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2026/09/20(日) 15:52

業界初〝ひげの社長〟挨拶は〝1分間300文字〟実行 三井不・植田社長 記者懇

投稿者:  牧田司

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植田氏(帝国ホテルで)

 三井不動産グループは9月17日、恒例のグループ記者懇親会を開催した。三井不動産代表取締役社長・植田俊は次のようにあいさつした。

 植田氏はまず、「世界は危機的な転換期を迎えている。先行きが見通しにくい不透明な状況が続き、地政学的リスクも高まっている。国内では金利のある世界が戻り、インフレが構造的な変化として定着しつつある。物価高や人手不足といった課題がある一方で、生成AIをはじめとするデジタルシフトが加速し、事業環境は大きく変化している」と指摘。

 また、「デフレ時代には付加価値の高い商品やサービスが十分に評価されず、イノベーションが生まれにくい状況が続いた。しかし、デフレ脱却が進み、高い付加価値が適正に評価される環境へと変化している。こうした時代だからこそ、価値創造を軸とする当社グループの役割はさらに大きくなっている。産業デベロッパーとして社会のイノベーションと価値創造に貢献していきたい」と述べた。

 さらに、「今年は長期経営方針の中間点にあたり、昨年度には中間目標を1年前倒しで達成した。2030年の目標達成に向け、着実に歩みを進めている」と語った。

 各事業については次のように説明した。

 オフィス事業では、日本橋再生計画の重要プロジェクトである「東京ミッドタウン日本橋」が来秋の開業を目指している。オフィスは単なる執務空間ではなく、リアルなコミュニケーションを通じて付加価値を創出する場へと変化した。八重洲・日本橋・京橋エリアでは高額賃料の成約事例も生まれており、「YAESU CORE」についても満床稼働を目指している。

 商業施設・スポーツ・エンターテインメント事業では、「ららぽーと」の大規模リニューアルを推進。「東京ドーム」や「Kubota LaLa arena」などを核として、三大都市圏をカバーする強固な事業基盤の構築を進めている。

 ホテル・リゾート事業は高い稼働率を維持しており、12月には箱根・小涌谷の約14ヘクタールの敷地に「HOTEL THE MITSUI HAKONE」を開業する。豊かな自然を生かした日本を代表するラグジュアリーホテルを目指す。

 住宅事業では、都心部の大規模・高価格帯マンションが好調に推移している。「パークコート御茶ノ水ザ タワー」「パークコート麻布十番 ザ タワー」の分譲に加え、「パークアクシス五反田スカイタワー」の賃貸募集も開始した。

 物流施設事業では、需要拡大が続くデータセンター、研究開発施設、冷凍冷蔵施設などのインダストリアルアセットを成長領域として展開し、さらなる事業拡大を図る。

 海外事業では、英国で図書館やラボ・オフィスを含む大規模複合施設が着工予定である。米国南部のサンベルト地域では高級賃貸住宅の開発が進み、インドではグループ初となる住宅分譲事業に参画する。

 ソリューションパートナー事業では、「くまもとサイエンスパーク」事業推進パートナー基本協定を締結し、プロジェクトが本格始動した。産業デベロッパーとしてオープンイノベーションを促進し、日本の産業競争力強化に寄与する。

 ライフサイエンス分野では、「LINK-J」が設立10年を迎え、会員数は1,000社を突破した。宇宙ビジネス領域の「クロスユー」も会員数約400社へ拡大している。また、新千歳空港には半導体関連産業の共創拠点「RISE GATE NEW CHITOSE AIRPORT」を開設した。

 大規模開発・街づくりでは、築地再開発をはじめ、神宮外苑地区開発では新秩父宮ラグビー場の建設を進めている。本事業の収益の一部を神宮内苑の維持・管理費に充当する。これらの事業を通じて、地域の魅力向上と持続的な発展に貢献していく。

 環境分野では、「&EARTH for Nature」を掲げ、自然との共生を重視した街づくりを推進している。北海道のグループ保有林を活用した「日本橋本町三井ビルディング&forest」が来年1月に竣工予定であり、木造建築への挑戦を通じて持続可能な森林循環の実現を目指している。

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◇      ◆     ◇

 壇上にプロンプターが備えられていたのにはやや驚いたが、それ以上に驚いたのは植田氏のひげだった。記者が撮った2023年と2025年の写真を添付する。その違いが分かるはずだ。無精ひげにしては伸びすぎなので、いつから生やすようにしたのか、その理由を懇親会の終了間際で聞いた。植田氏は「8月ころから。肌が弱いもんだから」と答えた。

 ひげは肌を守るのに効果があるのか、家に帰ってChatGPTに聞いた。「ひげや口ひげを伸ばすことで、カミソリの刺激から肌が保護され、刺激や炎症のリスクが軽減されます。さらに、ひげは早期老化や皮膚の損傷を引き起こす可能性のある外部汚染物質に対する天然のバリアとして機能します…」と答えた-なるほど、植田氏はとても合理的な考え方をする方だ。記者は50年近く記者をやっているが、大手住宅・不動産会社の社長が髭を生やしているのを初めて見た。同業の記者の方も多分そうだと思う。

 合理的といえば、植田氏があいさつした時間は14分。文字起こしアプリで文字数を測ったら、4,225文字だった。1分間に304文字だ。〝1分間に300文字〟というのは聴衆にわかりやすく伝える文字数の目安だ(2016年、オバマ大統領が広島で行い、聴衆が感動した演説はもっと短く、日本語訳として確か1分間に200文字くらいだったと記憶している)。植田氏は忠実に守ったということだ。〝えー〟〝あのー〟などのフィラ-(つなぎ言葉)もほとんど口にしなかった。

 同社は昨年10月、生成AI活用による生産性向上と付加価値向上の両立を目指し、ChatGPT Enterpriseライセンスを取得し、約2,000人の全社員に展開、全社85部門・150人の「AI推進リーダーが主体となって、現場起点による独自AIプロダクト「カスタムGPT」を順次開発・運用開始し、業務削減時間10%以上を目指すと発表した。植田氏自身が、その取り組みを体現して見せたといえる。プロンプターが備えられていたのもそのためだろう。

 もう一つ、さすがだと思ったのは、懇親会でメディア(参加者は昨年と同じとすれば約200人)に供された水は先の地震で大きな被害を受けた熊本県産で、日本酒も熊本の「瑞鷹」だった。初めて飲む酒だったが、やや甘口で口当たりがよく水のように飲める。記者はこの種のイベントで飲むのはもっぱら白ワインで、ボトル1本分に相当するグラス8杯を飲み(値段にして約14,000円分)、シーバスリーガルも少し飲んだ。つまみはローストビーフ1皿と野菜サラダくらいだった。(血糖値を下げるには、酒以外のカロリーの高いものは食べないことにしている。最近の数値はとても良好)。

 懇親会では、植田氏のあいさつ以外のグループ会社の社長をはじめとする約35人の幹部から得た情報は記事にしないという約束だったので、数人のキーパーソンと歓談しただけだったが、とても楽しい会だった。記事も、少なくとも飲んだ酒代に見合うだけの量と質になったのではないか、と勝手に自負しているのだが…。

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昨年の記者懇での植田氏

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