「ビー・グレイス柏 未来隣区」1期・2期(完成予想図)
ポラスグループの中央グリーン開発は6月6日、全92区画の分譲戸建て「ビー・グレイス柏 未来隣区」のメディア向け見学会を行った。柏駅からは距離がややあるが、大規模開発であることを生かし、コミュニティを醸成する集会所を設け、居住者が街づくりを行う仕掛けを施している。集会所とデルハウスは出色の出来だ。
物件は、JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩22~23分、バス12分バス停から徒歩9分(自転車で柏駅から約8分)、柏市篠籠田の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する開発面積約16,000㎡、全92区画。1期(13戸)・2期13戸の土地面積は120.28~137.22㎡、建物面積93.57~98.12㎡、価格は3,990万~5,690万円(中心価格帯は4,000万円台後半から5,000万円台前半)。建物は2025年4月完成済。構造は木造2階建(在来工法)。施工はポラテック。
現地の従前は林地。コロナ禍の最中に42区画を取得し、その後隣接地の50区画を取得。全92区画として開発した。公道の入り口から最大比高差は約10mの高台立地。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH水準、リビング天井高2700ミリ、食洗機・浴室乾燥機・電動シャッター・床暖房・宅配ボックス・エコワン・雨水タンクなど。共用施設として平屋建て木造集会所(延床面積56.51㎡)を設け、かまどベンチ、シェアサイクルを備えている。
同社千葉支店取締役支店長・小林亮一氏は「この規模の住宅地開発は当社グループとして10年ぶり。希少性が高いので、知恵を出し合い、ハード・デザインに加え、集会所を設けるなどコミュニティも重視し、災害時の共助を育む『未来輪区』とネーミングした。今年3月28日から第1期13戸を販売開始し、これまでに12戸を成約、5月に分譲開始した第2期13戸も4戸が成約の見込み。7月に第3期を分譲する予定で、それまでは成約したい」と語った。
同社設計部企画設計課課長・剣持翔太氏は、「設計のポイントはサステナブルを形にしたこと。コミュニティを醸成する施設として集会所を設置し、各住戸のLDKを美南が゛羽ではなく道路面に配した。景観協定を結び、街並みを入居者の方々が創りやすいような仕掛けも施している」と話した。
同社開発千葉支店流山事業所営業課2係チームリーダー・伊香龍人氏は、「売れ行きは好調に推移している。検討者は近くのマンションや、駅の反対側の停止条件付土地分譲や、その他周辺の分譲戸建てと比較されている。購入者の半数は柏市内、子育て世代が中心なのはメインターゲットとして設定した通り。好立地ではないが、集会所を設置した理由などをきちんと伝えており、総合力として他には負けない。高い評価を頂いていることにそれが表れている」と語った。
モデルハウス(マンションに標準装備しているピアキッチン付き)
集会所
左から剣持氏、小林氏、伊香氏
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価格は予想した通りだった。同社の物件の手前には、総合地所などの「ルネ柏ディアパーク」(389戸)のマンションが分譲開始された。坪単価は250万円前後だ。当然、マンションとも競合しているはずだ。どちらがいいかは検討者が判断することなので、記者はコメントしない。
ただ、今回の分譲戸建ての特徴である集会所はとてもよくできている。なによりいいのは、床と壁にニュージーパインと呼ばれる本物の木が使われており、床はナグリと浮造りの中間くらいの仕上げになっている。素足で歩くととても気持ちがいい。集会所は法人化して、柏市の管理団体に寄付することになっている。共用施設のままだと区分所有の問題が発生するからで、入居者は管理費として2,500円/月負担する仕組み。
3棟のモデルハウスは、同社グループのそれと同じようにふんだんに本物の木を多用しているのは変わらないが、それぞれリビング階段、小上がりスペース、縁側デッキ、ピアキッチン(同社のマンションに標準装備)、中二階、銘木壁付きSTAIR LIVINGなど、企画意図を明確に伝えている。同等の価格帯の戸建てやマンションと比較して出色の出来だと思う。
駅からの距離、戸数の多さなどからして常識的には完売まで2~3年かかるはずだが、そんなに時間をかける予定ではないようだ。
モデルハウス
デッキ付きモデルハウス
モデルハウス
集会所(左は提供公園)
ニュージーパインの床
柏駅圏最大389戸 18坪(62㎡)の新型3LDKに注目総合地所「ルネ柏ディアパーク」(2025/2/16)