指数=2020年を100とした指数
記者は、今年の首都圏新築マンション市場も中古マンション市場も堅調に推移すると見ているのだが、着工戸数、建築費を含めて過去5年間を振り返ってみた。
別表・グラフがそれで、新築マンション着工戸数は2020年の53,913戸から漸減しているが、2024年は11月末現在で47,903戸になっており、通年では前年を上回るのが確実だ。
一方で、不動産経済研究所によると2024年の新築マンション供給戸数は前年比14.4%減の2万3000戸となる見通しで、既報の通り着工戸数に対するカバー率は50%を割るのは間違いない。坪単価は11月末現在398万円で、前年の405万円とほぼ同水準に落ち着く模様だ(単価水準が高い都心部や神奈川県のカバー率が低いので、実質的には前年を上回るのではないか)。
2020年を100とした2024年11月末の指数は130.4となっており、建築費の133.3とほぼ同じ。利益を確保したうえで、建築費上昇を価格に転嫁できていることをうかがわせる。
東日本レインズデータによると、中古マンションの成約件数は2024年11月末現在で34,065戸となっており、前年の35,987戸を上回るのが確実視される。
それ以上に注目されるのが成約単価上昇だ。2024年11月の成約坪単価は262.1万円で、20年5月から55か月連続で前年同月を上回った。
さらにまた、注視すべきなのは新規登録件数と在庫件数かもしれない。これらの動向が住宅市場を探るうえで重要なモノサシになるのではないか。
2020年を100とした中古マンション価格指数は143.9で、新築マンションの130.4を13.5ポイントも上回る。この4年間で44%も価格が上昇した計算になる。かつてバブル期には中古マンション価格が新築マンション価格をリードしたが、一部都心部などでそのような現象がみられる。今後の動きに注視したい。
建築費の上昇も続いている。建築物価調査会のデータによると2020年を100とした場合の2024年末の価格指標は133.3で、前年より5.9ポイント上昇した。押し下げる要因が見当たらないだけに、今後も上昇基調が続くものとみられる。
建築物価調査会のデータ
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