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2026/09/03(木) 18:19

環境・社会・経済的循環を創出する分譲型賃貸「MOKURIE」第一弾を公開 大和ハ

投稿者:  牧田司

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「MOKURIE(モクリエ)」イメージ図

 大和ハウス工業は9月3日、同社初の分譲型賃貸住宅「MOKURIE(モクリエ)レイクタウン」のメディア向け内覧会を開催した。「MOKURIE」は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け2025年4月に設立した「Future with Wood推進部」の事業の一環として立ち上げたもの。〝森とつながる、響きあう〟をコンセプトに、地産材の活用により森林保全と地域経済、入居者の暮らしをつなぐのが目的。今回の建物はその第一弾完成物件。「MOKURIE」は向こう3年間で100棟の販売を目指す。

 物件は、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩10分、越谷レイクタウン5丁目の第一種低層住居専用地域(建蔽率60%、容積率100%)に位置する敷地面積約874㎡、木造(在来工法)2階建て延べ床面積約760㎡全10戸。ZEH-M、断熱等級「5」レベル都市、樹脂サッシを採用。専用面積は約76~86㎡、月額賃料は23~24.2万円の予定。販売予定価格は7億円台(想定利回りは4.5%)。

 地域(今回は埼玉県秩父)のスギの間伐材を外装材のオリジナルルーバーと、1階キッチンのリビング側の面材などに使用している。ルーバーは10~15年周期で交換する予定。また、居住者にも地域の山を身近に感じてもらうよう、林業の現場見学会や植樹体験なども行う予定。

 住戸の特徴は、1階のLDKの天井高を2.7m(一部除く)とし、最大3mのダウンフロアにしていること。また、バルコニーは設けず、1階には「DOMA(土間)」、2階には「ENGAWA(縁側)」を設置。2階の南側の居室は勾配屋根を利用して天井高最大4.7m(下部は天井高1.4mに抑えたロフト)を提案。階段ステップは15段、ドア把っ手は怪我をしないようアール形状にしている。〝ペット共生〟もテーマの一つで、もみの木のある広場には木調タイル床のリードフリースペースを設け、住戸内には愛犬用の足洗い場も設置している。

 内覧会で同社上席執行役員集合住宅事業本部長・竹林桂太朗氏は「食材などは生産者と消費者の間で〝顔の見える関係〟が築かれているが、(当社を含めたハウスメーカーもデベロッパーも)コストを削減する、生産性を高めることを主眼に置くと、木材利用はトレード・オフの関係にあり、住宅に関して、特に賃貸はその取り組みが遅れている。しかし、カーボンニュートラルの実現には、当社など大手メーカーの役割が大きい。『MOKURIE』は、地域の森林組合と地元の工務店と連携し、居住者にも地元の森林を知ってもらえるよう森林体験会なども実施して、地元の山を守っていくようお互いが話しあえる環境も整えていく。実証的な取り組みでもあるので、得られたデータなども公表し、木造のプレハブリケーションにも取り組んでいく」などと語った。

 また、同社HS本部技術統括部設計推進部(集合住宅全国統括副担当)技術主幹・部長の谷川靖洋氏は、「なぜ当社が木造に取り組むかの説明を行わないといけないと考え、コンセプトを大事にした。オーナーにも居住者にも豊かな森林を守ることの大切さを伝えていく」などと語った。

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「MOKURIE(モクリエ)レイクタウン」

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中庭(ルーバーは秩父産スギの間伐材)

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竹林氏(左)と谷川氏

◇      ◆     ◇

 同社にこれほど「木」について真剣に考えている人がいるのを初めて知った。記者は、2011年の「国際森林年」をきっかけに、森林・林業の取材もテーマの一つにした。森林・林業の荒廃がどのような結果を招いたかは、三重の田舎育ちの記者も肌で感じていたからだ。わが国の強靭化の肝は森林・林業の再生にあると信じている。

 この日(3日)は前日のRBA野球大会の取材の疲れが取れず(小生は77歳。グラウンド移動時間に1時間半、6時間にわたって1秒を争う野球を炎天下で取材することを想像してみてください=とても楽しい。大和ハウスも勝利した)、キャンセルも考えたが、森林・林業もテーマの一つだったので、取材することにした。

 取材が始まった10:30頃は意識も朦朧としていたが、終わるころにははっきり目が覚めた。竹林氏と谷川氏の話はとても分かりやすく、質疑応答の時間もたっぷりとられており、木材専門の記者からの質問も多く、とても参考になった。

 印象に残ったのは、記者団からの販売価格はいくらか、リーシングはどうかなどの質問に対し、竹林氏は「成約は急がない。『MOKURIE』は木のように(気長に)育てたい。木縁(機縁)を大事にしたい」と語ったことだ。竹林氏はとてもウイットに富む方だ。

 賃貸住宅の商品企画もとても高い。一般的にロフトは居室の天井部門に設けるが、この物件では2階の下部に設けているので、実質的には3階建てだ。本棚を設けた提案もしており、多目的に利用できる。賃料は安めに設定しているが、こちらのほうが人気になるのではないか。階段室のステップを16段にするなどユニバーサルデザインにも取り組んでいる。

 木材に詳しい同業の記者の方からもとても興味深い話を聞いた。小生はクスノキが大好きで、道端の葉っぱをつまんでは匂いをかぐ。鎮静剤にしている。取材の帰り、公園(広場)に植わっているクスノキの香りをかぎ、煙草を吸っていたとき(禁煙の表示はなかった)、その記者の方が通ったので声を掛け。「どうしてクスノキは家具などに用いられないのか」と聞いたら、「クスノキには毒性があるから。昔は殿様の便所に用いられていた」と話した。なるほど-毒をもって毒を制す。ドクダミも大好きだ。

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木製のキッチン側面

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2階南側の居室

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本棚を提案したプラン(左が上部、右が下部)

大日本山林会「これからの『林業政策』を問う」シンポジウム(2014/3/4)

今年は「国際森林年」主要32社の社有林 所有・利用状況

 

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