三菱地所は10月1日、世界48都市、18,000室の家具付き賃貸住宅サービス事業を展開しているBlueground Holdings Ltd.(ブルーグラウンド)社のCEO兼共同創業者・Alex Chatzieleftheriou(アレックス ハジエレフテウ)氏らを招いて「Blueground Japan開業記念イベント」を開催した。
イベントの冒頭、三菱地所住宅業務企画部長・鈴木智久氏は同社のフレキシブルリビング事業について説明。2019年にシンガポールのCo-Living(賃貸住宅)事業を展開しているスタートアップ・Hmlet社とJV事業を開始し、2023年11月には、三菱地所100%子会社のFL Japan Holdings(代表取締役:佐々木謙一氏)を設立。2024年10月現在、Hmlet Japan社は東京都心部で51拠点、1028室を運営している。
一方、米国Blueground Holdings Ltd.とは、日本国内での独占的ライセンス契約を締結し、2023年11月に設立した三菱地所の100%子会社Blueground Japan(代表取締役:横手翼氏)が今春から日本市場でのサービスを始動させている。
フレキシブル事業の特徴は、オンラインでの契約・契約期間の変更、申し込みから入居まで数日間、家具・家電・水道光熱費込みのオールインクルーシブル、24時間365日のトラブル対応、多言語によるサポートなど。
ブランド戦略として、Hmletのターゲットは若年層/子一人暮らし/フリーランスなどで、価格帯は20~40万円/月、運営方式はコミュニティ重視、ソーシングは1棟単位の借り上げ・運営。Bluegroundのターゲットはエグゼクティブ/ファミリーで、価格帯は40~100万円/月、運営方式はプライベート重視、ソーシングは1戸当たりの借り上げ。
将来展望として、この2ブランドの展開により2027年度は室数5,000室以上、売上高150億円以上、2030年は室数10,000室以上、売上高300億円以上を目指す。
続いて登壇したアレックス氏は、創業する前の5年間は世界を飛び回り、ほとんどホテル暮らしで費用が高くストレスもたまることから創業を決断。設立当初は従業員10人、住戸数は100室だったのが、現在では従業員は1,000人以上、世界48都市で18,000室を運営している。2028年には100都市、1000,000室を目指すと語った。
日本市場については、①ホテル滞在は費用が掛かりすぎる②家具付き賃貸物件が少ない③手続きが面倒で時間がかかる④テクノロジーが活用されていないなどの課題を挙げ、「東京はニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界トップ3の都市。賃貸住宅はデザインが優れており、メンテナンスが行き届いている。(同社が基準としている)機能が備わっている。まだまだ伸びる。わくわくしている。完璧なパートナー(三菱地所)を獲得できた。事業が成功することを確信している」と語った。同社が独自開発した物件管理プラットホーム-オペレーション-ダイナミックプライシングのテクノロジーで差別化を図るとしている。
Blueground Japanの取り組みについては横手氏が説明。外国人から見た言語の壁、貸主側の躊躇、アナログな手続きを解消した世界基準のサービスと日本の不動産ノウハウを掛け合わせて展開しており、現在運営している都心7物件(36室)の平均面積は53㎡、稼働率は56%、年内に100室に拡大すると話した。
この後、Blueground Christos Misailidis氏、Alexandre Devoucoux du Buysson 氏、Hmlet Japan代表取締役兼Blueground Japan取締役・佐々木謙一氏によるトークセッション「フレキシブルリビング事業の現在」が行われた。
各氏は、フレキシブル住宅市場は現在3~4%にとどまっているが、2030年には15%まで拡大すると話した。
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