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2025/05/12(月) 12:05

旭化成ホームズ 2025年3月期決算 売上高、営業利益とも4期連続過去最高

投稿者:  牧田司

 旭化成ホームズは5月9日、2025年3月期決算を発表。売上高9,935 億円(前期比8.8%増)、営業利益913億円(14.9%増)となり、ともに4期連続で過去最高を更新した。個人住宅の着工戸数が減少する中、事業エリアを大都市圏に絞り、アッパーミドル・富裕層向けの大型化・高付加価値化を進めているのが奏功した。

 領域別では、建築請負事業は売上高4,195億円(前期比4.6%増)、営業利益446億円(同27.7%増)。大型化・高付加価値化の推進に加え、受注棟数回復と集客構造の改革に向け、各エリアにおいて不動産部門、リフォーム部門との連携強化を図り、受注増につなげた。

 高額商品のRATIUSシリーズ受注棟数は745棟(2023年度は648棟)、2025年1月に発売した3階建て邸宅「FREX asgard(フレックス アスガルド)」の受注棟数は103棟、昨年トライアルした木造戸建て住宅「Asu-haus(アスハウス)」の受注棟数は10棟。

 不動産開発事業は売上高527億円(前期比14.9%増)、営業利益91億円(同2.0%減)。マンションの売上戸数は635戸(前期は525戸)。事業拡大のため、今年3月には首都圏での土地仕入れに強みを持つTHEグローバル社との業務資本提携を締結し、2025年4月には競争力や戦略遂行力、意思決定のスピード向上を強化するため、同事業を旭化成不動産レジデンスから吸収分割の方法により旭化成ホームズに承継した。

 賃貸管理・不動産流通事業は売上高1,681億円(前期比7.9%増)、営業利益171 億円(同7.2%増)。管理戸数は12.6万戸を超え、空室率は2%台前半を維持するなど堅調に推移。リフォーム事業は売上高578億円(前期比2.7%増)、営業利益74億円(同11.3%増)。

 海外事業は売上高2,930億円(前期比15.9%増)、営業利益123億円(同6.8%増)。北米事業において、東部エリアへの事業拡大を目指し、上期にフロリダ州のサブコントラクターであるODC社を買収したことや、為替の影響により売上高、営業利益は前年比でプラスとなった。

 次期の業績予想は、売上高10,740億円(前期比8.1%増)、営業利益961億円(同5.2%増)を予定している。

◇      ◆     ◇

 上段の記事は、同社代表取締役社長・大和久裕二氏も出席して512日に行われた決算補足説明会で配布された資料と大和久氏らの説明を加味して書いたものだ。記者はオンラインで参加した。

 補足説明会で記者団から木造戸建て「Asu-haus(アスハウス)」に質問が飛んだ。大和久氏は受注棟数について「多くはない」と話し、今後実証実験を通じ課題などを整理して本格的な受注活動につなげる意向を示した。

 記者は昨年6月に行われた「Asu-haus(アスハウス)」甲州街道モデルを見学取材しており、どこにも負けない、素晴らしいモデルハウスだと思った。

受注棟数が10棟というのはいかにも少ないという印象を受けるが、モデルハウスの立地条件(多摩モノレール線甲州街道駅から徒歩4分)を含めた〝本気度〟に課題があるような気がする。

戸建て市場が縮小する中、大手・中小の競争は激化している。この市場に参入するには人材を含めたエネルギーは通常の2倍、3倍必要だと思う。手っ取り早いのはMAではないか。

もう一つ、注目しているのは同社の今後の事業ポートフォリオだ。戸建て市場は縮小する一方だから、今後の伸長は望めない。伸ばせるのは海外事業と不動産開発部門だろう。海外事業は同社も2030年ころには売上高を5,000億円まで伸ばす意向だ。不動産開発部門でも現在の売上高500億円台を倍増させることができるのではないかと見ている。マンションの建て替えではどこよりも実績があり、最近は再開発案件に積極的に取り組んでいる。〝アトラス〟のブランディングがカギを握ると見ている。

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