三井不動産 分譲マンション売上高・計上戸数・平均価格・完成在庫の推移
年度 |
売上高 (億円) |
計上 戸数 |
平均価格 (万円) |
完成在庫 (戸) |
2000 | 2,210 | 4,831 | 4,575 | 140 |
2001 | 2,409 | 5,333 | 4,518 | 175 |
2002 | 2,286 | 5,118 | 4,467 | 485 |
2003 | 2,542 | 5,566 | 4,567 | 455 |
2004 | 2,974 | 5,130 | 5,798 | 490 |
2005 | 1,809 | 4,341 | 4,167 | 236 |
2006 | 2,024 | 4,487 | 4,510 | 267 |
2007 | 2,346 | 5,240 | 4,477 | 453 |
2008 | 2,749 | 5,206 | 5,281 | 826 |
2009 | 2,565 | 4,651 | 5,515 | 872 |
2010 | 2,660 | 5,455 | 4,877 | 638 |
2011 | 2,138 | 4,512 | 4,739 | 380 |
2012 | 2,362 | 4,956 | 4,765 | 223 |
2013 | 2,955 | 6,557 | 4,506 | 170 |
2014 | 2,495 | 4,858 | 5,136 | 83 |
2015 | 2,534 | 4,391 | 5,772 | 88 |
2016 | 2,772 | 5,200 | 5,330 | 321 |
2017 | 2,470 | 3,707 | 6,663 | 108 |
2018 | 2,522 | 3,283 | 7,683 | 141 |
2019 | 2,360 | 3,194 | 7,390 | 128 |
2020 | 2,903 | 3,775 | 7,689 | 150 |
2021 | 2,067 | 3,208 | 6,442 | 82 |
2022 | 2,356 | 3,196 | 7,373 | 55 |
2023 | 2,806 | 3,280 | 8,554 | 24 |
2024 | 3,776 | 3,693 | 10,225 | 32 |
2025 | 4,000 | 2,800 | 14,286 |
※2025年度は同社の業績予想
既報の通り、三井不動産は5月9日、2025年3月期決算を発表。売上高は13期連続、営業利益、経常利益、純利益は3期連続で過去最高を更新した。また、記者は決算発表の2日前の5月7日付で「三井不動産2025年3月期決算 絶好調マンション 計上3,650戸 平均価格1億円超へ」と題する予想記事を書いた。計上戸数は予想より43戸多い3,693戸となったが、平均価格は予想通り10,225万円となった。今期の計上戸数は大幅に減少する見込みだが、1戸当たり平均価格はさらに上昇して14,286万円になる模様だ。
別表・グラフを見ていただきたい。2016年度は計上戸数5,200戸で、1戸当たり平均価格は5,330万円、完成在庫は321戸だ。その後、計上戸数は減少しているものの平均価格はほぼ上昇の一途で、2024年度の平均価格はついに1億円を突破した。この9年間で2倍近くに上昇したことになる。
注目すべきなのは、今期の業績予想だ。営業収益は前期比224億円増の4,000億円で、計上予定戸数は前期比893戸減の2,800戸だ。この通りだと、1戸当たり平均価格は4割近くアップの14,286万円になる。
平均価格が大幅に上昇するのは、同社が幹事会社となっている「HARUMI FLAG SKY DUO」1,455戸(事業比率は未公表)、「パークコート ザ・三番町ハウス」193戸、「パークシティ高田馬場」325戸などの大規模・高額マンションが計上されるからだ。期初の計上予定戸数に対する契約進捗率は88.5%に達しているので、計画通り引き渡しが完了するのは間違いない。
今期だけでなく、価格上昇は来期以降も続く。 「パークコート青山高樹町 ザ タワー」85戸、「パークシティ中野」807戸、「パークシティ小岩 ザ タワー」731戸、「パークタワー向ヶ丘遊園」241戸などか続々竣工する。
三井不動産レジデンシャルの販売用不動産は用地取得関係費の期末残高は2.5兆円に上っている。同社だけでなく、大手デベロッパーは軒並み都心部の高額・再開発にシフトしている。野村不動産も総額23,560億円相当分(戸数換算19,760戸)の分譲用地のストックを確保していると公表した。競争は激化するが、よほどの景気変動がない限り、都心部の高額マンション坪単価は3,000万円以上、20坪で10億円以上になると記者は見ている。
完成在庫について。記者は5月7日付の記事で、「完成在庫数は3Q末の9戸を上回るか下回るかは不明だ。販売戦略上『三田』は未分譲住戸が数十戸ある模様で、そうだとすると〝完成在庫〟としてカウントされる可能性もある」と書いた。期末の完成在庫数は32戸だ。同社はこの32戸に「三田」が含まれているかどうかはコメントしなかった。
そこで提案だ。完成在庫の定義を変更してはどうか。野村不動産ホールディングスは数年前から完成在庫を「販売中」と「未販売」に分けて公表している(今期末は「販売中」が248戸で、「未販売」は279戸)。同社に倣って「販売中在庫」と「未販売在庫」にわけてはどうか。
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