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2025/07/24(木) 23:40

多様な用途にも利用できる 応急仮設住宅 試作棟完成 プレ協

投稿者:  牧田司

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設置完了型応急仮設住宅 試作棟(江戸川区南葛西の藤公園)

 プレハブ建築協会は7月23日、工場で製品化し、現場での人員も最小限に抑えられ、工期も短く、省エネ性にも優れた設置完了型応急仮設住宅 試作棟をメディアに公開した。昨年1月1日に発生した能登半島地震では、地形的な特徴に加え道路、電気、ガス、水道などのインフラが切断され、自治体からの依頼を受けてから引き渡しまで時間がかかった経験を受け、1日でも早く供給できるよう研究・開発を進めてきたもの。

 試作棟は安定した工期・品質・コストで供給できるのが特徴。大きさは4.523×5.600mm=25.33㎡(7.7坪)で、重さ約7トン。居室・ダイニングの居室ユニットと、キッチン・トイレ・洗面・浴室の設備ユニットを組み合わせたもの。工場で製作したユニットをトラックで運搬し、現場での工事はH形鋼基礎工事、設備工事だけで済み、職人や熟練者も不要。ほとんど1日で施工できる。断熱性能にも優れ、木質内装も可能。

 令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、プレ協は輪島市などからの要請を受け、1月12日に第1号の応急仮設住宅の建設に着手し、2月21日に引渡した。令和7年1月1日現在の引き渡し仮設住宅は4,467戸に上っている。

 自治体の依頼から引き渡しまで1か月以上かかったのは、半島という地形的な特徴により交通網や電気・ガス・水道などのインフラが遮断され、現地まで資材や人員を運ぶのに時間がかかり、宿泊施設もないことから1日当たりの作業時間は2~3時間に限られ、建設地の造成に時間がかかったことが影響したとされている。

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◇        ◆     ◇

 担当者から説明を聞き、試作棟を見て、これはいいと思った。断熱性が確保されており、広さも7坪あるから2~3人でも住める。

 課題もありそうだ。外観は見るからにコンテナ、トランクルームだ。もう一つは窓面。断熱性を高めるためか、居室側の腰窓1か所しかない。逆に、メジャーホテルより立派な水回り部分は三点セットでいいと思った。

 そして何より大きい課題は、いつ、どこで起きるか分からない地震に備えるユニットの保管コストの問題だ。

 そこで、記者が考えたのは他用途との併用だ。公園、ホテルの宿泊施設や建築現場や物流施設などの仮眠・休憩施設として利用できるのではないかと。トレーラー型にすれば建築物ではないから建ぺい率、容積率は問われないし、固定資産税もかからない。1泊3,000円でも採算ラインに乗り、文字通り〝ドル箱〟になるのではないか。同じようなものはミサワホームも三井ホームも商品化している。

工期短く堅牢、高い断熱性能、脱炭素にも貢献三井ホーム「NLTコンテナ」販売開始(2025/2/13)

ミサワホーム「いつも」「もしも」ZEH対応トレーラーハウス「MOVE CORE」発売(2023/8/24)発売

 

 

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