「ジオ板橋浮間舟渡」
阪急阪神不動産(事業比率40%)、西日本鉄道(同40%)、総合地所(同20%)が12月上旬に分譲する「ジオ板橋浮間舟渡」を見学した。同じ工業地域立地で早期完売した隣駅・北赤羽の「ヴェレーナグラン北赤羽」(318戸)同様、需要を喚起できるか。
物件は、JR埼京線浮間舟渡駅から徒歩5~6分、板橋区舟渡1丁目の工業地域(建ぺい率47.45%、容積率199.70%)に位置する敷地面積約21,627㎡、7階建て全598戸。第1期1次(戸数未定)の専有面積は56.16~83.85㎡、価格は未定。竣工予定は2026年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。
これまでのエントリー数は1,800件、モデルルーム来場者は1か月半で400件。
現地は工場跡地で、敷地南西側に新河岸川が流れ、川向うにはこんもりとした森が広がっている。建物は新河岸川に面したB・C棟を中心に9棟構成。ZEH-M Oriented採用予定で緑地率は18%。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、サッシ高2200ミリ(一部除く)、ディスポーザー、食洗機、浴室タオル掛け2か所など。平均専有面積は69㎡、戸別宅配ボックス付きなど。このほか、アースラウンジ(We Proudly Serve Starbucks®コーヒープログラムを首都圏分譲マンションとして初めて導入)※1
、ゲストルーム2室、スタディコーナー、児童福祉施設、木造共用棟、プレイコーナーなど。
阪急阪神不動産プロジェクト担当・梨木氏は「価格は未定ですが、坪単価は360万円を目指す。70㎡前後が中心ですので、グロスは8,000万円超となりますが、今後、『赤羽』エリアは坪500万円超の計画が見込まれている。本物件は、大規模ならではの充実した共用施設や浮間公園に近い住環境をアピールしたい」と話している。
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モデルルームは72㎡のプランで、玄関を入って右側の洋室(5帖大)を多目的に利用できる部屋とし、バルコニー側の洋室(6.9帖大)の一部(1.9帖大)をマルチスペースとしているのがいい。オプションだが、長谷工の「アイセルコ」が利用できるので、住宅ローンに取り込めば月額数百円程度の負担で採用できる。また、展示している観葉植物もほとんどが本物で拘りを感じる。浴室タオル掛けも2か所と配慮されている。
予定単価は高いような気もするが(「北赤羽」は坪320万円)、電車で5分の「赤羽」や東上線の「大山」は坪500万円をはるかに突破している。11万㎡の「浮間公園」へ徒歩6~8分、様々なスポーツ施設が揃う「新河岸東公園」へ徒歩5~6分、さらには荒川の河川敷も徒歩圏だ。物件に「TOKYO EARTH PROJECT」となづけているように、これらの生活環境をアピールできるかが成否のカギを握るのではないか。
今後、同社は首都圏マンション事業を強化し、供給ベスト10入りを目指すという。西鉄もそうだが、電鉄(系)デベロッパーが首都圏でしっかりした地歩を築けるかどうか、今回の物件は試金石となるはずだ。