ポラスグループ中央住宅は11月7日、居住者と生産者をつなぐプロジェクトの第二弾「リーズン新鎌ヶ谷 きときと未来プロジェクト」(全14戸)のメディア向け見学会を行った。建物全体完成の2月を待たず、供給した13戸が2か月で完売。歩留まり率は36%に達している。卓越した商品企画が検討者の心をとらえた結果だ。
「きときと未来プロジェクト」がスタートしたのは2022年11月。富山県は47都道府県の中で野菜生産量が最下位であることに頭を悩ませていた富山青果市場の職員・大石和さんが現状を何とかしたいとホームページで呼び掛けたのを、同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課主任・小瀧愛美さんが知ったのがきっかけ。
小瀧さんは、SNSやりモートとリアルな体験を組み合わせれば、富山県産の食(農)を通じて「フードロス」「地球温暖化」「SDGs」などの社会課題に自分事として向き合えるのではないかと考えた。以来、5回富山県に赴き、昨年分譲の第一弾「結美の丘 浦和 きときとプロジェクト」(全17戸)の分譲にこぎつけた。
今回の物件は、東武アーバンパークライン・新京成電鉄・北総鉄道・京成成田スカイアクセス線新鎌ヶ谷駅から徒歩17~18分(京成電鉄初富駅から徒歩9~10分)、千葉県鎌ヶ谷市南初富2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全14区画。従前は畑。土地面積は120~133㎡、建物面積は95.22~105.58㎡、価格は3,490万~4,890万円。施工はポラテック。建物全体竣工は2025年2月末。
今年8月16日から分譲を開始し、10月20日までに分譲した13戸(1戸は未分譲)がすべて完売。反響数は82件で、モデルハウス(3棟)来場者は39組。来場者は地元中心に、地縁のある都内居住者もあるという。
第二弾は、富山県(富山野菜/富山生産者)に加え、埼玉県(KIRINOKA/厚川産業)、大阪府(SUGIMOKA/モリアン)、長野県(信州志賀石/メイク)、の4府県の企業・団体とコラボレーションし、居住者と生産者が直接交流できるワークショップなどを行っていく。
見学会で小瀧さんは「第一弾の『浦和』の居住者の方々からは〝生産者の苦労がよくわかった〟などと高い評価を頂いています。今回も反響は思いのほか多かった。来年のゴールデンウィークあたりに第1回のワークショップを開きたい」と語った。
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第一弾も現地見学しているので記事を参照していただきたい。今回注目したのは、歩留まりの高さだ。39組に対して14戸(1戸は戦略上未契約だが)が2か月で完売したというから、歩留まり率は36%だ。
なぜ、これほどの高い数字を残せるのか。第一はコンセプトが検討者の心に響いたからだが、物件のレベルは極めて高い。この価格帯でよくぞ商品化できたものだ。 一つひとつ紹介する余裕はないが、①1階リビング天井高2700ミリ②小上がり畳コーナー③Low-E樹脂サッシ④食洗機⑤挽板フローリング⑥引き戸・開き戸ともソフトクローズ機能付き⑦ハイブリッド給湯器⑧隣り合う住戸をゆるやかに「ツナク゜テラス」「ポタジェ」「雨水タンク」などで、「KIRINOKA」「SUGIMOKA」「信州志賀石」の演出もいい。
「浦和」も「新鎌ヶ谷」も残りは1戸というが、これは、来場者の声を集め今後の「きときと未来プロジェクト」に生かす戦略だと思う。