左から岡前氏、大和久氏、武藤氏、友松氏
旭化成ホームズは9月5日、サステナビリティ説明会を開催し、同社代表取締役社長・大和久裕二氏、常務執行役員兼人事部長・岡前浩二氏、DE&I推進部長・友松登喜子氏、執行役員サステナビリティ推進・DE&I推進・武藤一巳氏がサステナビリティの取り組みについて説明した。配布資料はA4にして22ページにもわたるもので、全ては紹介しきれないが、記者が注目したものを中心に以下に紹介する。
まず、「旭化成ホームズグループVision for 2030」で掲げる「With Customers」「With Environment」「With Employees」の3つのマテリアリティのうち「With Employees」から。同社のこの種の記者発表会は初めてと思われる友松氏は、管理職における女性の人数(2021年度末からの増加率)について2023年度の28.5%から2024年度は45.7%に激増したと報告した。記者はこの数字にびっくりした。ありえない数字だと。
何のことはない、( )書きされた小文字の(2021年度末からの増加率)を記者は見落とし、女性管理職の比率が激増したと読み間違えたのだ。厚労省のデータによると、旭化成ホームズ単体の従業員に占める女性の割合は32.6%(正社員)で、管理職に占める女性の割合は2.8%(-人)だ。
この数値は自慢できるものではない。増加率が激増しているのはそもそも分子が小さいからだ。タレントマネジメントシステム「CaMP(キャンプ)」「キャリアチャレンジ制度」「新規事業創出プログラム 『WAKUWAKU(ワクワク)チャレンジ』」などの成果が上がっているのだから、女性活躍にもっと力を入れてほしい。社長直下かつ独立組織とすることでDE&I推進を加速させるのは正解だと思う。文字通り〝母力〟を生かす時代だ。
同社は9月5日付で「旭化成ホームズグループDE&方針」を発表。「Diversity(多様性)ダイバーシティとは、一人ひとりの違いを可能性と捉えること」「Equity (公平性)エクイティとは、一人ひとりに最適な支援が提供され、公平に機会をつかめること」「Inclusion (包摂性)インクルージョンとは、違いを尊重し・活かし合うこと」としている。
「With Customers」「With Environment」では、ZEHを超える環境性能(GX志向型住宅)「earth-tect」、RE100の達成、ZEH・ZEH-Mの推進、まちもりの推進、ALC廃材を活用した世田谷区との「グリーンインフラ」実証実験などについて報告した。
注文するとすれば、まちもりの推進の2025年度目標50%は低すぎると思う。「5本の樹計画」に追いつき、追い越す取り組みが必要だ。あとは、「母力」と親和性が高い木造・木質化の取り組みを強化してほしい。
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同社は9月5日、大手ハウスメーカー初の住宅の建設~解体までの生涯CO2収支ゼロを目指す戸建て新商品「earth-tect(アーステクト)」を同日から販売開始したと発表した。
建物の建設~運用~改修~解体(廃棄)までの累積CO2排出量を算出し、HEBEL HAUS由来の環境価値(非化石証書)を用いてエンボディドカーボンに充当する考えを採用している年間販売棟数は200棟。
「earth-tect(アーステクト)」
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