
「ルピアコート川口本町」模型
ポラスグループ中央住宅は12月9日、12月下旬に分譲開始する「ルピアコート川口本町」のメディア向け見学会を行った。分譲住戸40戸すべてに同社のトレードマークである「ピアキッチン」と食器棚を標準装備しているのが特徴で、キッチンカウンターには秋田県産材のクリの無垢材を採用している。同社は「価格は未定」としているが、いったいいくらになるか。記者もよく分からない。
物件は、JR京浜東北線川口駅から徒歩7分、川口市本町三丁目の商業地域、準工業地域(建ぺい率76.91%、容積率369.47%)に位置する14階建て全44戸(事務所4戸含む)。専有面積は70.02~73.24㎡、価格は未定。竣工予定は2027年12月下旬。施工は川村工営。販売代理はアートランド。設計・監理は川口土木建築工業。販売開始は2025年12月下旬。
9月初旬に物件ホームページを開設し、これまでのエントリー数は約500件、11月からのモデルルーム来場者は約70件。
現地は、川口駅東口周辺に10数本の超高層マンションが林立するエリアから少し離れたところで、建物の南側と西側の道路・歩道の幅員は約21~23mあり、住戸は5階から。1フロア4戸構成で、うち3戸は西向き、南西角住戸が1戸。専有面積は全て70㎡以上(南西角住戸は約73㎡)。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、全戸ピアキッチン・食器棚付き、食洗機、床暖房、かくれんBOX、全戸浴室・収納窓付き、変身クローク、片寄せマイギャラリー、浴室タオル掛け2か所、ブッシュプルドアなど。
見学会で同社マインドスクェア事業部マンションDv営業企画課課長・西牟田奈津子氏は、「昨年、『大宮』(ルピアコート大宮The VISTA)を皮切りに、無垢材のヨーロピアンオークのピアキッチンを4物件に採用したが、今回は秋田県産材のクリの無垢材にした。この他の商品企画に対する評価も極めて高い」と語った。

ピアキッチン

〝暑さは45ミリです〟

エントランスラウンジ
◇ ◆ ◇
同社が「新宿落合」に〝ピアキッチン〟を初採用してからこれまで30年くらいか、物件の数にしたら数十物件を見学取材してきた。文句なしにいい。「大宮」で採用したヨーロピアンオークも重厚感があったが、国産材を使用したいという意向があり、メーカーなどと連携して採用にこぎつけたようだ。浮造りで、長さはカウンター部分2400ミリ+テーブル部分1500ミリ×幅850ミリ×厚さ45ミリ。
そして何よりいいのは、天井まである幅2400ミリのバックカウンター・収納も標準装備としていることだ。価格が高騰している現在、これらを標準装備しているデベロッパーは同社しかないはずだ。
この価値を計算したらいくらになるか。西牟田氏はピアキッチンだけで100万円以上、バックカウンター・収納棚は約250万円と話した。70㎡に換算すると坪単価は十数万円だ。
このほか、今回初めて知ったのだが、駐輪場の上段はガススプリング式で女性でも軽々と片手で挙げられるものが採用されていた(記者は二段式の上段に上げられない)。キッズサイクルスペースも設けている。
もう一つ強調したいのは、ドアノブだ。同社はずいぶん昔から開き戸のドアノブは全てプッシュフル式を採用していることだ。小さな子どもがいる消費者ならプッシュプルがいかにいいか説明するまでもない。事程左様にかゆいところに手が届く商品企画が同社のマンションの特徴だ。
さて、肝心の価格。同社は「未定」としか話さなかった。これまで注目物件のマンション単価を的中させてきたが、最近は見学物件が激減しており自信はない。それでもなんとか、三井不動産レジデンシャル「パークタワー川口本町」の坪単価500万円、大和ハウス「船橋」の坪単価600万円、三井不動産レジデンシャル「柏の葉」の坪単価430万円、三菱地所レジデンスなどの「赤羽」の坪単価600~700万円(わが多摩センターも坪単価450万円とはじいた)などから最低で坪単価450万円と予想する。
これでも、川口の〝民力〟〝駅力〟からして高いと思うが、これ以下はありえない。しかし、それ以上となるとグロスでは1億円を突破するので果たしてどうか。優れた商品企画であることを検討者に訴え切れるかどうかがカギになりそうだ。

片寄せマイギャラリー
駅東側10分、70㎡以上では8年ぶりポラス「大宮」坪単価400万円に挑戦(2024/4/5)

