
「KiGi AKIHABARA」
サンケイビルは7月22日、同社初の木造×鉄骨造ハイブリッド構造のオフィスビル「KiGi AKIHABARA」プレス発表・内覧会を実施。「木でつながる。人がかがやく。」をコンセプトに、木材を建物の構造だけでなく、オフィス空間や利用者体験、さらに開業後は地域住民とともに都市と森林をつなぐ取り組みを行っていくと発表した。
物件は、JR総武線秋葉原駅から徒歩6分、東京メトロ日比谷線・都営新宿線岩本町駅から徒歩6分、千代田区東神田二丁目の商業地域に位置する敷地面積約169㎡、木造・鉄骨造9階建て延床面積約1,072㎡。地価体面積は約711㎡(フロア約100㎡)、設計は熊谷組、施工は熊谷組・住友林業。着工は2025年3月、竣工は2026年5月29日。プロジェクトは、国土交通省「令和6年度優良木造建築物等整備推進事業」に先導枠として採択されている。
現地は敷地南側は柳原通、西側は小公園、北側は神田川。建物は建物中央のコアを鉄骨造とし、外周部を木造フレームとするハイブリッド構造で、施工を担当した熊谷組と住友林業の独自技術が採用されている。特に「環境配慮型λ-WOODⅡ」「KS木質座屈拘束フレーズ」「ドレスウッド」はわが国初採用となる。1階にカフェ、2階がラウンジ、3階以上が事務所。各ふめぁの床にはCLT材が採用されており、随所に現しの木デザインが取り込まれているのが特徴。天井高は3100~33000ミリ。
「環境配慮型λ-WOODⅡ」は、令和5年4月に施行された建築基準法改正に伴い、建築物の耐火基準として新たに90分耐火構造が導入されたのを受け開発されたもの。
建設時には、同規模の鉄骨造と比較して約59.1トン、約19%の鉄を木材に代替し、建設時CO₂排出量を約112.3トン削減している。
プレス発表会で同社常務取締役・朝日明博氏は「当社初の木造・鉄骨造ハイブリッドオフィス。機能性と木造の果たす環境価値を同時に追求したが、実現までは簡単ではなかった。設計、施工を担当していただいた熊谷組さんと住友林業さんの多くの知見と技術が注ぎ込まれている」と挨拶。また、同社建築技術部マネージャー・稲岡理絵氏がわが国初となる「λ-WOODⅡ(ラムダウッド・ツー)」「KS木質座屈拘束フレーズ」「ドレスウッド」などについて説明した。
続いて登壇した一般社団法人ASIBA共同代表・森原正希氏とソマノベースCEO/プランナー・浅利知波瑠氏は、今回のプロジェクトの特徴の一つである、都市と森林をつなぐプロジェクトについて説明。描くごとにヒノキなどの木の香りが広がる「森ごとクレヨン」を開発し、和歌山県の山林で採取した木の実オフィスワーカーに苗木になるまで育ててもらい、山林に返すプロジェクトなどを開始すると発表した。

2階ラウンジ

2階ラウンジ(KS木質座屈拘束フレーズ)

1階カフェ

1階カフェ(カウンターも軒天も本物の木)

9階セットアップオフィス

サイン

左から稲岡氏、朝日氏、森原氏、浅利氏
◇ ◆ ◇
木は文句なしにいい。今回も木が現しで表現されているのはとてもいいと思ったが、特筆したいのは、神田川に面している立地と「森ごとクレヨン」の開発だ。
「神田川」を後回しにして「森ごとクレヨン」について。ASIBAとソマノベースが独自開発したもので、ヒノキ、ヒバ、ひまし油をクレヨンの原材料に混ぜ合わせ、木の枝の形に成形したものだ。クレヨンそのものはほとんど匂わないが、ノートに描いたり、すりつぶしたりすると気の匂いがする。無害・無毒ということだったので、成形する前の材料をもらって、口の中に入れてみた。うまくは全くないが、途端にヒノキの香りが口腔を満たした。10分間は持続する。
木の香りがするクレヨンとして乳幼児だけの商品にしておくのはもったいない。記者はクスノキやドクダミの葉っぱをちぎって鎮静剤として日常的に利用している。草木の香りを取り込んだクラフトビールはすでに販売されているので、たとえはヒノキせんべい、オオイヌノフグリせんべい…すべての草木、雑草の香りは商品になるはずだ。催淫剤の王様の麝香はもう伝説だし、伽羅の香は数十万円すると聞いている。記者はモンゴルの農家の自家製馬乳酒を飲んだことがあるが、最高においしい。〝処女の酒〟と名付けた。発酵させると香りがきつくなり〝美女の酒〟になる。

「森ごとクレヨン」

会場で展示された「森ごとクレヨン」

取材後、酒のつまみになるか試してみた「森ごとクレヨン」(手前)。ダメ、酒とはあわない。よいこの皆さんは絶対真似しないように
◇ ◆ ◇
皆さんは、「神田川」から何を連想されるだろうか。記者は50数年前、70年安保の時代に流行した南こうせつさんの「神田川」をすぐ思い出す。ご存じない方も多いだろうから少し紹介する。
♭赤い手拭いマフラーにまいて 二人で行った横町の風呂屋 一緒に出ようと言ったのに いつも私が待たされた 洗い髪が芯まで冷えて 小さな石鹸カタカタ鳴った 貴男は私の体を抱いて 冷たいねって言ったのよ24色のクレパス買って 貴男が描いた私の似顔絵 窓の外には神田川 三間一間の小さな下宿…♭
小生は実際このような生活をしていた。神田川ではなく目黒川だったが…。
それから数年後、彼女に〝花を愛せる人になって〟と三行半の絶縁状を突きつけられて捨てられた。その通り実践した。北向き三畳間の窓にベランダを作り、花言葉は〝永遠の愛〟のサルビアの苗を植えた。環境が良くなかったせいか、記者のゆがんだ性格を反映したのか、咲いた赤い花は一輪だけだった。
その後、50年くらい記者をやってきたが、神田川に面したビル・マンションを取材するのは初めてだった。担当者が川に面していると説明しても、圧倒的多数派を占める若い女性の記者は全く反応しなかった。「神田川」の意味を知らずして、何を取材で得るのか。川は灰色に濁り、流れているのかどうかも判別できず、建物といえばみんな川に背を向けている。
昨日(7月21日)はオープンハウスとSHEの記者発表会があり、9割以上の20~30代の女性は「戦略的夫婦別空間(別室と同じか)」を熱望しているとのアンケート調査結果に愕然とした。亡くなった母親も含め妻、友人知人…女性が何を考えているか全く分からない。

神田川(9階から)

若い男性スタッフが「森ごとクレヨン」で描いた乳幼児そのものの絵

現地

