大東建託の施工協力会社で構成される大東建託協力会は7月27日、第2回 匠マイスター技能選手権(地区大会)を開催。首都圏中心の15支部(チーム)が出場し、豊富な知識と経験を持ち、模範として認定された、大工・電気・設備の3職種の「匠マイスター」3人が1チームとなり、2.5畳大の建屋を制限時間3時間で仕上げる競技に挑戦。審査の結果、金賞を受賞した熊谷支部(チーム)、銀賞の横浜支部(同)、銅賞の八王子支部(同)など5支部(同)か来年11月に行われる全国大会に出場することが決定した。大会会場となった東京ビックサイトには匠の関係会社、家族などを含め約1,000人が参加した。
冒頭、大会委員長で大東建託協力会副会長・西田芳則氏は、「本日のこの東京会場では54支部の中から選ばれた15支部45名の方々が参加されております。このうち上位5支部のチームが来年の全国大会に出場されます。金沢でも同時進行の形で12支部42名の方が競技を行っています。昨年の50周年記念大会では各支部の結束力を強固なものにすることができました。今回は昨年の個人戦と異なり、大工・電気・設備の3人がチームとなって戦うことが大きな特徴です。お互いが切磋琢磨し、競技レベルを上げていきましょう。大会を通じて職人の魅力を発信し、建設業への進路意欲向上を図りましょう。皆さんのご活躍が将来の職人への道しるべとなることを期待しています。がんばりましょう」とあいさつ。
審査委員長の大東建託執行役員中日本建築事業本部部長・田中等氏は「個々の技術力を超えて、大工、電気、設備の各業種間が協力し合うことで一つのチームとなって卓越した技術を披露していただきたい」と述べた。
「匠マイスター」は、大東建託協力会の職種23種の中から「豊富な知識と経験を持ち作業員の模範となる職人」として認定された人で、①安全・品質の牽引役②若手技能者の育成・技術の継承③生産性の向上-などを主な目的としている。
今回の大会に出場した支部(チーム)は、都内が江東、板橋、世田谷、国分寺、八王子の5支部、埼玉県が春日部、熊谷、川越の3支部、千葉県が柏、千葉支部、神奈川県は横浜、厚木支部、静岡県が静岡、浜松支部、茨城県がつくば支部の15支部。協力会会員は約14,000社、約15万人。
競技は、5500ミリ×5000ミリのブース内に設置された2.5帖大の建屋の天井、壁にグラスウールを充填し、石膏ボードで仕上げ、排水管、電気設備を制限時間3時間以内に設計図通り完成させるもの。ブースは2分されており、分化されたスペース内では安全性を確保するたる1人しか同時に作業できない条件が付されていた。
この条件が厳しいのか、15チームのうち建屋を完成させたのは5チームにとどまった。会場は、見学者にとっては寒いくらいの温度設定だったが、大工さんなどは汗だくになっていた。
審査の結果、最優秀の金賞に輝いたのは熊谷支部で、銀賞は横浜支部、銅賞は八王子支部、入賞はつくば支部と浜松支部。この5支部が来年11月に行われる全国大会に出場することが決定した。
会場では、応援の家族などが楽しめるようカブトムシの詩か緑コーナーなどキッズエリア、スタンプラリー抽選会、屋台エリアも設置された。
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この種の競技を初めて取材した。現場でのこぎりを挽き、カンナで削り、のみでほぞ穴をあけ、墨ツボで線を引く、昔の大工さんとは全く違うのに時代が変わったことを再認識させられた。
一番驚いたのは、天井や壁の仕上げに採用される石膏ボードの重さだった。大工さんは脚立を使い、畳1帖大の石膏ボードをいとも簡単に張り付けていたが、重さを聞いたら16キロだった。厚さによっては30キロくらいのものも一人で張り付けるという。一つ間違えれば大事故につながる危険な作業だ。女性の職人は1人も出場していなかったのもよく分かった。
授賞式では金賞を受賞した横浜支部チームの職人の方が感極まって「もう泣きそう」と喜びを爆発させた。の以下、会場で拾った「匠マイスター」と関係者の声を紹介する。