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2026/08/11(火) 09:01

中古戸建て 成約件数・価格ともマンションに大きな差をつけられているのはなぜ

投稿者:  牧田司

首都圏 中古戸建て成約件数と価格の推移.png
東日本レインズデータから作成

首都圏中古戸建て成約に関する基本指標.png
  首都圏 中古戸建て成約に関する基本指標.pdf

 前回紹介した東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の2025年度の首都圏中古マンション成約基本データに続き、今回は中古戸建てを紹介する。

 成約件数は22,042戸(前年度比38.9%増)、成約価格は3,958万円(同0.5%増)、土地面積は148.17㎡(同3.4%増)、建物面積は103.60㎡(同0.4%減)、築年数は24.52年(前年は22.89年)。

 エリア別では、東京都は成約件数6,763戸(同28.5%増)、価格5,953万円(同5.4%増)、土地面積110.25㎡(同4.0%増)、建物面積99.66㎡(同0.2%減)、築年数23.57年(前年は21.84年)。

 都区部は成約件数3,999戸(同28.6%増)、価格7,326万円(同6.1%増)、土地面積87.91㎡(同2.9%増)、建物面積98.73㎡(同0.1%減)、築年数23.85年(同21.46年)。

 神奈川県は成約件数5,722戸(同42.9%増)、価格4,006万円(同0.7%減)、土地面積149.67㎡(同1.3%増)、建物面積105.44㎡(同1.5%減)、築年数24.22年(同22.00年)。

 埼玉県は成約件数5,075戸(同54.8%増)、価格2,459万円(同0.7%減)、土地面積152.90㎡(同1.4%増)、建物面積102.40㎡(同0.3%減)、築年数24.98年(同23.96年)。

 千葉県は成約件数4,482戸(同35.0%増)、価格2,582万円(同0.8%増)、土地面積198.09㎡(同4.4%増)、建物面積108.55㎡(同0.5%増)、築年数25.82年(同24.58年)。

◇        ◆     ◇

中古マンション・戸建て価格の推移.png
東日本レインズデータから作成

 中古マンションと中古戸建ての成約件数と成約価格の推移を表・グラフにしたものだ。成約件数は1992年度から2025年度まで、マンション2~3:戸建て1の割合で推移している。

 価格は、1992年から2004年あたりまで、戸建てのほうがマンションより1,000万円くらい高い値で推移していた。ところが、マンションは2001年の1,957万円を底値に上昇に転じ、2016年は3,078万円となり、戸建ての3,035万円を上回り、逆転した。2025年度マンションが5,322万円であるのに対し、戸建ては3,958万円と価格差は1,364万円に拡大した。

 戸建ては、バブル崩壊後の2006年に地価公示で住宅地の価格が上昇に転じたころから下げ止まり、2013年の2,920万円を底値に上昇に転じ、2025年度は1997年の3,999万円の水準まで戻している。

 さて、問題はここからだ。どうしてこの30年間の間に、中古マンションと戸建ての価格が逆転し、その差が1,000万円以上になったのか。流通量に大きな差があるのか。

首都圏分譲住宅着工戸数.png

 あらゆる商品は市場、つまり需要と供給で決まる。別表は、国土交通省の住宅着工統計から1997年以降の首都圏の分譲マンションと分譲戸建ての着工戸数の推移を表・グラフにしたものだ。

 マンションはバブル崩壊後の1992年に約45,000戸まで落ち込んだが、その後は盛り返し、10万戸超の時代が10年以上続いた。大手デベロッパー=都心、中堅デベロッパー=郊外の棲み分けが機能していた。ところが、2008年のリーマン・ショックを契機に業界の再編成が行われ、市場は激変。中堅デベロッパーは一部を除き、市場から消えた。このため、2025年度の着工戸数は36,706戸となり、2009年の34,506戸以来の低水準となった。しかし、大手デベロッパーの〝資産性=駅近〟のプロパガンダは成果を上げている。売上高は2009年よりはるかに高いはずで、粗利益率は30%が当たり前になっている。

 分譲戸建てはバブル崩壊後も波はあるが、年間4~7万戸台で推移。2009年は45,024戸に落ち込んだが、マンションも34,506戸に激減したこともあり、逆転した。その後はマンションを上回る年のほうが多くなっている。

 新築マンションの着工戸数が少なくなったことが、中古市場の拡大につながったのは間違いないが、どうして中古戸建ては伸びないのか。分譲戸建てのほか、年間数万戸着工される持家も中古流通市場に流れるとすれば、ストックはマンションと変わらないはずだ。

 一つ考えられるのは、すそ野の広がりの違いだ。マンション市場の主な需要層は、子育てファミリーやDINKS、単身世帯が中心だろうが、このほかにも投資目的の富裕層、個人投資家、買取再販業者など多岐にわたる。

 一方、中古戸建ては、物件の個別性が高いため、売却に際する物件調査・保証に時間がかかり、需要層を読みづらいという課題もある。買取再販業者の戸建てへの参入が少ないのはこのためだと思われる。また、築古物件は、デベロッパーが買い取り、建売住宅として販売するケースもあるだろうし、市場性のない物件は空き家として放置されるのではないか。

 だが、しかし、〝資産性〟の高い〝駅近〟マンションもいいが、居住環境、居住性能を重視すれば駅から遠くても戸建てのほうがはるかに優れている。中古戸建ての流通促進策が求められている。

2025年度中古マンション成約件数は新築の2倍超坪単価は2017年の新築並み(2026/8/9)

 


 

 

 

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