RBA OFFICIAL
 
2025/07/19(土) 15:48

マンション再生メニュー 2つ⇒7つへ 旭化成ホームズ 区分所有法改正セミナー

投稿者:  牧田司

IMG_7480.jpg
左から大木氏、戎氏、鎌野氏、重水氏(神保町三井ビルディング4階ファミリーホール) 

旭化成ホームズ・マンション建替え研究所は718日、「11回 高経年マンション再生問題 メディア懇談会」を開催。同研究所特任研究員・大木祐悟氏がモデレーターとなり、早稲田大学名誉教授・鎌野邦樹氏、弁護士・戎正晴氏、同研究所長・重水丈人氏による「区分所有法改正で、マンション再生はどうなるのか? 」をテーマにしたパネルディスカッションを行った。

区分所有法の改正は、建物の老朽化と居住者の高齢化という「2つの老い」の社会課題を解決するためのもので、2025523日の国会で成立した。改正法では、区分所有法で定められている議決要因「全員の同意」「5分の4以上の賛成」などが緩和され、集会(総会)に出席しない・意思表示しない区分所有者や「所在等不明区分所有者」を分母から省いて決議してもいいことになり、再生メニューは、従来の建て替え決議とマンション敷地売却決議の2つに加え、建物の取り壊し敷地売却決議、取り壊し決議、再建決議、敷地売却決議、建物の更新決議の5つが加わるのがポイント。一部を除き202641日に施行される。3氏のコメントは以下の通り。

鎌野邦樹氏 今回の区分所有法改正に当たっては、法務委員会で16回、国土交通省の検討会でも同じくらいの回数にわたって論議され、大きな改正がなされた。従来は、法務省管轄の法制審議会、国会の法務委員会で論議がなされてきたが、今回は国交省所管の国土交通委員会でなされた。これは国民にとってマンションはもっとも重要な財産だという共通認識が背景にある。私は結果的によかったと思う。課題は、建て替えなど費用などお金の問題。法改正によって様々な再生メニューが示されたが、それに乗らない管理不全マンションがあちこちにできると、経済的にも地域にとっても非常な損失となる。それを未然に防ぐことが重要。

戎正晴氏 今回の法改正は、建て替えの意味が変わってきたということ。国の文章にもあるように、マンションは区分所有者の責任と費用で解体されなければならないのだが、マンションは解体責任を全然認識していない、解体までの費用が担保されていない現状がある。解体責任を果たすために、区分所有者にとってもっとも有利なのは建て替えで、今までの資産が新しい資産になり、終の棲家にもなる。これからは、解体積立金か解体保険になるか分からないが、解体費の確保を重視するマンション施策が中心に位置付けられるようになる。出口戦略を本気で考えなければならない時代になったということ。

重水丈人氏 この法改正の議論が始まったのは2022年の10月から。それ以降、当社のマンション建替え研究所ホームページへの問い合わせ件数は大幅に増加している(資料では、2022年度以前の3年間の問い合わせは240件前後だったのが、2023年度は324件、2024年度は335件に増加)。関心が高まっているということがはっきりしている。当研究所も、関心を持っていただいた方々へよりわかりやすくする情報を発信していくことに注力していく。マンションの合意形成で一番苦しいのは、反対されることではなくて、関心を持ってもらえないこと。たとえ違う意見でもちゃんと意見を戦え合わせれば前には進める。それが我々の役割。世に広めていきたい。

        ◆     ◇

 今回のパネルディスカッションは、マンションの建て替えを中心とする再生(戎氏は「終活」と語った)がテーマなので、全体的な改正法については、国土交通省が78日に行った「令和7年度 改正マンション関連法に関する説明会」の記事を参照していただきたい。 

改正マンション関連法にする説明会に約480 国土交通省&法務省(2025/7/8

 

 

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン