「クレヴィア等々力」
伊藤忠都市開発が分譲中の「クレヴィア等々力」(25戸)を見学した。分譲開始から9か月で8割が成約し順調な売れ行きを見せている。環八・第三京浜に近接しているが、窓を占めるとほとんど音は聞こえず、リビング天井高250ミリ以上、徒歩数分の等々力渓谷が通勤・通学路にもなり、風致地区に指定されていることなどが来場者に評価されているという。
物件は、東急大井町線等々力駅から徒歩8分、世田谷区中町一丁目の第一種低層住居専用地域、第二種住居地域に位置する3階建て25戸。専有面積は54.71〜86.10㎡、価格は8,690万~14,990万円。先着順で分譲中の住戸(5戸)の専有面積は71.40〜86.10㎡、価格は10,890万〜14,990万円。坪単価は530万円。建物は2025年6月に竣工済み。設計・監理はインター・プロデュース一級建築士事務所。施工は第一建設工業。販売代理は伊藤忠ハウジング。
昨年9月からエントリーを開始し、これまでの問い合わせ件数は約1,800件、コンセプトルーム来場者は200件前後。販売開始は昨年11月からで、これまで20戸が成約。成約者の約3割が地元世田谷区民で、そのほかは近隣の目黒、品川、大田区など。
現地は一種低、第二種風致地区の社宅跡地。歩こうと思えば駅まで等々力渓谷が利用できる希少立地。建物は西南西向き。設計・監理は、国内外のチャペルやブライダル施設、ホテルなどを手がけているインター・プロデュースを起用。ファサードは、水平方向のスラブラインと垂直方向のマリオンで統一感を演出。幅約3m、長さ約30mの庭園はグリーンアンドアーツが監修。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2550~2600ミリ、サッシ高2200ミリ、フィオストーンレキッチン天板、良水工房、マイクロバブルバス、「MOTリネン」(18戸)など。
販売担当者によると、環八・第三京浜に近接していることを懸念する人は多いが、窓を締めるとほとんど音はせず、高い天井高、1低層の住環境などが現地見学者から評価されているという。
エントランス・庭園
庭園(光は蛍をイメージして明滅する)
「MOTリネン」
◇ ◆ ◇
記者は、等々力のマンションなどを見学した際は等々力渓谷を散歩することにしている。今回も取材の目的の一つは、渓谷をゆっくり歩くことにあった。ところが、一昨年の台風の影響でがけ崩れや倒木が多くの個所で発生したことから、通行止めになっていた。来年3月に通行可能になるそうだ。
つまり、物件の現地見学者の中には等々力渓谷のすばらしさを知らない人も少なくないことがうかがわれる。この日案内してもらった販売担当者も、関西勤務から東京勤務に異動になってから2年目で、等々力渓谷を歩いたことがないと話した。
販売は順調に進捗しているようだが、等々力渓谷を知らない来場者が渓谷を歩いたら評価はどうなるかを考えた。まず、マンションの徒歩1分の価値は坪単価に換算するとどれくらいになるか。仮に等々力駅から徒歩1分で分譲されたら坪単価はまず700万円を下らないはずだ。徒歩1分のマンションの価値は坪単価にして1%に置き換えると考えられる(記者は駅距離で価値判断しないが)。今回の「等々力」は徒歩8分だからマイナス56万円として644万円となる。
一方で、等々力渓谷を散策や通勤・通学路として利用できる価値を考えてみた。一人当たり月額3,000円(記者の日高屋飲食代3日分)の価値はあると思う。3人家族なら年間3,000×3×12=10.8万円だ。35年間住めば378万円だ。これを坪単価にすると18.9万円になる。つまり、644+18.9=662.9万円だ。530万円は信じられない安さだと思う。皆さんはいかがか。
通行止めになっている等々力渓谷(ゴルフ橋から=この名称は米国の将校が、ゴルフ場に行くのにこの橋を渡ったことかに名付けられたとか)
区の保存樹に指定されている「成城石井」に植わっているケヤキ
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