日本イコモス国内委員会は9月24日、「神宮外苑地区街づくり」計画に関する事業者、東京都、国際NGOイコモス3者による公開説明会の開催と、東京都都市計画審議会の再審を求める要望書を小池百合子・東京都知事宛てに提出した。事業者の「事後報告書」は、以下の5点で不適切であるとしている。
1. 事業者が提出した「事後報告書」(2024年9月9日)は、樹木の本数のみの報告であり、都知事が要請された「緑の質」に関する検討が欠落している。
2. 日本イコモスは3年間に及ぶ調査により146本の毎木調査を実施し、指摘してきた。今回の報告では一切、検討が行われていない。環境影響評価は、科学的分析に基づくことが基本であり、再提出が必要である。
3. 環境影響評価書における科学的調査の欠落は、日弁連会長声明(2024年3月14 日)においても指摘されていた。今回、提示された芝生広場における計画は風致地区Aであるにも関わらず、一切、科学的調査が行われていない。植物社会学にもとづく、群落調査を実施し、環境影響評価書の再提出と審査が必須である。
4. 東京都は、港区長からのイチョウ並木保全の要請(2023年9月25日)、港区民からの同・要請(2024年9月9日)を受けとめ、ただちに名勝指定に必要な手続きをすすめ、文化庁に名勝指定要望を行うことを要請する
5. 日本イコモスが要請してきた「人命の安全保障の検証」(群集津波に関して)が欠落している。