 分譲住宅7,000棟へ向けた体制づくりとしては、分譲設計に特化した「まちなみ設計」を各事業所に配置し、事業所毎でバラツキがある分譲物件を全体最適で効率的に対応。建設は、グループ会社の大和ランテックが担当することで、品質向上と生産性向上を図る。

 注文住宅では、注文住宅のフラッグシップ商品として最新フルスペック仕様を搭載した最上位パッケージとして軽量鉄骨の「xevoΣ PREMIUM SMILE Edition」と木造の「PREMIUM GranWood SMILE Edition」を投入する。販売目標は前者が年間50棟、後者が20棟、販売価格は175万円から/坪。

 国内の販売戦略として、規格商品とセミオーダー商品を「Smart Made Housing.」(スマートメイドハウジング)として新たに訴求し、分譲住宅の「Ready Made Housing.」と合わせて、住宅一次取得層へのアプローチを強化する。好調な海外事業(米国)は2026年度に10,000棟超を目指す。

 カーボンニュートラルへの取り組みとしては、CO2排出量の多い鉄骨造から木造へのシフトを強化し、新たな戦略商品としてZEH・耐震等級3・構造と防水の初期保証30年にした分譲商品「Comfort Wood」の建設を推進。第1弾「セキュレア飾磨区城南町」を供給した。

 リブネス事業(住宅ストック事業)を更に加速させるため、「自社物件」に限らず「他社戸建住宅」や「区分マンション」などの買取再販を拡大。1棟賃貸マンション仲介(オーナーチェンジ)も取り組む。

◇        ◆     ◇

 記者はこの30年来、男女の性差がなくなる社会と同じように、住宅は分譲も賃貸も、マンションも戸建も、新築もと中古も、オーダーもレディメイドも関係なく、ライフスタイルによって自由に選択できる時代がやってくるのではないかとずっと考えてきた。各種の調査結果からもその傾向が強まっていることがうかがえる。住宅着工戸数で、持家が2021年12月以降29か月連続して前年同月比でマイナスになっているのもその一つだではないか。

 この日の永瀬氏の話も時代の流れに沿ったもので、市場縮小が続く注文住宅は現状を維持し、規格・セミオーダー比率を高め、分譲戸建てを強化するというのも説得力がある。分譲を7,000棟に伸ばすというのは、地方のビルダーや不動産会社との連携は必要だろうが、圧倒的なブランド力を誇る同社が本気で取り組めば不可能な数字ではないはずだ。賃貸から注文、分譲への提案も可能だろうし、リブネス事業(住宅ストック事業)はまだまだ伸ばせる余地があると思う。

 分譲を強化する意味で参考になるのは、記事にもした「セキュレア多摩聖蹟桜ヶ丘」だ。1棟現場だが、周辺の戸建て環境に負けない植栽計画が秀逸だし、リビング天井高を3.16m確保して差別化を図っているのもいい。

 課題を指摘すれば、外構ではないか。説明会で記者団から「外構計画」について質問があったが、永瀬氏は「2~5棟現場ではコストがかからないよう華美にはしない」と答えた。

 この「華美」はどのような意味か分からないが、昨年見学した「セキュレア西大宮V」でも、説明会で紹介された4棟現場の「セキュレア飾磨区城南町」の画像も樹木は貧弱だった。

 いわゆるパワービルダーの分譲戸建てなどはぺんぺん草も生えないものばかりだが(敷地が30坪では植栽はほとんど無理だが)、住宅と外構=植栽はセットだ。しっかり緑化を図るべきだと思う。野村不動産やポラスグループは〝街をつくる〟を掲げ、小規模区画でも植栽には力を入れ、差別化を図っている。

 「駐車スペースの緑化」で検索したら、同社グループ大和リースのホームページがヒットした。「景観が良くなる」「温度の上昇を抑えられる」「地域に貢献できる」などとあり、様々な提案がなされている。分譲もそうすべきではないか。同社に限ったことではないが、「5本の樹」計画の独走を許していいのか。

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