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2024/08/02(金) 23:02

木と土と水を使い浄水、火起こし KIDZUKI×Tamagawa Mokurin Puroject

投稿者:  牧田司

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「自然の中で生き抜くためのキャンプスキル」サマーキャンプ

 KIDZUKI(三菱地所ホーム)Mokurin Tamagawa Puroject(玉川学園)723日、同学園キャンパス内で中学部1年生24名を対象としたサマーキャンプにて、「自然の中で生き抜くためのキャンプスキル」と題し、自然の中で自分たちの力で身を守るための「想像力」「協調性」「防災力」を育むプログラムを実施した。

 防災×アウトドアのプロフェッショナルであるアウトドアライフアドバイザー寒川一氏を講師に招き、生き抜くために必要なものについての座学をはじめ、木、水、土を使った浄水と火起こしや煮沸、テント張りなどのフィールドワークを行い、キャンパス内で1泊した。プログラムの模様は午前中の一部がメディアに公開された。

 本プログラムは、三菱地所ホームと玉川学園が環境教育(木育)の視点で、複合的な協力を行い、新たな木の価値の創造や環境・社会課題の解決、持続可能な豊かな未来の実現を目指すもの。 2022年に協定を結びスタートさせた「KIDZUKI×Tamagawa Mokurin Project」の取り組みの一つ。

 サマーキャンプは毎年中学部一年生を対象とし実施されている。音楽や読書などいくつかの玉川学園の夏季プログラムの中から生徒自身が好きなものを選んで参加できるようにしたもので、本プログラムが一番人気であった。

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寒川氏

        ◆     ◇

 午前9時から寒川氏の授業が始まった。寒川氏は東日本大震災や能登半島地震のなどの事例を紹介し、「いざというときに必要なものは何ですか」と生徒に問いかけた。生徒は「体を清潔にするもの」「食料」「水」「服」「スマホ」「メンタル」などと答えた。(記者は「メンタル」にドキッとした。核心をついていると思った)

 火起こし(焚火)は、今から60数年前の記者の小さい頃の田舎は「日常」風景だった。大人も子どもも焚火を囲んで、焼き芋を焼きながら世の中のことを語り合った。当時は、火吹竹にむせ返り、悪態をつきながら毎日のように風呂焚き番をこなした。今回の火起こしで皆さんが四苦八苦しながら取り組む姿は何かを学んでくれるはずと、頼もしく思えた。

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地下水をくみ上げる施設

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キャンパス内の森

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「このシュロが火起こしに役立つんです」寒川氏

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森から土を採取する生徒

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火起こし

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〝そう、そう、親指と人差し指を合わせてひし形の空間をつくり、そこから息を吹き込むと火が付くんだよ〟

        ◆     ◇

 有意義な話を聞かせてくださった寒川先生と玉川学園の先生方、三菱地所ホームの広報をはじめとする関係者の方々、そして何よりも楽しい時間を過ごさせてくださった24人の生徒の皆さん、本当にありがとうございました。そのお礼の意を込めて本プログラムで気付いたことなどを以下に述べます。

 第一は、玉川学園が素晴らしい学校であるということです。お世辞じゃありません。これほど豊かな森に包まれた学校は、地方にはあるかもしれませんが、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)にはまずないはずです。皆さんの誇りだと思います。

 当サイトではこれまで、〝街路樹が泣いている〟などみどりの大切さについて記事を書いてきました。木を大切にすることは、人間を大切にすることと同じだと考えているからです。

 この日の東京や神奈川の気温は36℃を超えました。周りの建築物やコンクリで固められた道路などの表面温度は50℃~60℃になっているはずです。猛烈な暑さを感じる体感温度指数は100%です。

 ところが、火起こしに使う枯れ枝などを探しに森にわけ入ったときの温度は32℃くらいだったと思います。みどりは外気温を20度以上も下げてくれるんです。太陽と水と土だけで何百年も生き、暑くても寒くても文句など言わずすくっと立っている姿を美しいと思いませんか。なのに、街路樹や公園の樹木は粗末に扱われています。

 そして、一番驚いたのは、学内で利用される水はすべてキャンパス内に設けた井戸から地下水をくみ上げ、ろ過し、飲み水にも使用できるようにしているということです。このような学校は全国的にも珍しいのではないかと思います。触ってみました。水温は15℃くらいでした。自然の冷蔵庫です。昔は、井戸水でスイカを冷やしたもんです。

 詳しいことは書きませんが、私たちの主食の米はもちろん、牛肉や豚肉、その他の食料品や生活用品には大量の水が使われています。水問題は世界的に深刻化しています。木もそうですが、水を大切にする取り組みが欠かせないと思います。

 それともう一つ。香川県出身の寒川氏は、14(中学2年生)の時に2週間かけて四国一周旅行をしたのが「僕の原点」と話していました。

 金持ちだとか貧乏だとか、学校の成績がいいとか悪いとか、背が高いとか低いとか、そんなことは大人になったら全然関係ありません。自分とは何か、どうしたら人間らしい美しい生き方ができるか、自分にしかできないことは何か、今回のサマーキャンプはそのヒントを与えてくれるはずです。余談私は、小学高学年から中学生のころはいつも廊下に立たされていました。それでも〝おれはおれだ〟というメンタルは持っていました。

「木」を媒介とした取り組みに関する協定 三菱地所ホーム&玉川学園(2022/10/2

 

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